出張日当の支給範囲について
従来弊社では、宿泊出張以外に、拠点事務所からの外出で7時間以上の時間を越えるものには、全て出張日当(営業も同様)をつけておりました。(日当の定義は、肉体的・精神的な負担に対する補償)
相応の経営費用が伴う為、単純に金額を下げることではなく、日当のあるべき形を再検討し、今期より日当の範囲を明確化致しました。その中で、業務出張と教育出張(研修等)を区分し、教育による出張は、業務対価(給料)がある点、会社の将来利益の為の教育投資が発生している点、業務との精神的負担の違いから、日当を廃止致しました。しかし、一部の社員からは、業務と教育を分離することに強い反発がでております。わずかな事で社員のモチベーションを下げることになるのであれば大きな問題だとも思っています。
日当の定義をもっと明確にすべきであると考えていますが、他の会社の状況含め、参考となる意見をお願いしたいと考えております。
宜しくお願いします。
投稿日:2009/07/03 18:43 ID:QA-0016664
- *****さん
- 大阪府/化粧品(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
日帰りでの出張日当の件ですが、一般的には食費等の費用に当てるものとしまして会社が任意に支給するものといえます。このような場合ですと支給される金額も多くて数千円程度までと比較的低額になっているものといえます。
御社の場合ですと、日当支給の位置付けが異なっており「肉体的・精神的な負担に対する補償」ということですので、それなりのまとまった金額を支給されているのかもしれませんね‥
このような理由ですと、やはり出張内容により支給の有無や金額を考慮されるのは筋が通っていることといえます。
しかしながら、その一方で従業員にとりましては位置付けや理由がどのようであれ、日当の不支給や減額が行われる事については不満を感じるのも当然でしょうし、賃金や労働時間に比べますと重大な変更とまではいえないでしょうがやはり労働条件の不利益変更に該当するものということが出来ます。
現に一部社員から強い反発が出ているとのことですが、常時発生する類のものではない出張日当のコスト削減問題をきっかけに労使関係が悪化するというのは会社としましても得策といえないように思われます。
まずは、誤解を招かないよう御社の変更主旨を明確にされ分かりやすく説明される事が最重要です。
そして一つの対応方法としましては、いきなり日当廃止といったシビアな案を一方的に示すのではなく、御社で行なわれる出張の実態につき現場の声も聞きながら精査された上で「肉体的・精神的な負担」に沿ってランク付けし、負担の重いものから低いものまでランクによって支給額に差をつける方向で労使間にて協議・合意の上決められるという進め方が挙げられます。
いずれにしましても会社案のみで強行するのではなく、時間をかけても労使間で知恵を絞り出張任務に就く従業員が納得できるような内容を考えていくべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2009/07/03 22:55 ID:QA-0016665
相談者より
ご返答ありがとうございます。
大変参考になりました。ご指摘のとおり、再度検討し、出張任務に就く従業員の納得が得られるよう致します。
投稿日:2009/07/06 16:41 ID:QA-0036528大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
日当についての勘違い?
■まず、ご相談の対象となっている支給金は、明らかに、課税対象としての給与所得である 《 ○○手当 》 といわれる賃金です。これを、《 日当 》 と呼んでも、別に違法という訳ではありませんが、一般的に使われている 《 日当 》 の本質は、「看做し実費支弁」(経費補填)であり、一定の要件を満たすことによって、非課税として取り扱われます。
■別の言い方をすれば、賃金は、労務の対価として、受給側に経済的利益が発生しますので、課税対象になるのです、日当は = Per diem (元来はラテン語)は、出張に伴って発生する雑費や小額追加経費で、領収書対象の実費処理することの煩雑さを回避するためのもので、受給側に経済的利益は発生せず、課税所得ゼロと看做されるものです。ご説明からは、《 日当 》 について、大きな勘違いがあるようにお見受け致します。
■以上をご理解された上で、ご相談の手当をレビューしますと、必要と思われる措置は、下記の2点です。
① 宿泊を伴うか、日帰りかを問わず、出張旅費としての、日当とは、社員のモチベーションと無関係な業務経費であるため、賃金とは切り離して、出張旅費規程に支給基準を設け、出張事実に基づいて支給すること
② 上記の実費補填日当と別に、社員のインセンテイブ目的で、《 ○○手当 》 を課税支給されるのは御社の自由ですが、ご引用の「経営費用」の有効性と公平性の観点から、慎重な再検討が必要です。
投稿日:2009/07/04 09:46 ID:QA-0016666
相談者より
ご返答ありがとうございます。
「日当」の本質的な捉え方が間違っているという指摘、大変参考になりました。この点を踏まえ、再検討させていただきます。
投稿日:2009/07/06 16:56 ID:QA-0036529大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
教育も業務
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
既に日当の位置付け(※実費弁済的みなし手当)については、既出の回答によって明らかな通りです。
次に、貴社独自の「業務出張と教育出張(研修等)を区分」するという支給方法についてですが、こうした事例は一般企業においていまだ目にしたことがなく、統計データにも表れません。
その事情は、少なくとも労働法制上は、会社が命じる教育は業務であり、就業管理上そこに一線を引くことができないからです。この点、貴社のご判断の中では視点が欠落していないか、ご確認をお願いします。
加えて、仮に法令上の点を除外して、純粋にマネジメント上の判断をするにしても、貴社のような少なくとも何らかのナレッジワーキングを社員に要請する企業において、何らかのインプット(※教育・学習)の継続のないまま職務上のアウトプット(※成果・業績)を求めるのは不可能なのではないでしょうか。つまり、インプットとアウトプットは不可分一体のはずです。
こうした視点からも、たとえ出張日当とはいえ、出張することによって必ずかかる費用を、「業務/教育」と区分して出したり出さなかったりすることに、一体何の意味があるのか大きな疑問を持ちます。
ご参考まで。
投稿日:2009/07/04 14:00 ID:QA-0016667
相談者より
ご返答ありがとうございます。
当然、実質的費用(必ずかかる費用)は、教育でも全て経費として支給しておりますが、既出にある実質見做し経費にはならない当社でいう「日当」も、インプットとアウトプットの不可分一体というご意見は大変参考になりました。再検討時の視点に折込みたいと考えております。
投稿日:2009/07/06 17:10 ID:QA-0036530大変参考になった
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