就業規則にない手当について
諸事情により、ある特定の社員へ転居手当を与えたいと思っておりますが、弊社の就業規則上は転居手当の規定はありません。諸事情というのが特殊で、その社員の奥様がストーカー被害にあっているので、引っ越しを検討しているのですが、様々な嫌がらせを受けており自宅も知られてしまっているので仕事に集中できる状態ではないこと、社員の今までの会社への貢献度が高いこと、引っ越しが複数に渡り金銭的な負担がかなり大きいことを考えて、仕事に集中してもらうためにも会社からの手当を検討している次第です。(警察には相談済で動いてもらっておりますが、事が動いてからでないと対応が難しいこともあるようなので、環境を変えて安心してもらいたいと思っております。)
今回はかなり特殊な事情で転居手当を誰にでも適用したい訳ではないのですが社員に不利にならないのであれば、就業規則に載せることは必須ではないという情報をインターネットで見ました。
1.就業規則に記載する必要は本当にないのでしょうか?
2.転居手当を出すにあたり、実費ではなく固定費(10万円~15万円程度)を考えているのですが、何かしらの証拠は残す必要はあるのでしょうか?
3.転居手当は非課税となりますでしょうか?
以上3点、アドバイスいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2021/03/16 09:45 ID:QA-0101763
- のしすけさん
- 東京都/情報サービス・インターネット関連(企業規模 11~30人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
就業規則にない手当
▼就業規則に記載のない事例は極力避けたいものですが、本件(所謂、3条行為)に対する経済的支援は、正しく、その事案に該当します。
▼以下、3点の質問に対する弊職の印象的回答は次の通りです。
1.記載は必要です。不測の災害に対する措置ということになるのでしょうか。但し、予知不能な災害や災難に対する見舞金など社会通念に沿った事態を対象とします。
2.金額は、その都度、状況に応じ、決定します。一過性の転居なら、多額でない限り、転居手当として支給すします。警察は、被害届の類の書面を交付してくれる筈です。
3.従業員等に支給する災害見舞金品なら、多額でない限り非課税になるが、本件は、見舞金とは言い切れず、不明です。
投稿日:2021/03/16 15:32 ID:QA-0101778
相談者より
ご回答ありがとうございます。
被害届に関しては、該当の社員としては提出したくないプライベートな情報があるようなのですが、他に代わるようなものは無いでしょうか。
投稿日:2021/03/17 15:08 ID:QA-0101860大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、今回のみで単発の任意恩恵的な支給であれば、就業規則に記載する必要性はございません。
しかしながら、一定期間継続して毎月支給されたり、或いは今後も類似の事情が生じた場合には支給を検討されたりするという事でしたら、性質上労働基準法上の賃金に該当する事からも転居手当としまして就業規則に定めて運用されるべきといえます。
いずれにしましても記録は当然ながら残される事が必要ですし、また原則としまして給与課税はなされるものといえるでしょう。
投稿日:2021/03/16 23:15 ID:QA-0101797
相談者より
ご回答ありがとうございます。
記録というのは社員から何らかの申請などで記録を残す必要があるということでしょうか?
投稿日:2021/03/17 15:13 ID:QA-0101861大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
転居手当の扱い
1 就業規則への記載
今後も類似の従業員に対して支給するなら当然必要です。
労働基準法の観点ではなく税務上の観点で、社内規程に根拠のない支給をすると税務上の損金性に疑義が出ないでしょうか。これは貴社経理部門の判断かと思います
2 証拠とは実費以内の手当額であるというエビデンスと言うことでしょうか。支払ったという証拠は給与明細にあるので必要ないと考えます。
3 転居手当は適正額(特にエビデンスは求められません)であれば非課税です。しかし下掲載(所得税9条1項4号)のように転任、就職、退職の転居とされており、この場合は非課税とは読み切れません。
別のやり方として、下掲載の所得税施行令30条にある「資産に加えられた損害を補填する見舞金にあたる」として非課税となる可能性があります。引っ越し費用という損害が発生したという解釈です。
所得税法9条
4給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの
所得税施行令30条
三 心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金(第九十四条の規定に該当するものその他役務の対価たる性質を有するものを除く。)
投稿日:2021/03/16 23:18 ID:QA-0101798
相談者より
ご回答ありがとうございます。
証拠というのは支払い側のことではなく、社員から何らかのエビデンス提出が必要か?ということになります。
投稿日:2021/03/17 15:14 ID:QA-0101862大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
転居手当
給与制度では公平性と公開性がきわめて重要で、会社の恣意的運用は著しいモラールダウンを呼ぶリスクがあります。
表面に出さずに援助するならボーナスという手もあります。(当然所得になります)
一方で転居手当自体は一般的な手当であり、就業規則でも明記し運用することは問題ないでしょう。また手当支給は会社の指示によって支給する場合があるというような、会社の意思を前面に出すことで、一般的な支給でないことも明記しておくのはいかがでしょうか。
不本意な転勤や突如異動などを命じる場合に適用できれば手当本来の意図にも沿えるでしょう。
投稿日:2021/03/17 09:41 ID:QA-0101808
相談者より
ご回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
投稿日:2021/03/17 15:16 ID:QA-0101863大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
転居手当支給時の証憑
本人が転居手当を申請する際の証憑については、
①本人の支給申請書のみ
②支給申請書+公的書類
に分かれますが、貴社さえ問題なければ①のみでも税務上も法的にも問題ありません。
もしこの制度を社内制度として運用されるなら、今後は②が望ましいのはいうまでもありません
投稿日:2021/03/17 16:18 ID:QA-0101867
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
「記録というのは社員から何らかの申請などで記録を残す必要があるということでしょうか?」
― 実際に何らかの支給をされている以上、社員からではなく御社側で支払の内容等きちんと記録しておかれるべきといえます。処理上の扱いにつきましては経理担当にご確認下さい。但し、先の回答内容で賃金に当たるようであれば、正式に給与明細書等への記載も必要となります。
投稿日:2021/03/17 19:30 ID:QA-0101876
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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