出張時の移動として休日に前泊する必要がある場合
お世話になります。
月曜日から出張業務のために日曜日に移動して前泊する必要がある場合
この日曜日は労働時間に該当しないと考えてよろしいでしょうか。
その場合、休日手当、日当等は発生しないことになるのでしょうか。
(会社の指示による業務は発生しない場合です。)
ただし移動時間とはいえ事故等が発生すれば労災の対象になると思います
ので出張申請は提出してもらう必要があると考えていますが、それで良い
でしょうか。
その場合は移動と宿泊に要した費用として規程に則った金額を支給すれば
良いでしょうか。
現在弊社の旅費規程には前泊に関する基準が制定されていません。
投稿日:2025/07/04 10:36 ID:QA-0154911
- 総務の疑問さん
- 東京都/商社(専門)(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、いずれもご認識の通りといえます。
すなわち、前泊について労働時間として計上する必要はございませんが、労災保険に関しましては原則適用対象になります。
投稿日:2025/07/04 10:52 ID:QA-0154916
相談者より
ご回答ありがとうございました。
社員からは労働時間として欲しいとの要望が
ありましたが、すっきりしました。
投稿日:2025/07/07 11:50 ID:QA-0155016参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1. 日曜日の移動は「労働時間」か?
(1) 結論:通常は「労働時間に該当しない」と考えて差し支えありません。
● 背景・法的根拠
労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」を指します(労基法第32条関連)。
出張のための日曜日の移動が単に「会社命令による移動」だけで、業務(報告作成やPC業務等)を伴わない場合には、一般に労働時間には該当しません。
よって、休日労働手当や時間外手当の支払い義務も原則として生じません。
2. 移動時間中の事故→労災適用?
(1) はい、労災の対象となり得ます。
たとえ「労働時間」でなくとも、出張業務の遂行に付随する移動である限り、通勤災害または業務災害として労災認定される可能性が高いです。
このため、出張申請(事前届出)は必須で、会社としても移動を「業務に関連した行動」として認識・管理する必要があります。
3. 手当・日当の取扱い
項目→発生の有無→補足
休日手当(日曜)→原則なし→実作業・業務指示がある場合のみ発生
出張日当→支給可→規程により判断(移動日も対象とする規程であれば支給可能)
宿泊費・交通費→支給要→出張扱いであれば当然に必要経費として支給対象
「移動のみ」の場合でも、出張旅費規程に基づき、交通費・宿泊費の支給は当然必要です。
4. 前泊に関する旅費規程の整備(重要)
現時点で「前泊」に関する定義や取り扱いが規程上明文化されていないとのことですが、今後の混乱防止のため、下記のようなルールを追加することを強く推奨します。
(1)旅費規程への明文化例
第●条(前泊の取扱い)
出張当日の始業時刻に出張先での業務開始が困難な場合、前日出発・前泊を認める。
前泊を認める場合は、所属長の承認を受けたうえで出張申請を提出すること。
前泊に係る移動日は原則として労働時間とは見なさない。ただし、会社の明示的な業務指示がある場合はこの限りでない。
前泊に要した交通費・宿泊費は通常の出張に準じ、実費精算または規定に基づき支給する。
移動日の日当の支給有無については別途定める。
(2) 日当の扱い(支給するか否か)については会社の方針で決定して問題ありません。
(例:業務日程が当日に集中しているなら「前泊日は日当対象外」とするケースも多いです)
5. 実務での対応ポイントまとめ
項目→対応方針
日曜移動日の労働時間→原則該当しない(休日手当も発生しない)
出張申請→提出必須(労災・旅費精算のため)
移動日の日当→規程で定めて支給の可否を判断
宿泊費・交通費→実費または定額により支給
規程整備→前泊の定義・取扱い・申請方法・手当支給有無を明文化
以上です。よろしくお願い申し上げます。
投稿日:2025/07/04 10:56 ID:QA-0154917
相談者より
ご回答ありがとうございました。
具体例が非常にわかりやすくすっきりしました。
今後ともよろしくお願いします。
投稿日:2025/07/07 11:49 ID:QA-0155015大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
|月曜日から出張業務のために日曜日に移動して前泊する必要がある場合
|この日曜日は労働時間に該当しないと考えてよろしいでしょうか。
|その場合、休日手当、日当等は発生しないことになるのでしょうか。
|(会社の指示による業務は発生しない場合です。)
↓ ↓ ↓
休日に出張先へ移動しても、移動時間に業務に用いる物品の運搬・監視等の業務
を行っていない限り、その移動時間は原則として労働時間にあたりません。
よって、賃金は支払う必要はありません。
厚労省の通達も、休日に出張のため移動した場合であっても、移動中における
物品の監視等別段の指示がある場合の外は休日労働として取り扱わなくても
差支えないとしています(昭和33年2月13日基溌90号)。
|ただし移動時間とはいえ事故等が発生すれば労災の対象になると思います
|ので出張申請は提出してもらう必要があると考えていますが、それで良い
|でしょうか。
↓ ↓ ↓
特段、問題ありません。
|その場合は移動と宿泊に要した費用として規程に則った金額を支給すれば
|良いでしょうか。
|現在弊社の旅費規程には前泊に関する基準が制定されていません。
↓ ↓ ↓
あくまで貴社の旅費規定に従っての運用となりますが、前泊時の規定・基準
が無い場合においても、少なくとも実際に要した費用については、会社側が
経費として、精算を行っていただく必要があります。
認識齟齬が生じないよう、前泊時の取扱いについても、規定していただくこと
をお勧めいたします。
投稿日:2025/07/04 11:00 ID:QA-0154919
相談者より
ご回答ありがとうございました。
社員からは労働時間として欲しいとの要望が
ありましたが、すっきりしました。
投稿日:2025/07/07 11:52 ID:QA-0155017大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
1.前日の移動時間は労働時間にはなりません。
2.休日手当、日当につきましては、
休日手当、日当の規定に記載されている目的・定義によります。
・労働時間ではありませんので、休日手当は支給しなくてもさしつかえありませ
んが、休日手当の目的、金額によっては、例えば、半額支給も検討してください。
・日当も1泊いくらなのか、1日いくらなのかなどにもよりますが、
1日いくらでしたら、移動のみは半日当のケースもあります。
3.出張の労災は、自宅から業務災害扱いとなります。
出張申請は、出してもらってください。
4.前泊も想定した日当規定を追記してください。
投稿日:2025/07/04 16:39 ID:QA-0154952
プロフェッショナルからの回答
対応
基本的にご提示の認識通りです。法的に支払う必要はないでしょう。
ただ人事的には、業務内容によって貴社方針を決めることをお勧めいたします。
要は仕事で移動し、自分の休日自由時間を削られ、無給という状況でモチベーションが上がるかどうかです。これは一般論ではなく、貴社の業務による判断です。
いずれにしても起こりえる事態であれば、早急に規定化し、公平公正な適用をすることが人事政策の基本だといえます。
投稿日:2025/07/05 10:47 ID:QA-0154959
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
お考えどおりでよろしいです。
「労働時間」と評価されるか否かは、「労働させた」といえるか否か、すなわち労働者が使用者の指揮命令下にあったか否かという客観的な事実関係によって判断されます。
たしかに移動時間は、出張先での業務を遂行するために必要不可欠な時間であり、一定の拘束性はありますが、具体的な業務に関する指揮監督下になく、自由利用が保障されているという点においては、休憩時間や通勤時間と類似しており、労働時間には当たらないと考えられ、移動日が前日であっても考え方は同じです。
労災対応、移動と宿泊に要した費用の支給に関しても、その対応で大丈夫です。
すべて問題はありません。
投稿日:2025/07/06 08:34 ID:QA-0154968
プロフェッショナルからの回答
ご相談内容について回答いたします
休日に行われた出張に伴う移動時間については、行政通達(昭和33年2月13日基発90号)に「休日に出張のため移動した場合であっても、移動中における物品の監視等別段の指示がある場合の外は、休日労働として取り扱わなくても差支えない。」と示されており、労働時間に該当しないと考えて問題ありません。
従いまして、休日手当に関しましては、労働時間とならないため労働基準法に基づく休日手当は発生しません。
また、日当についても、賃金としての性格を持つものであれば、労働時間と認められない以上、原則として支給義務は発生しませんが、日当は福利厚生的な意味合いで支給する企業も多く、その場合は会社の裁量で支給の有無や金額を定めることができます。ただし多くの企業では、「出張当日に実際の業務がある日」のみを対象とする運用が一般的です。
労災に関しましては、ご認識の通り、出張時の移動を含めて出張中に起きた事故につては業務災害とされる可能性が高いため、出張申請を提出してもらうことは非常に適切と考えます。
移動と宿泊に要した費用に関しましては、労働時間とならない前泊移動であっても、業務遂行に伴って従業員に移動・宿泊させる場合、その費用は会社が負担すべきと考えられます。御社では旅費規程には前泊に関する基準が制定されていないとのことですが、その場合でも、上記の理由により、基本的には規程に則った金額を支給することが適切と考えます。
投稿日:2025/07/07 08:43 ID:QA-0154972
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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