企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

人材採用“ウラ”“オモテ” 
企業・求職者・人材紹介会社の「転職」三角関係

「人」が介在することで成功するマッチング

2015/10/2
まず会ってもらうことの重要性
普通の会社と普通の人材を結びつける
「上場企業」「シェアナンバーワン企業」「成長企業」など、各社とも採用にあたっては自社の魅力を伝えることに懸命だ。対する人材の方も、「専門知識が豊富」「資格所持」「海外勤務経験あり」など、思い思いにキャリアをアピールしようとする。しかし一方で、そのようにアピールできるものを持っていない企業や人材も多い。そういった「普通の会社」や「普通の人材」の良さをみつけてマッチングしていくのも、人材紹介会社の大切な役割となる。まさにキャリアアドバイザーの腕の見せどころだ。
(1/2ページ)

人材紹介に向かない?

「うちは採用に際して転職ナビサイトを使っていますし、ハローワークにも依頼しています。けっこう多いのは社員の紹介ですね。人材紹介はあまり実績がないんですが、絶対に使わないというわけではありません。いい人材がいたら、どんどん紹介してください。採用枠はありますから」

その日は初めて訪問したS社は、建築資材の商社。公共事業の拡大などの追い風を受けて業績は悪くないようだが、いかんせん一般消費者向けのビジネスではないので知名度は低い。しかも、建築業は昔ながらの業界でビジネス慣行に古いものが多く、「仕事がきつそう」というイメージもつきまとっているため、採用にはずっと苦戦しているのだという。

「募集されるとしたら、どんな人材がご希望でしょうか」

採用担当のT係長はさばけた人柄だ。用意してあった求人票を示しながら、てきぱきと答えてくれる。

「まず常に募集しているのは営業。若手限定で、業界経験は問いません。それと不定期ですが管理部門。今は経理だけの募集ですが、こちらも若手でお願いします」

なんとなく、オフィスの雰囲気が「昭和」っぽいS社。若手を中心に採用しようとしている方向性にも、新卒重視の名残を感じる。正直「人材紹介よりもハローワークかな」という気がしていた。しかし、世の中にはこういう雰囲気の会社がまだまだ多い。いやむしろ、これが「普通の会社」なのだろう。

それからしばらくの間、若手人材を中心に声をかけてみたのだが、なかなか「S社に応募したい」という人が出てこない状況が続いた。

Photo

そんな時に転職相談を受けたのがBさんだ。中堅メーカーで何度か部署を異動し、さまざまな経験を積んでいる。それが強みでもあり、弱みでもあるという。

「それほど大きい会社ではないので、いろいろな業務を経験してきました。生産管理、営業、人事、経理……。ジョブローテーションといえば聞こえはいいのですが、一貫性がないことが弱点ではないかと自分では思っています。ぜひ、良いアドバイスをお願いします」

30代ではあるが、どこかの部門に長くいたわけではないから、確かにスペシャリストという印象はない。人材紹介会社に求人を依頼してくるような企業の採用基準からすれば、専門性が低いということになってしまう、いわゆる「普通の人材」である。同時にBさん自身も、転職先選びには慎重だった。

「年齢を考えると失敗できないですからね」

営業ならけっこう話はあったそうだが、業界経験不問のような営業は使い捨てではないか……と警戒して応募していないのだという。かなり堅実そうな人柄も垣間見えた。

 


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事にコメントする

この記事に対するご意見・ご感想のコメントをご投稿ください。
※コメントの投稿をするにはログインが必要です。

※コメントのほか、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)がサイト上に公開されます。

※投稿をしたコメントは、『日本の人事部』事務局で確認後、掲載されます。投稿後すぐには掲載されませんので予めご了承ください。

人材採用“ウラ”“オモテ”のバックナンバー

人材採用“ウラ”“オモテ”
「入社辞退されても大丈夫」という会社
はたしてその真意は…
人材紹介会社の紹介手数料は、多くの場合、入社して初めて費用が発生する「完全成功報酬制」である。したがって内定後に辞退されても、企業側には金銭的負担が一切ない。と...
2019/12/02掲載
人材採用“ウラ”“オモテ”
週末出勤や夜勤が前提の転職 社会を支える大事な仕事だが
残業が多い仕事や休日出勤が頻繁にある仕事だと言われたら、できるだけ避けたいと考えるのが、転職活動をしている人の本音だろう。では、もともと平日が休みで週末は出勤と...
2019/11/05掲載
人材採用“ウラ”“オモテ”
ハードワーク体験がトラウマに 年収が下がっても日系企業を希望する理由とは
世界的な外資系企業への内定が決まったにもかかわらず、あえて日系企業への転職を希望する求職者。そこにはあるトラウマが影を落としていた。
2019/10/02掲載

関連する記事

人材採用“ウラ”“オモテ”
何かウラがあるのでは……?と勘ぐってしまう超ポジティブな転職理由
人材紹介会社が転職支援を行う際、重視するのが「転職理由」。 妙にポジティブすぎる転職理由に、本音を隠しているのではと不安になることも。
2019/09/02掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
人材採用“ウラ”“オモテ”
転職直後の夏休み 長い休暇で不安や迷いが生じてしまったら――
家族や友人と話し合ったり、自分を見つめなおす機会にもなる長期休暇。入社したばかりの人材が休暇明けにちゃんと出社してくれるのか、人事だけでなく人材紹介会社も気を揉...
2019/08/02掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
人材採用“ウラ”“オモテ”
どうする?! 入社クロージングの山場で決裁者がまさかの海外休暇へ――。
日本進出直後の海外企業のコア人材採用 クロージングの山場で決裁者がまさかの海外休暇へ――。
2019/07/04掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
人材採用“ウラ”“オモテ”
「あの人と一緒に働きたい」という入社動機
入社する企業を決める理由は人それぞれ。面接官の考え方などに共鳴し、「この人と一緒に働きたい」という気持ちが決め手になることもある。しかし、それだけで入社を決めて...
2019/06/05掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
人材採用“ウラ”“オモテ” 
採用時に求められる「情報の透明性」
人手不足が続く中で、自社をアピールする際に、採用の障害になるかもしれない情報をできるだけ伏せようとする企業も多いようだ。しかし、それが入社すればすぐにわかってし...
2019/05/15掲載人材採用“ウラ”“オモテ”
テレワーク特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

ジョブ・カード制度 総合サイト

注目コンテンツ


テレワーク特集

「テレワーク」のメリット・デメリットを整理するとともに、導入プロセスや環境整備に必要となるシステム・ツール、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加<br />
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

急速に変化する市場環境の中で競争力を維持・向上させていくためには、人材...


会社の新しい挑戦を支えるために<br />
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

会社の新しい挑戦を支えるために
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

第一三共株式会社は2025年ビジョン「がんに強みを持つ先進的グルーバル...