情報提供が採用活動の成果につながる――?
「不採用の理由」を伝えるメリットとは
紹介の精度を上げたい人材紹介会社 採用担当者の思いはさまざま
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採用活動を「営業」と捉える担当者
「IT開発の経験者というところは良かったんですが、Aさんのようなキャリアの方は、前回採用できました。今いちばん欲しいのは、『CADの開発経験者』です。開発部門によると、CADの描画エンジンの開発とゲームのグラフィックの開発は、技術的な共通点が多いそうです。該当者は少ないかもしれませんが、探していただけますか」
某ゲーム会社の採用担当Cさんは、不採用の理由を教えてくれるだけでなく、私たちの推薦した人材が自社の要求とどのようにズレていたのかまで詳しく説明してくれる人だった。そこまでヒントをもらえば、私たちの仕事もやりやすくなる。実際に、そのアドバイスに基づいて、CADメーカーのエンジニアにゲーム業界でキャリアを活かしてみませんかと提案をしてみたところ、求職者自身も非常に新鮮に感じてくれて、素晴らしい転職成功例となった。
「Cさんの丁寧なフィードバックには、いつも助けられています」
ある時、そう水を向けてみると、Cさんは自身の意外なキャリアについて話してくれた。
「実は、私は人事一筋ではないんです。前職は人材派遣会社の営業をしていたんですよ。ですから、今も自分の会社を紹介会社や応募者の方たちに売り込むつもりでプレゼンテーションしているんです」
Cさんの勤めるゲーム会社は業績好調だが、経験者の採用は決して容易ではないという。ゲーム業界は各社が同じような人材を奪いあう「超売り手市場」だからだ。
「採用担当者の実績は、最終面接に何人残ったか、内定者を何人出したか、そして何人入社させたかなど、細かく査定されるようになっていましてね。まるで営業と同じです。だから僕のような営業経験者が採用されたのでしょうね」

実績を上げるために、取引先である人材紹介会社にはできるだけ情報を与え、二人三脚で採用を成功させようと考えているのだという。
「当社では書類選考は各部門のマネジャーが行いますが、勉強したいからといって不採用の理由を一件ずつ詳しく聞くんですよ。聞いた話は自分で求人票を作る時にも参考になりますしね」
Cさんの会社は、厳しい採用市場の中でまずまずの人材を確保できているという。Cさんのこうした地道な取り組みが、採用活動全般の成果につながっているのだろう。
「素晴らしい考え方ですね。今後ともぜひよろしくお願いします」
すべての採用企業がこうなってくれたらいいのに……と、私は思わずにはいられなかった。
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