出向社員の給与の差額補填
弊社では、親会社の社員の出向受け入れを行っています。給与,社会保険等については弊社の格付けに併せて全額弊社で直接、出向社員に支払っていました。この度、親会社からグループ会社間で出向社員の取扱いを統一したいので、出向契約を見直し4/1日から出向者の給与,社会保険等は全て出向元払いとし、弊社は親会社の請求に基づき給与負担額を支払うこととしています。さて、問題は親会社の出向者のひとりを弊社では管理職として任用し、現在も当該社員は弊社で管理職として活躍していますが、親会社は「当該社員は親会社では管理職ではないので、親会社の格付けの給与しか支払わない。」と言っています。弊社では社長以下認めて任用し、問題なく職務・職責を果たしていることから、親会社が支払わないといっている給与について、その差額給与を弊社が本人へ直接支給することを考えています。税法上は当該本人に確定申告をしていただくことになりますが、何か他に問題となることが発生するのでしょうか?ご教授をお願いいたします。
親会社の意見が強硬な場合は、弊社判断で単独でも行いたいと考えています。
投稿日:2008/03/25 11:42 ID:QA-0011853
- *****さん
- 大阪府/その他業種(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、御社と親会社の間で出向契約を見直したとしても、既に受けている個々の労働者の処遇をそれに基き一方的に不利益変更することは当然認められません。
この場合、親会社が給与負担することになれば、格付けがどうあれ会社都合で現に受けている賃金を減給することは出来ませんし、トラブルとなった際の責は給与支払義務を持つ親会社に存在するものといえます。
従いまして、出向契約が変更された場合、この問題は出向社員と親会社の間の係争事項となるはずですので、まず減給となることを本人に親会社からきちんと伝えてもらい同意を得ることが必要です。仮に本人が拒否すれば嫌が上でも契約上から親会社には全額の給与支払を行なう義務が生じますので、そうした点を明確に親会社に伝えるべきというのが私共の見解です。
御社が善意で差額分を負担するというお気持ちは理解できますが、それでは出向契約内容に明らかに反しますし、他の出向社員で類似のケースが発生した場合、同様の負担を強いられるということにもなりかねません。
御社の差額負担は問題の根本的な解決になるとはいえず、あくまで契約内容の誠実な履行を親会社には求めるべきです。
投稿日:2008/03/26 00:58 ID:QA-0011867
相談者より
ご教授ありがとうございました。親会社は自らの社員が出向先において格付けが下がる不利益変更も想定されるとのことから、出向先の格付けでの本来本給の上げ下げはしないとの見解です。ご指摘については親会社に申し入れをします。
ただ、最悪2箇所からの給与の支給となった場合、所得税については本人の確定申告で清算できると思いますが、社会保険料や地方税等については親会社の方だけの徴収で問題はないのでしょうか?差額補填額は5万/月程度の予定です。重ねてご指導をお願いいたします。
投稿日:2008/03/26 08:59 ID:QA-0034759大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
万一2箇所から給与を受ける場合には、出向社員がどちらで社会保険の適用を受けるかを選択することになります。
その場合、「2以上の事業所勤務届」を社会保険事務所に提出することになり、指定された適用事業所には両方の給与を合算の上社会保険料を納付する義務が生じます(※勿論、出向契約で保険料負担を会社間で調整することは可能です。)
但し、手続き的にも面倒ですし、もしこの度の契約変更が事務負担の軽減を目的とするものであれば、出向契約上にて現行の給与差額分につき正式に子会社負担(※本人への支払は親会社で一本化する)を取り決めるよう提案されてはいかがでしょうか‥
そうすれば、親会社の負担は生じず出向社員の減給といった事態も避けられますし、何よりも明確な契約内容に基いた給与分担が可能となります。
尚、地方税の取り扱いにつきましては、詳細を存知上げませんので税務署等にてご確認頂ければ幸いです。
投稿日:2008/03/26 11:44 ID:QA-0011877
相談者より
投稿日:2008/03/26 11:44 ID:QA-0034763大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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