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スパルタ研修は「アリ」なのか?
新人研修・従業員研修をめぐるQ&A【後編】[前編を読む]

ロア・ユナイテッド法律事務所代表パートナー弁護士/千葉大学法科大学院客員教授/青山学院大学客員教授/首都大学東京法科大学院講師

岩出 誠

Q4. 研修予定日の年休取得に対する時季変更権行使

Q: A社では、IT化の急速な進展に対応すべく、通信機器・ソフトの全面入換えを行うことになり、専門家を呼んで、この入換え業務を担う従業員Bに、業務命令として、3日の研修を命じました。すると、Bはその研修日に旅行に行きたいと、年次有給休暇取得を申請しました。A社としては、Bの参加は、上記入換え業務に不可欠と考えています。Bに年休取得時季の変更を命じることはできますか?

A: 研修参加が不可欠で、DVDや書籍、Web等での代替性がない研修であれば、A社は、Bに対し時季変更権を行使し、これに応じない場合には譴責処分等の懲戒処分ができます。

解説1. 年休に対する時季変更権とは

従業員が年次有給休暇を請求した場合に、その取得時季を企業側で変更することができる場合があります。こ の問題は、その年休が労基法39条の法定年休の場合には、同法39条5項ただし書の使用者の時季変更権によって処理されることになります。ここでは「使用 者は労働者の請求する時季に有給休暇を与えなければならない」が、それが「事業の正常な運営を妨げる場合には」企業は他の時季にそれを変更することができ ること(時季変更権)が明記されています。

従業員の年休の時季指定に対して企業がこの時季変更権を行使した場合、時季指定による休暇日の特定という 法的効果の発生が阻止され、従業員が指定した日は年休とならず、その日の労働義務は消滅しません。しかし、もし客観的にみて事業の正常な運営を妨げる場合 に当たらなければ、使用者はそもそも時季変更権を持たないため、仮に時季変更権が行使されても、従業員の時季指定の効果は阻止されません。この場合、従業 員が企業の意思に反してその日に欠勤しても、年休が成立している以上、企業がこれを無断欠勤として懲戒処分などをすることはできず、従業員には賃金請求権 があります。

解説2. 「事業の正常な運営を妨げる場合」とは

この場合に当たるかどうかについての一般的な判断基準としては、「当該労働者の所属する事業場を基準とし て事業の規模・内容、当該労働者の担当する作業の内容・性質、作業の繁閑、代行者の配置の難易、労働慣行等、諸般の事情」を考慮して判断すべし、とされて います(電々公社此花電報電話局事件(最一小判昭57.3.18民集36巻3号366頁))。

解説3. 代替性のない研修参加

最高裁判例で時季変更権行使を認めている1つの例が、ご質問のような代替性のない研修参加の必要ある場合です。すなわち、日本電信電話事件(最二小判平13.3.31労判819号18頁)において、次のように判断されました。

「本件訓練は、上告人の事業遂行に必要なデジタル交換機の保守技術者の養成と能力向上を図るため、各職場 の代表を参加させて、一箇月に満たない比較的短期間に集中的に高度な知識、技能を修得させ、これを所属の職場に持ち帰らせることによって、各職場全体の業 務の改善、向上に資することを目的として行われたものということができる。このような期間、目的の訓練においては、特段の事情のない限り、訓練参加者が訓 練を一部でも欠席することは、予定された知識、技能の修得に不足を生じさせ、訓練の目的を十全に達成することができない結果を招くものというべきである。 したがって、このような訓練の期間中に年休が請求されたときは、使用者は、当該請求に係る年休の期間における具体的な訓練の内容が、これを欠席しても予定 された知識、技能の修得に不足を生じさせないものであると認められない限り、年休取得が事業の正常な運営を妨げるものとして時季変更権を行使することがで きると解される」。

教科書等による代替可能性については、「通常は、教科書に基づいて自習することをもって四時限の講義によ るのと同程度の知識、技能の修得が可能であるとは解されず(参加者に教科書等に基づく自習による場合よりも高い程度の知識、技能を修得させるために、本件 訓練のような形態の研修が行われるものというべきである。)、六時限の講義のうち最初の四時限を欠席した者が残る二時限の講義を受講することで不足を補う ことも困難である。

のみならず、そもそも、被上告人が自習をすることは被上告人自身の意思に懸かっており、上告人は、時季変 更権を行使するか否かを決定するに際して、右自習がされることを前提とすることができないから、自習がされない場合における事業の運営への影響を考慮する ことが許されるものというべきである。また、交換課の右の担当業務や被上告人の前記職歴から、被上告人が右講義において修得することが予定されていた知 識、技能をあらかじめ有していたと即断することはできない。

被上告人が本件訓練をおおむね普通以上の評価をもって終了したことも、時季変更権行使の時点では上告人の 予見し得ない事情にすぎない上、右講義において予定されていた知識、技能の修得に不足を生じなかったことを直ちに裏付けるに足りる事情ということもできな い」「集合訓練中の年休取得の事例や年休の取扱いに関する原判示の事実も、本件における年休の取得が本件訓練の目的達成を困難にすると判断することを妨げ るものとはいえない」と斥け、研修不参加者に対する譴責処分を有効としています。

『ビジネスガイド』は、昭和40年5月創刊の労働・社会保険の官庁手続、人事労務の法律実務を中心とした月刊誌(毎月10日発売)です。企業の総務・人 事・労務担当者や社会保険労務士等を読者対象とし、労基法・労災保険・雇用保険・健康保険・公的年金にまつわる手続実務、助成金の改正内容と申請手続、法 改正に対応した就業規則の見直し方、労働関係裁判例の実務への影響、人事・賃金制度の構築等について、最新かつ正確な情報をもとに解説しています。ここで は、同誌のご協力により、2011年8月号の記事「新人研修・従業員研修をめぐるQ&A(後編)」を掲載します。 『ビジネスガイド』の詳細は日本法令ホームページへ。

いわで・まこと ● 1973年司法試験合格。1975年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会公益代表委員等の公職を歴任。2001年ロア・ユナイテッド法律事務所代表パートナー就任。千葉大学法科大学院客員教授、青山学院大学客員教授。『注釈労働基準法』(有斐閣)、『実務労働法講義上・下巻(第3版)』(民事法研究会)など著書多数。

研修参加の義務付けは「アリ」なのか? 新人研修・従業員研修をめぐるQ&A 【前編】
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