契約書翻訳の一部に正式な契約書と異なる内容を誤って記載
外国人労働者を雇い入れる際、外国人労働者には英語での契約書を2部作成し、2部とも契約内容を説明した者が署名、それを確認した証人の署名、及び説明を受けた雇われる社員が署名します。(計3名)
英語の契約書については会社に1部、相手方に1部ございます。一年前雇いいれるにあたり入国管理に申告するための雇い入れ契約書の翻訳が必要だと言われ、”入国管理局提出用” に1部のみ用意しましたが、入国管理は翻訳契約書をその外国人従業員に返却していたようで、私どもも返却されていたと言う事実を知りませんでした。
問題は、日本語翻訳の契約書には、”契約期間1年を満了すると100,000円の報奨金が支払われる” と書いてあります。以前は支払っていたのですが、その条項は英語の正式な契約書からは現在は削除されております。日本語の契約書から削除するのを忘れてしまい、誤って記載されてしまっていたものです。
本人より この100,000円は支払われるのかと質問があったため、それは明らかに本人からの要求により入国管理提出用に翻訳したもので、誤りがあってもあなたに説明した正式な契約書では無いので有効ではないと説明しましたが、それを労働基準監督所に相談したようで(どのように説明したかは不明) 、本人より100,000円を払うよう請求の手紙が来ました。
ただ日本語の契約書の翻訳にも説明した旨などの署名(3名)も記載されてしまってはおりますが、入国管理局提出用に1部翻訳として用意しただけで、実際説明をした契約書には100,000円の記載は一切ございません。
あくまで翻訳に過ぎませんが、会社側と当人のサインがある場合、支払わないと言うわけにはいかないのでしょうか。こちら側にも日本語翻訳契約書の控えはなく、本人宛に渡した正式な契約書でもございません。
本人が返却された契約書を隠し持っていて、辞めた途端に手紙にて請求してきたものです。実際説明を受けてない契約書にもかかわらず、隠し持っていた契約の方が優先になるのでしょうか。
投稿日:2017/06/11 16:19 ID:QA-0071022
- QGさん
- 栃木県/教育(企業規模 6~10人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、あくまで契約書翻訳の際のミスで記載されたものであって、契約当事者である会社側の真意を示したものではないものといえます。
従いまして、正規の契約書が別にあるということでしたら、それが証拠になるはずですので、事情を説明された上で請求に応じる必要はございません。
恐らく当人から請求が直接届いたということであれば、労働基準監督署でも賃金不払いの案件とまでは判断されなかったように思えますので問題ないでしょう。仮に今後監督署が調査に来ることがあっても、上記説明をきちんとされる事で対応可能と思われます。
投稿日:2017/06/12 09:47 ID:QA-0071025
相談者より
お忙しい中ご回答いただき、誠にありがとうございます。大変参考になりました。心より感謝申し上げます。
投稿日:2017/06/12 13:33 ID:QA-0071034大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
脇の甘さが目立ち、支払い義務ありと判断される可能性も
▼ 最終部分に既述されている
①「翻訳に過ぎませんが、会社側と当人のサインがある場合」という一般論ではなく、実際に両社のサインがあるのですか、ないのですか ?
②「こちら側にも日本語翻訳契約書の控えはなく」というのは、問題の支払を記載した契約書(通常、正2部作成、当事者双方保管)を精査されたこともないということですか ?
▼ 上記2点を含め、状況が正確に把握できないので、自信をもって回答できませんが、先ず、目につくのは、会社の脇の甘さです。労基署への相談云々はブラフかも知れませんが、労基署自体のスタンスは、関連法規と社会通念に基づいた行政行動です。同時に、マクロ的には、労働者保護行政官とも言えるミッションも与えられています。
▼ 依って、翻訳契約書と雖も、使用者側が、相手側に。支払って貰えると思わせる状況を黙認しておれば、労基署は、支払い義務ありと判断する可能性も十分ありと思います、
投稿日:2017/06/12 12:45 ID:QA-0071032
相談者より
ご回答いただき、誠にありがとうございます。 おっしゃる通り私どもの脇の甘さからこのようなことが発生したのだと反省しております。 今後同じ様な誤りがないよう、充分に気をつけて参ります。
投稿日:2017/06/12 13:36 ID:QA-0071035大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
契約内容の一部ではなく、翻訳ミスだと証明できれば、支払わなくてもいいと思います。
まず、労働基準監督署は賃金不支払だと判断するかどうかから考えると、この10万円は賃金にあたるかどうかから説明します。賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他の名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものといいます。賃金か否かは労働の対償であるか否かで判断します。任意的・恩恵的な給付、福利厚生施設、企業設備の一環のものは賃金とならないものです。しかし、恩恵的なもの、福利厚生的なものでも、労働協約、就業規則、労働契約などによって、あらかじめ支給条件の明確なものは、賃金となります。この10万円は労働報酬である賃金ではないと判断できると思います。
なお、賃金にあたらなくても、契約内容の一部となると、会社は払う義務があります。そのため、以下の質問を明確しなければなりません。
①10万円のことが労働契約書の原本で書いてあるか。
②本人に契約書を説明したとき、10万円のことを説明していなかったことが証明できるか。(例えば第三者の証言とか)
③翻訳の契約書も法律上に有効になっています。この翻訳文は新しい契約書ではなく、原本の翻訳のミスだということが証明できるでしょうか。(例えば第三者に証言してもらう)
以上の3つ質問が回答できれば、この10万円は契約書の翻訳文で書いてあるけど、ミスだと証明できるため、支払わなくてもいいと考えられます。
投稿日:2017/06/14 18:45 ID:QA-0071089
相談者より
ご丁寧にご回答いただき、誠にありがとうございます。実はこの外国人社員に実際、日本語翻訳の契約書を手渡した社員が、労基に赴き誤りだとご説明申し上げ、他の正しい英語の契約書はすべて代表取締役が契約の説明者となりサインしている旨も説明したのですが、労基の受付の方の返答は、”とりあえず入金がなかったなどと、当該元社員の方から労基に連絡があって初めて動きますので、何とも言えない。” とだけ言われました。間違いとは言え、手元に渡ってしまった以上、お金を請求している本人が日本語の契約書が実際に交わされたものでないとわかっていて請求していた場合であっても、会社側が不利なんだということを痛感いたしました。 心強いお言葉と貴重なアドバイスを頂き、本当にありがとうございました。
投稿日:2017/06/15 13:40 ID:QA-0071099大変参考になった
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