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従業員が協力したくなる!
リファラル採用のための制度設計&規定

6 従業員が採用候補者を紹介するまでの制度設計

(1)会社の情報開示をどこまで認めるか

会社の秘匿情報や顧客情報について開示させるべきでないことは、当然です。ただ、従業員は友人や知人等の親しい者に対して採用候補者となってもらうことを打診するため、ある程度は会社内部の情報を質問されることになるでしょう。友人や知人としても、一般的な求人情報からでは読み取ることのできない情報を聞いて、自分に合う会社かどうかを考えたいのではないでしょうか。そのため、会社の雰囲気や、具体的な仕事内容等をなるべく幅広く情報提供できるような体制にしておく必要があります。

また、会社としては、採用候補者として会社と相性の良い人を紹介してもらうことを期待します。会社と相性の良い人を紹介してもらうためには、会社として事前に開示しておいてほしい情報もあるはずです。そのような情報を従業員によく理解しておいてもらうためには、従業員に対する研修会を開催したり、相談員(疑問や不安を気軽に相談できる機関)などを配置したりしておくのが良いでしょう。また、会社としてパンフレット等を作成し、それを使って情報提供してもらうのも一つの手段といえます。従業員は、採用のプロではないため、会社から積極的にフォローするような配慮が必要です。

(2)労働条件の明示

労働者の募集を行う者は、労働者となろうとする者に対し、可能な限り速やかに、業務内容、賃金、労働時間、その他の労働条件を明示することを、指針(平成11年労働省告示第141号)により求められています。そして、労働者の募集をする者は、労働条件等を書面の交付等によって行う必要があります(職業安定法5条の3) 。

これらは、採用候補者の紹介が業務内容とされた場合の従業員に対して求められるものではありませんが、募集主である会社に求められます(採用候補者の紹介を従業員の業務内容とせず、委託募集とする場合は、従業員にも求められることとなります)。会社としては、従業員が採用候補者と接した際に上記書面の交付を行ってもらうか、そうでなければ、会社が速やかに交付を行うしくみを作っておく必要があります。従業員に行ってもらうのであれば、労働条件等を記載した書面を会社が作成し、内容の説明等を従業員にレクチャーしておく必要があるでしょう。書面作成を従業員に任せると、従業員の負担が増し、協力しようとする従業員が減ることも考えられます。ここは従業員への配慮が必要な部分であるといえます。

(3)採用候補者の個人情報

会社には、原則として、その業務の目的の達成に必要な範囲内での個人情報収集のみが認められ、人種や思想・信条、労働組合の加入状況等の一定のものに関する個人情報は収集してはならないとされています(同法5条の4、同指針第4)。これは、採用候補者の紹介が業務内容とされた場合の従業員に対して求められるわけではなく、会社に求められるものです。そのため、採用候補者と接する従業員に対しても、注意喚起をしておくような制度設計が必要です。

また、従業員から採用候補者の情報を収集する場合にも、注意が必要です。採用候補者の友人・知人である従業員は、そもそも会社にとって必要な範囲を超えた個人情報を知っている可能性があります。このことについて、会社にどのような情報を伝えるかを従業員の判断に任せてしまうと、上記の規定に違反する可能性も生じます。そのため、会社として提供してほしい情報をまとめた情報シート(下記参照)のようなものを作成し、それに記入して従業員から提出してもらうことや、会社が主導して必要な情報を聴取すること等、採用候補者の個人情報に配慮した制度設計が必要です。

【参考】情報シート
会社が受け取ることのできる採用候補者の個人情報は、その業務の目的の達成に必要な範囲内のものです。

リファラル採用において、従業員は、友人・知人に対して採用面接をするのではなく、単に採用候補者となることを打診するに過ぎません。採用候補者としても、そのような認識でしょう。そうであれば、採用候補者が会社への提供を同意している個人情報、つまり会社が収集できる個人情報は、基本的には下の「採用候補者情報シート」程度になるのではないでしょうか。

なお、後のトラブルを避けるために、採用候補者から個人情報の取得・提供に関する同意書を取得しておくことも考えられます。情報シートの下部に、同意することの署名をもらっておくのも一つの方法です。

採用候補者情報シート

氏名 ・・・・・・・・ 生年月日 ・・・・・・・・
住所 ・・・・・・・・
業務経験 ・・・・・・・・
保有資格 ・・・・・・・・
得意分野 ・・・・・・・・
相手への紹介内容 ・・・・・・・・

上記事項を(会社名)に提供することに同意します

○○○○年○月○日
氏名○○○○ 印

(4)採用候補者の秘密を守る義務

会社やその従業員等は、業務上取り扱った秘密を漏らしてはいけません(同法51条1項)。そのため、採用候補者から聴取した情報も、秘密に当たるものについては漏らすことが禁止されています。これに違反すると、30万円以下の罰金に処せられる可能性があります(同法66条9号)。
この点についても、会社として従業員を教育、指導しておくことが必要です。

【参考】報酬の許可基準
会社の就業規則にも、個人情報保護に関する規定中に、例えば「労働者は、会社、従業員、採用候補者ならびに取引先等に関する情報を、退職後であっても漏らしてはいけない」等と明記しておくことが考えられます

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ホステージ理論
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