本誌特別調査
旧姓使用を認めている企業は67.5%
~民間企業440社にみる人事労務諸制度の実施状況~

2. 注目3制度の実施率 ― 旧姓使用、フレックスタイム制、在宅勤務制度

ここでは、女性の活躍推進、働き方改革などで近年注目度が高まっている、①旧姓使用、②在宅勤務制度、③フレックスタイム制の3項目について取り上げる。2001年以降の粋を見ると[図表1]、「旧姓使用を認めている割合は上昇傾向にあり、2018年調査では67.5%と過去最高となった。また、規模にみると、1000人以上71.9%、300~999人69.6%、300人未満62.0%と、規模が大きいほど割合は高くなるものの、広く取り組みが進んでいることが分かる[図表2]。

今回の働き方改革関連法の成立に伴い、労働基準法の改正によって、清算期間の上限が原稿の1ヵ月から3ヵ月に引き上げられる「フレックスタイム制」の実施率は、若干の増減はあるがほぼ横ばいで推移し、規模計で35.5%となっている。なお、1000人以上は52.5%ろ過半数に達しているが、999人以下では3割を下回り、規模による格差が大きくなっている。

育児・介護と仕事の両立支援施策の一つとしても注目度の高い「在宅勤務制度」の実施率は、2004年(1.9%)以降伸びており、2018年は11.8%と初めて1割を超えた。規模別に見ると、1000人以上では22.3%と2割を超える一方、999人以下では10%未満となり、大企業を中心に導入されている実情がうかがえる。

【図表2】旧姓使用、在宅勤務制度、フレックスタイム制の実施率

●規模計
旧姓使用 67.5%
フレックスタイム制 35.5%
在宅勤務制度 11.8%
●規模別に見た実施状況
区分 規模計 1,000人以上 300~999人以上 300人未満
旧姓使用 67.5 71.9 69.6 62.0
フレックスタイム制 35.5 52.5 29.7 25.8
在宅勤務制度 11.8 22.3 9.4 4.9
【調査要領】

◎調査名:「民間企業440社にみる人事労務諸制度の実施状況」

1. 調査対象
全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3830社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)280社の合計7739社。ただし、持ち株会社の場合は、主要子会社を対象としたところもある。

2. 調査時期:
2018年1月15日~4月10日

3. 集計対象:
前記調査対象のうち、回答のあった440社。

注) * ここでは、一般財団法人労務行政研究所が行った(調査期間:2018年1月15日~4月10日)「民間企業440社にみる人事労務諸制度の実施状況」をもとに、『日本の人事部』編集部が記事を作成しました。詳細は『労政時報』第3956号(2018年8月10日、8月24日発行)および第3957号(2018年9月14日発行)に掲載されています。
◆労政時報の詳細は、こちらをご覧ください→ 「WEB労政時報」体験版
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