パートタイマー採用取り消し
先日パートタイマーの面接に来た方が以前弊社に派遣で来ていた方でした。
仕事内容は理解しているのですんなり採用という事を口頭で伝えました。
その後社内にその方を採用する旨通知すると、派遣で来ていた当時の働きぶりがすこぶる悪く。
採用の取り消しを通知したいと考えています。
投稿日:2025/06/25 16:21 ID:QA-0154491
- 面接官さん
- 東京都/鉄鋼・金属製品・非鉄金属(企業規模 11~30人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論(要点)
採用取り消しは可能ですが、慎重な対応が必要です。
すでに「内定通知(口頭)」をしている場合、雇用契約の成立に準じた扱いとなる可能性があり、取り消しには「合理的理由」が必要です。
不当な取り消しと見なされた場合、損害賠償のリスクが生じることがあります。
2.詳細解説
(1)採用内定の法的性質
口頭であっても「採用の意思表示」があり、相手がそれを受け入れていれば、「労働契約が成立した」と判断されることがあります(判例上も文書の有無より意思表示の有無が重視されます)。
パートタイマーであっても、同様に取り消しには合理的な理由と社会的相当性が必要です。
(2)取り消しの正当な理由になり得るか?
理由→妥当性→補足
健康上の重大な支障→○→医師の診断などが必要
経歴詐称(資格、学歴など)→○→客観的な証拠が必要
採用担当者の重大な勘違い(重大な事実を見落とした)→△→具体的な説明と慎重な対応が求められる
単なる「社内の評判が悪い」→× or △→客観的証拠が弱く、原則として取り消し理由としては不十分です
→ 今回の「過去の勤務態度が悪い」という点だけでは、直ちに正当な取り消し理由にはなりにくい可能性があります。
(3)実務的な対応案(穏便に進めるために)
A. 内定を撤回しない方向で再検討
試用期間を設けて判断する(例:2週間〜3ヶ月)。
パートでも試用期間中の本採用拒否は比較的受け入れられやすい(ただし不当解雇にならないよう理由が必要)。
B. 撤回する場合の手順
すぐに本人に連絡し、丁寧に事情を説明(例:「社内調整の結果、今回は見送らせていただくこととなりました」)。
文書化せず、なるべく口頭で対応(感情的にならないよう配慮)。
可能なら何らかのお詫び(交通費など)を検討。
3.注意点・リスク
リスク内容→説明
損害賠償請求→「内定後に退職した」「他社の採用を断った」など実損があれば、請求されるリスクあり
労基署や労働局への相談→感情的なもつれがあると、労働局に持ち込まれることもあり
信用失墜・SNSへの投稿→応募者が納得できないと、SNS等で会社名が出るリスクも考慮
4.まとめ
ポイント→判断
採用取り消しは可能か→法的には可能だが、理由が弱いとリスクあり
取り消すなら→慎重に対応し、説明責任を果たす
他の選択肢→試用期間の活用、本採用見送りの方向も検討
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/06/25 20:31 ID:QA-0154504
相談者より
ありがとうございました。
参考にさせて頂きます。
投稿日:2025/06/26 08:14 ID:QA-0154513大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
トラブルに発展した場合には
採用取消しが合理的かどうかですが
バートさんの業務内容、
すこぶる悪かった働き方の具体的状況と
面接時にはその事は分からなかったのか
など総合判断になります。
投稿日:2025/06/26 07:39 ID:QA-0154508
相談者より
検討します。
有難うございました
投稿日:2025/06/26 08:17 ID:QA-0154516大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
前提として、内定の取り消しが有効となるためには、解約権留保の趣旨、
目的に照らして客観的に合理的で、社会通念上相当と認められる理由が
必要となります。
単に印象が良くない、社風に合わないといった理由で内定を取り消すことは、
正当な理由とは認められず無効となる可能性があります。
なお、過去と現在は違いますので、懸念点が改善されている場合もございます。
改めて、選考機会を設けるというのが最も適切かと思案いたします。
即お断りする場合は、ご記載の内容ですと、事前に調査をきちんと行わなかった
会社側の落ち度の性格が強いものとなりますので、誠心誠意、改めてご本人と
話し合い、ご納得いただくしかないでしょう。
労働契約の成立が認められる採用内定を取り消す場合、解雇予告を行うか、
解雇予告手当を支払うべきの見解がありますので、ご納得いただけない場合は、
金銭解決も視野に入って参ります。今後の採用フローの見直しが必要です。
投稿日:2025/06/26 08:00 ID:QA-0154511
相談者より
参考になりました。
有難うございました。
投稿日:2025/06/26 08:16 ID:QA-0154514大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
解約の適否
以下、回答させていただきます。
(1)一連の経緯については、「面接に来たこと」は「労働契約の申込み」であ
り、「採用という事を口頭で伝えたこと」(採用内定通知)は当該申込みに
対する承諾であって、これにより、「御社」と「その方」との間に、始期付
の、解約権が留保された労働契約が成立したとみることもできるのではない
かと思われます。
(2)一方、当該労働契約の解約(採用内定の取消し)の適否については、大日
本印刷採用内定取消事件(S54.07.20最高裁判決)では、「採用内定を取り消
せるのは、内定当時知ることができないか、知ることが期待できないような
事実であって、これを理由として採用内定を取消すことが解約権留保の趣
旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認
できるものに限られる。」とされています。
(3)本件では、採用内定の取り消しの理由については、「その後社内にその方
を採用する旨通知すると、派遣で来ていた当時の働きぶりがすこぶる悪く」
とされています。しかし、これは、上記(2)の「採用内定を取り消せるの
は、内定当時知ることができないか、知ることが期待できないような事実」
とは異なるものではないかと思われます。
(4)こうしたことから、採用内定を取り消した場合には、解約権の濫用とされ
「取り消し」が無効となることや、「その方」からの損害賠償請求が認めら
れることも有りうるものと思われます。
(5)本件については、以上を踏まえたうえで、改めて、点検、検討なされるこ
とがよろしいのではないかと存じ上げます。
投稿日:2025/06/26 08:20 ID:QA-0154517
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
-
【2010年度入社】 新卒の採用単価について [2009/09/17]
-
採用の秘訣 専門商社ですが採用の質量ともに苦... [2021/10/18]
-
裁量労働制を採用されている人材をダブルワークにて採用に関して 採用に関してのご質問になります。... [2023/06/07]
-
新卒採用を行うメリットとは 当社では現在中途採用のみ行ってお... [2004/10/28]
-
採用時面接について 採用試験時の面接について、その手... [2006/02/21]
-
募集人数と採用人数について 新卒採用活動中です。募集人数を5... [2006/02/22]
-
採用アウトソーシングについて 採用のアウトソーシングを受託した... [2008/11/12]
-
高卒採用試験での不採用理由の伝え方について 会社において、高卒対象の採用試験... [2016/09/27]
-
嘱託社員の採用について 現在、役員運転手がおりますが、退... [2017/01/12]
-
採用時の薬物テストについて 採用時にドラッグ使用者であるかど... [2006/02/20]
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。
関連する書式・テンプレート
採用稟議書(採用決定時)
社内の関係者に、選考の進んだ応募者について、採用をするかどうかを諮るための稟議書です。
採用内定通知
採用内定通知書です。
最後の一文がポイントです。是非ご利用ください。
採用稟議書(募集開始時)
採用活動を開始する際に、採用条件について稟議するためのテンプレートです。
面接官から面接官への引き継ぎ事項
採用面接を行う際、引き継ぎが正しくなされることは重要です。ミスマッチを防ぐために、本事項を確認してください。