フルフレックスにおいての36対象時間の算出について
弊社では正社員はコアタイムなしのフルフレックスタイム制(深夜時間帯は原則就業禁止)を導入しております。
法定外時間については月の総労働時間(実働時間のみ)より算出しています。
具体的には所定日数×8時間を法定内とし、それを超えた時間を法定外としています。
このようなフルフレックスタイム制の場合の36対象時間の算出方法について教えて下さい。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/06/11 08:23 ID:QA-0153800
- 総務ななこさん
- 大阪府/その他業種(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.基本の考え方
(1) フレックスタイム制における法定労働時間の適用
フレックスタイム制においても、1か月の法定労働時間の上限(変形労働時間制ではない通常の枠)は、
以下の計算式で算出されます。
月間法定労働時間 =(その月の所定労働日数)× 8時間
※カレンダー上の平日が所定労働日で、土日祝が休日という前提であれば、
たとえば平日が21日の月なら「21日 × 8時間 = 168時間」がその月の法定労働時間となります。
(2) 時間外労働のカウント(36協定の対象)
36協定で問題になる「時間外労働時間」は、法定労働時間を超えた時間です。
したがって、以下のように判断されます:
労働時間の種類→該当時間→備考
法定内労働時間→月の法定労働時間まで(例:168時間)→実働時間がここまでなら時間外労働に該当しない
法定外労働時間(=時間外労働)→法定労働時間を超えた分→36協定の対象となる
フルフレックス制であっても、「清算期間(月)」ごとの実働時間で判断されます。
(3) 深夜・休日労働は別カウント
深夜労働(22時~5時)は割増賃金の対象になりますが、36協定上の時間外労働時間には含めません。
休日労働(法定休日に働いた分)は、36協定で別途扱われます。
2.貴社の場合の整理
正社員は「コアタイムなしのフルフレックスタイム制」を適用
法定外時間=所定日数×8時間を超える時間(実働時間ベース)
この定義は適切です。
3.36協定上の時間外労働の算出方法は
各月の所定労働日数 × 8時間 = 月の法定労働時間
社員ごとの実際の総実働時間を集計
実働時間 - 法定労働時間 = 時間外労働時間(36協定対象)
4.補足:注意点
フレックスタイム制の清算期間が1か月を超える(最長3か月)場合、その期間全体で法定労働時間を計算する必要があります(平均週40時間超が時間外労働)。
36協定の上限(月45時間、年360時間など)は、清算期間単位でも適用されるため注意が必要です。
労働時間管理においては、就業規則と36協定が一致しているか確認することが重要です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/06/11 09:15 ID:QA-0153804
相談者より
早速のご回答ありがとうございます。
ていねいにご説明下さり大変参考になりました。
投稿日:2025/06/11 09:45 ID:QA-0153812大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、フルフレックスであっても36協定上の時間外労働の扱いに関しましては、通常のフレックスタイム制と変わりございません。
従いまして、月の法定労働時間の総枠(30日であれば171.4時間、31日であれば177.1時間)を超えた労働時間が計算対象とされます。
投稿日:2025/06/11 09:27 ID:QA-0153811
相談者より
ご回答下さりありがとうございます。
月の法定労働時間の総枠間を超えた労働時間が計算対象とのことですが、暦日でカウントし、30日であれば171.4時間、31日であれば177.1時を45時間超えた場合に36協定に抵触するという理解で合っておりますでしょうか?
何度も申し訳ございません。ご教示ください。
投稿日:2025/06/11 09:48 ID:QA-0153813大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
36協定は法定労働時間を超えた時間をカウントします。
またフレックスは1日、1週間ではなく
1ヶ月間の実労働時間で時間外を判定しますので
1ヶ月の法定労働時間である171h.177h等を
超えた時間をカウントします。
投稿日:2025/06/11 11:08 ID:QA-0153826
相談者より
大変よく分かりました。
再度のご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/06/11 11:26 ID:QA-0153829大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
「月の法定労働時間の総枠間を超えた労働時間が計算対象とのことですが、暦日でカウントし、30日であれば171.4時間、31日であれば177.1時を45時間超えた場合に36協定に抵触するという理解で合っておりますでしょうか?」
ー 先の回答の通りですので、45時間を協定上の上限時間とされていればご認識の通りです。
投稿日:2025/06/11 11:12 ID:QA-0153827
相談者より
はい、36協定にて月の上限時間は45時間としております。ご回答ありがとうございます。
投稿日:2025/06/11 16:16 ID:QA-0153843大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答させていただきます。
フレックスタイム制適用者における、36協定上でカウントする時間外時間
の算出方法は、以下の通りです。
清算期間における、月の歴日数毎に定められている、1ヶ月の法定時間の総枠
時間を超えた時間より、カウントいたします。
31日 → 177.1時間 を超えた時間から36協定上の時間外時間として算出
30日 → 171.4時間 〃
29日 → 165.7時間 〃
28日 → 160.0時間 〃
「フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引き」などの
キーワードにて検索していただくと、厚生労働省が発行している資料等を
確認することも可能です。
投稿日:2025/06/11 11:19 ID:QA-0153828
相談者より
より詳しくご説明下さりありがとうございます。
教えて下さった資料も確認してみます。
ありがとうございました。
投稿日:2025/06/11 16:17 ID:QA-0153844大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご相談内容について回答いたします
フレックスタイム制における1カ月の総労働時間は以下の計算式で求められます。
1カ月の総労働時間=1週間の法定労働時間÷7×精算期間の暦日数
この時間を超えて労働させた場合には、36協定対象の時間外労働として割増賃金が発生します。
ただし、完全週休2日制の事業場でフレックスタイム制を導入した場合には、1日8時間相当の労働であっても、曜日の巡りによって、清算期間における総労働時間が、法定労働時間の総枠を超えてしまう場合があります。
この場合、労使が書面で協定(労使協定)することによって、以下の労働時間を限度とすることができます。
1カ月の総労働時間=清算期間内の所定労働日数×8時間
ご相談内容に、「所定日数×8時間を法定内とし、それを超えた時間を法定外」とありますので、御社が週休2日制であり、「所定日数×8時間」について労使協定を締結されていれば、この総労働時間が適用されます。
その場合のフルフレックスタイム制の36対象時間の算出方法は以下の通りとなります。
36協定対象時間=月の総労働時間-月の実労働時間
投稿日:2025/06/11 17:33 ID:QA-0153857
相談者より
ご回答ありがとうございました。
弊社は完全週休2日制ですが、フルフレックスタイム制につきましては就業規則に定めており、労使協定の締結はしておりませんが、問題ございませんでしょうか。
投稿日:2025/06/12 16:50 ID:QA-0153908大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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