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裁量労働と深夜残業命令に関して

弊社では、一部社員に裁量労働制を適応しています。
基本的に、出社時間も退社時間も自由であると考えていますが、裁量労働制の対象社員には、割増賃金を払えば、「深夜残業命令」と「休日出勤命令」ができるのでしょうか。
それとも、会社が命令することは趣旨に反することなのでしょうか?

投稿日:2008/10/15 10:38 ID:QA-0013970

jinさん
埼玉県/コンサルタント・シンクタンク(企業規模 1~5人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答2

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

裁量労働制につきましても、休日及び深夜労働に関しては通常の労働者と同じくその事実があれば割増賃金の支払義務が発生します。

しかしながら、休日・深夜労働について労働者自ら希望し会社が認めたものではなく、会社から命令をするとなりますと労働時間に関する自由裁量が守られていないことになり、裁量労働制の要件である「業務の遂行の手段・時間配分に関し労働者に対して使用者が具体的指示をしないこと」に反してしまいますので、同制度の趣旨からも認められないものといえるでしょう。

仮にそのような命令の必要性が業務上不可欠とすれば、裁量労働制の見直しを検討されるべきというのが私共の見解になります。

投稿日:2008/10/15 11:31 ID:QA-0013971

相談者より

服部 康一様

敏速で的確なご回答、ありがとうございました。
弊社としましても、これから、裁量労働制を社員に拡大していくかどうかの見直しの時期に来ておりますので、これからまた質問させていただくこともあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

投稿日:2008/10/17 20:55 ID:QA-0035539大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

裁量労働制に残業命令は馴染むのか?

■裁量労働制の難しさの一つに給与の決め方があります。本制度は、みなし労働時間制の一種であり、給与には、休日、深夜も含めた労働実態が反映されていなくてはなりません。これは、「通常必要とされる時間」と言われるものです。《実態》と《みなし》の間には、乖離が生じがちなので、「通常必要とされる時間」には有効期間を設け、乖離を修正することが必要となります。
■裁量労働制の本質は、「みなし時間」と「成果」にあり、「成果」達成のための労働時間は、労働者の裁量(責任)にゆだねることになります。従って、ご質問の「深夜残業命令」や「休日出勤命令」を与えることは、《趣旨に反する》と理解すべきでしょう。このような命令が必要になることは、両者間の乖離の兆候かも知れません。

投稿日:2008/10/15 12:52 ID:QA-0013972

相談者より

川勝民雄様
適切なご回答をいただきまして、本当にありがとうございました。
今後の人事制度を考えていく上で大変参考になりました。
やはり、裁量労働は運営が難しいと考えております。
また質問させていただくこともあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

投稿日:2008/10/17 20:58 ID:QA-0035540大変参考になった

回答が参考になった 0

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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