社会保険について
いつも大変お世話になっております。
社会保険についての質問です。
二年ほど前に一人の従業員の雇用形態の見直しをしました。(年齢:70歳未満)
変更前
・月給 :15万
・週労働時間 :40時間
・標準月額報酬:15万
変更後
・月給 :88,000円
・週労働時間 :20時間
・標準月額報酬:88,000円
上記内容に変更後、月額変更届の提出をしていなかったため、二年近く差額分を会社で負担しているのが発覚し、今回遡及して月額変更届を提出しようとしましたが、従業員数が51人以下のため、労働時間が正社員の4分の3にみたないと、そもそも社会保険加入対象外なので喪失ではないか?と言われました。
本人は社会保険に加入したいと希望があるためできれば喪失届を出さない方向で処理を進めたいのですが、労使合意書は遡及して提出することは可能でしょうか?
また、仮に喪失届を提出した場合本人に2年分の国民健康保険の請求がきますでしょうか?
初歩的な質問で大変申し訳ございませんが、何卒宜しくお願いいたします。
投稿日:2025/08/27 16:48 ID:QA-0157346
- 焚火さん
- 宮城県/その他業種(企業規模 6~10人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 社会保険の加入要件(中小企業の場合)
従業員数が常時51人以下 の事業所では、いわゆる「特定適用事業所」ではないため、週所定労働時間が正社員の概ね4分の3以上でなければ健康保険・厚生年金の加入義務はありません。
ご相談のケースでは変更後「週20時間=正社員40時間の半分」であり、原則として資格喪失対象です。
2. 月額変更届を遡及して出せるか?
「標準報酬月額の変更届」は資格がある前提で報酬額に応じて出す書類です。
今回は資格要件(4分の3要件)を満たしていないため、月額変更届を遡及して提出することは適切ではありません。
仮に提出しても年金事務所側で却下される可能性が高いです。
3. 労使合意書を遡及して提出できるか?
労使合意書(社会保険適用拡大の任意加入)は、中小企業(51人以下)には使えません。
→ これは従業員数101人超(2024年10月からは51人超)で適用される仕組みであり、51人以下の事業所では制度上認められていません。
よって、労使合意を遡及して提出することは不可能です。
4. 喪失届を提出した場合の影響
喪失日は原則として要件を満たさなくなった日(=雇用条件変更日)に遡ります。
喪失処理がされると、
健康保険 → 市町村国保に切替(自治体から2年分請求される可能性あり)。
厚生年金 → 喪失後は国民年金1号となり、こちらも2年分遡って保険料が請求されます。
ただし、自治体や年金事務所とのやり取り次第で「直近まで会社で保険料を納めていたことを踏まえ、過去分を減免または一部免除」してくれるケースもあります。
(※自治体によって対応はかなり異なります。)
5. 本人が加入を希望している場合の対応策
原則加入できないため、会社判断で継続加入はできません。
ただし、現在は「短時間労働者の適用拡大」が進んでおり、将来的には少人数事業所にも適用される可能性が高いです。
本人が社会保険を強く希望しているのであれば、
週労働時間を30時間以上(=正社員の4分の3以上)に増やす
その上で資格を継続
→ という形に変更すれば、適法に社会保険を維持できます。
6.まとめ(会社としての説明の方向性)
従業員数が51人以下の会社では、4分の3要件を満たさない限り社会保険に加入できない。
そのため「月額変更届の遡及」や「労使合意による適用」は不可。
喪失処理をすると、国保・国民年金に2年分遡って請求される可能性がある。
(ただし減免措置の余地あり)
社会保険を希望するなら、労働時間を30時間以上に増やす方法しかない。
以上です。よろしくお願いいたします
投稿日:2025/08/27 18:07 ID:QA-0157349
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
とても参考になりました。
投稿日:2025/08/28 15:24 ID:QA-0157391大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、過去2年分については遡及して変更される事は可能といえるでしょう。但し、労使合意書まで遡及して提出可能であるかは微妙といえます。
一方、喪失届を出されて受理されますと当然ながら健康保険料の還付及び国民健康保険料の徴収が行われる事になります。
いずれにしましても、特殊な事案ですので、事前に所轄の年金事務所へ事情をきちんと説明され、対応についても確認してから動かれるべきです。
投稿日:2025/08/27 23:01 ID:QA-0157355
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
とても参考になりました。
投稿日:2025/08/28 15:25 ID:QA-0157392大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
ご質問のケースにおいては、所轄の年金事務所での判断が優先されますので、
まずは年金事務所にご確認いただくことをお勧めいたします。
原則的な考えとしては、
・社会保険加入要件を満たさない以上、社会保険へは加入できません。
・社会保険の加入要件を満たさず、喪失となっていた場合は、過去に遡り、
国民健康保険へ加入という扱いとなります。(国民皆保険の原則より)
年金事務所の判断によっては、遡及について配慮いただける可能性もございます。
また、年金事務所にお問合せする際は、すぐに週30時間で契約を再締結する場合、
過去の取扱いについて配慮をいただけるか確認されることをお勧めいたします。
いづれにせよ、年金事務所へ要相談です。
投稿日:2025/08/28 07:30 ID:QA-0157365
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
とても参考になりました。
投稿日:2025/08/28 15:25 ID:QA-0157393大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
社会保険は強制加入ですので、
労使合意書は不要です。
まず、なぜ2年前に資格喪失しなかったのかです。
仮に2年前に遡って資格喪失した場合には、
その間保険証を使用し、病院にかかったのであれば、
医療費は全て清算する必要があります。
保険料等も清算が必要です。
また、給与も原則として、再計算する必要があります。
投稿日:2025/08/28 09:28 ID:QA-0157370
相談者より
ご回答いただきありがとうございます。
とても参考になりました。
投稿日:2025/08/28 15:25 ID:QA-0157394大変参考になった
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