単発労働でも所得税は控除しますか
ご相談ですが、季節労働者いわゆる繁忙期のみ労働してもらっている方がいます。(雑給扱い)
今回はいつもより長くて2ヵ月程度毎日出勤してもらっていますが、他の職員と同様に20日締月末支払で処理しています。
今回22日出勤なので、22日×8H×@1030=181280円となりますが、所得税の処理はどうなりますか?
サイト等でしらべたら日給9300円未満なら税金は引かないとありました。
年末調整も対応はしていません。
投稿日:2025/11/21 10:00 ID:QA-0161003
- ことぴさん
- 鳥取県/販売・小売(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
→ 原則として源泉所得税を控除する必要があります。
ご質問のケース(22日×8H×1,030円=181,280円)は
日額に換算し、9,300円未満かどうかで判断します。
2.判断根拠:源泉徴収の有無は「日額9,300円」が基準
これは国税庁の通達で、「日雇い労働者の源泉徴収」に関する基準です。
日額9,300円未満
→ 源泉徴収しない
日額9,300円以上
→ 源泉徴収する
3.ご質問のケースへの当てはめ
●総支給
181,280円
●日額換算
1日の給与:
8H×1,030円=8,240円
→ 8,240円 < 9,300円
= 源泉徴収不要
4.ポイント:2か月勤務でも「日雇い扱い」でよいのか?
重要ポイントは次の通りです。
(1)「日雇い扱い」になる条件
国税庁の定義では、
次の条件のいずれかを満たせば、日雇い(源泉徴収不要基準9,300円)として扱える。
1.毎回の雇用契約が1日ごと
または
2.短期の補助作業員・臨時作業員等で、使用関係が継続しないもの
2か月連続勤務でも
・繁忙期限定
・期間満了により雇用終了
・雇い入れごとに継続性がない
という扱いであれば、日雇いとして処理できます。
2,注意:正社員やパートのように「継続的な雇用関係」に見える場合
→ 日雇い扱いできません。
その場合は「扶養控除等申告書の提出有無」で源泉税率が変わります。
5.ケースごとの源泉徴収まとめ(重要)
【A】扶養控除等申告書を“提出していない”
→ 「丙欄」扱い
→ 日額 9,300円 で判定
→ 9,300未満なら 源泉ゼロ
→ 今回は 源泉ゼロ(控除不要)
【B】扶養控除等申告書を“提出している”
→ 「甲欄」扱い
→ 月額 181,280円で源泉徴収して判定
→ 約 3,000〜4,000円ほど源泉が発生する可能性あり
※ただし提出者は通常「継続勤務者」として扱われるため、今回のケースとは異なる。
6.年末調整はしなくてよい?
→ 正しいです。
日雇い扱い(扶養控除等申告書なし)の場合、
年末調整は行いません。
労働者が個人で確定申告します。
7.最終結論(御社ケースの処理)
扶養控除等申告書:提出なし(=丙欄)
日額: 8,240円(9,300未満)
支給182,280円:全額支払(源泉なし)
年末調整:不要
→ 源泉徴収は不要で正しい処理です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/11/21 12:59 ID:QA-0161010
相談者より
詳しいご説明をいただきありがとうございました。
投稿日:2025/11/25 09:34 ID:QA-0161078大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
ご記載の以下は、日雇い(1日単位での雇用契約)の場合かと存じます。
|サイト等でしらべたら日給9300円未満なら税金は引かないとありました。
しかし、2ヵ月程度毎日出勤している状態であり、
20日締月末支払で処理していることから考えますと、
実態的には日雇いではなく継続的な雇用契約による給与かと思案します。
以上より、雇用契約で日雇い契約の旨が明確でない限りにおいては、
通常の給与所得としての源泉徴収課税が適切な対応でしょう。
以下、ご参考までに国税庁の源泉徴収税額表のリンクを貼付します。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2024/02.htm
また、明らかに日雇い労働と主張できるか否かにつきましては、
実際の雇用契約書等の書面を拝見しないと判断が難しいものとなります。
投稿日:2025/11/21 13:13 ID:QA-0161013
相談者より
ご回答いただきありがとうございました。
投稿日:2025/11/25 09:32 ID:QA-0161075大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
日給93,00円か基準になりますから、本ケースの場合、日額換算では1,030円×8H=8,240円となり、 源泉徴収の必要はないということになります。
短期の補助作業員・臨時作業員等で、2か月連続勤務であっても繁忙期限定、かつ、パート・アルバイトのような継続的な雇用関係はない、といった諸条件が満たされている限り、日雇労働者とされるというのが、国税庁の解釈でもあります。
ゆえに、年末調整も不要ということになります。
投稿日:2025/11/22 09:32 ID:QA-0161052
相談者より
確認出来てよかったです。
ご回答いただきありがとうございました。
投稿日:2025/11/25 09:37 ID:QA-0161081大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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