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法的な要件と労使双方の要望を満たす
定年後再雇用の労働条件と賃金設計

社会保険労務士

川嶋 英明

4 賃金の決定

定年後再雇用者の賃金について具体的に見ていきたいと思います。ここでも3-<2>と同様の理由で「福祉的雇用」について考えていきます。長澤運輸事件の最高裁判決に則り賃金の項目ごとに検討しているので、制度設計の参考にしていただければと思います。

<1>各種賃金項目の検討

① 基本給

長澤運輸事件では基本給そのものについては争われませんでしたが、他の項目の判断の際に、年収ベースの賃金が定年退職前の79%程度となる賃金制度を理由に不合理とは認められないともしています。そのため、基本給については諸手当や年金等の給付と合わせた額が定年前と比較してどうなのかという視点で考える必要がありそうです。

また、長澤運輸事件では「職務内容(業務内容・責任の程度)」「職務内容・配置の変更範囲(いわゆる「人材活用の仕組み」)」が定年前と同一でしたが、これらを変更することで「79%程度」にとらわれない引下げも可能と考えられます。とはいえ、極端な引下げは避けたほうが無難です。

② 諸手当

正規と非正規の諸手当の相違について同一労働同一賃金ガイドライン案では、諸手当についてはその雇用形態にかかわらずその手当の目的に沿った支給が重要としています。長澤運輸事件でもそうした考えは踏襲しつつ、「その他の事情」がある場合には、支給がない場合でも不合理とは認められないとしました。

長澤運輸事件での不合理と認められなかった手当の「その他の事情」

項目 その他の事情
能率給
職務給
  • 老齢厚生年金の支給を受けることが予定されている
  • 老齢厚生年金の支給が開始されるまで2万円の調整給が支給される
住宅手当
家族手当
  • 老齢厚生年金の支給を受けることが予定されている
  • 老齢厚生年金の支給が開始されるまで2万円の調整給が支給される
  • 正社員について住宅費および家族を扶養するための生活費を補助することには相応の理由がある一方、定年後再雇用者には老齢厚生年金や調整給が支給されるといった事情を総合考慮
賞 与
  • 老齢厚生年金の支給を受けることが予定されている
  • 老齢厚生年金の支給が開始されるまで2万円の調整給が支給される
  • 年収ベースの賃金が定年退職前の79%程度である

一方、手当の支給の趣旨から不支給とする「その他の事情」が見当たらない、あるいは当てはまらない手当もあります。長澤運輸事件では、精勤手当の不支給について「手当の趣旨と支給要件に照らせば、正社員と定年後再雇用者の職務内容が同一である以上、必要性に相違はない」とし不合理と認められました。精皆勤手当のほか、通勤手当などもそうした手当に含まれるのではと筆者は考えます。

③ 昇給、退職金

昇給および退職金については長澤運輸事件では争われませんでした。ただし、退職金については一般的に定年退職時に支給が行われることを考えると、不支給であっても問題はないと考えられます。昇給についても労働条件の決定の際に「年収ベースの賃金」が考慮されているのであれば、行わなくても問題ないとみられます。また、正社員と有期雇用労働者の待遇差が争われたハマキョウレックス事件では、有期雇用労働者の昇給を行わないことおよび退職金の不支給について、正社員と同様の規定が有期雇用労働者に適用されると解釈することは困難とし、不合理かどうかの判断を避けています。

③ その他

長澤運輸事件では、会社から定年後再雇用者に対して老齢厚生年金の報酬比例部分の支給が開始されるまでの期間、2万円の調整給の支給があったことを「その他の事情」として評価しています。このことから、調整給の支給は正社員に支給している他の諸手当を不支給とする際の理由になり得るものといえます。

また、老齢厚生年金の支給開始とともに支給が不要になる分、65歳まで他の手当を支給するよりも調整給のほうが人件費を抑えられます。

<2>賃金規程

長澤運輸事件の判決を踏まえ「福祉的雇用」に徹するのであれば、賃金規程に大きな変更は必要ありません。とはいえ、正社員には支給されていて、定年後再雇用者には支給されていない諸手当がある場合に、その不支給が正当化できるだけの理由があるかは確認しておく必要があります。特に判決で不合理と認められた精皆勤手当の支給を行っている事業所は早めの対応が必要です。

定年後再雇用者の賃金規程例

(目的) 第1条 この規程は嘱託社員の賃金について定めたものである。本規程に定めのないものは正社員の賃金規程を準用する。
(賃金構成) 第2条 賃金の構成は、基本給、通勤手当、精勤手当、調整手当、割増賃金とする。
(基本給) 第3条 基本給は本人の能力、技術、健康状態、業務に対する貢献度等に加え、本人がもらう予定の年金額を勘案し、個別に定めるものとする。
(通勤手当) 第4条 通勤するために、交通機関を利用した場合には通勤手当として、実費を支給する。ただし、上限は 5 万円とする。
(精勤手当) 第5条 精勤手当は本人の勤務成績に応じて支給する。
(調整手当) 第6条 65歳に達する前に厚生老齢年金の報酬比例部分を受給する予定のある嘱託社員に対しては受給が開始するまでのあいだ調整手当を支給する。
(割増賃金) 第7条 嘱託社員が、法定労働時間を超えて労働した場合は時間外手当、法定休日に労働した場合には休日手当、深夜に労働した場合には深夜手当を支給する。割増率については正社員のものと同じとする。
(昇給) 第8条 嘱託社員に対しては、原則として昇給は行わない。
(賞与) 第9条 嘱託社員に対しては、原則として賞与は支給しない。
(退職金) 第10条 嘱託社員に対しては、原則として退職金は支給しない。

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