同時多数での出張手当について
	今回、営業メンバー数名で同一の得意先へ出張することとなり、
 終日ほぼ同じ行動予定で動く見込みです。
 目的は営業活動であり、全員がそれぞれ主担当として対応する予定です。
 
 この場合、弊社の給与規定に記載されている
 以下の条文に該当するか、
 ご確認させていただきたくご相談いたしました。
 
 ちなみに、弊社での出張手当の意味は「疲労慰労」「食費」になり、
 出張にかかった費用は実費会社負担としております。
 
 -------------------------------------------------------------------------
 (同時多数の出張)
 会社の用務のため、同じ目的で同時に多数の役員、
 社員が出張した場合は、原則として実費支給とし、
 また日当は支給しない。
 -------------------------------------------------------------------------
 
 実際には、これまでこの条文を適用したケースがなく、
 どのような状況を想定したものなのか、
 明確に把握できておりません。
 
 また、一般的に他社ではこのようなケースにおいて
 出張手当をどのように取り扱っているかも、
 参考までに伺えますと幸いです。
 
 今回の出張が出張手当の支給対象となるかどうか等、
 下記の点を含めてご教示いただけますでしょうか。
 
 ①今回のケースでは本条文の対象となるか
 ②仮にメンバーのうち一部がサブ的な立場であった場合、
 メインは手当が支給され、サブのものは本条文の対象となるか
 それともメイン、サブともに本条文の対象となるか
 (先輩社員の下について後輩社員が勉強として一緒に同行するなど)
 ③条文における「多数」は、2名以上と解釈してよいか
 ④このようなケースでの出張手当の一般的な取り扱い方について
 
 お手数をおかけいたしますが、ご判断のほどよろしくお願いいたします。    
投稿日:2025/04/25 11:21 ID:QA-0151497
- 匿名**さん
- 山梨県/その他業種(企業規模 11~30人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
今回のケースが「各人が主担当で個別顧客対応を行う営業活動」であれば、条文の趣旨から外れており、出張手当支給の対象となる可能性が高いと考えます。
一方で、役割に差がある(同行・補助など)場合は、該当条文の適用余地があると見られます。
「多数」の解釈についても明文化・社内判断基準の整備が必要かもしれません。
もし、社内で今後同様のケースが想定されるのであれば、「主担当」「同行者」の定義や判断基準を明確化するガイドラインを設けると、現場での混乱も防げるかと思います。
                
                ご質問いただきまして、ありがとうございます。
 以下に、ご質問内容に沿って整理しながらご回答申し上げます。
 なお、最終的な判断は貴社の就業規則・給与規定の趣旨や過去の運用実績等も踏まえた上で、人事・労務ご担当部署、あるいは顧問社労士等とご確認いただくことをおすすめいたしますが、一般的な考え方として参考になれば幸いです。
 1.今回のケースでは本条文の対象となるか
 本条文にある「同じ目的で同時に多数の社員が出張」という条件に照らすと、以下のような解釈が考えられます:
 「同じ目的」:今回の出張が「営業活動」であり、それぞれが主担当として異なる得意先と商談するのであれば、目的は類似でも個別性があると見なせる余地があります。
 「同時」:同日・同行動であれば、「同時」に該当します。
 「多数」:後述しますが、2名以上か否かの解釈がポイントです。
 ただし、本条文の趣旨が「一つの案件に対して複数名が必要以上に同行している場合(例えば研修目的や視察など)」を想定している場合は、それぞれに業務上の主たる目的・役割がある今回のケースは、条文の適用外と考えることも可能です。
 
  ポイント:目的が「単一の案件の対応」か、「各人が独立して業務を行う営業活動」かが判断材料になります。
 
 2.メンバーの一部がサブ的立場であった場合の取り扱い
 この点については、以下のように分けて考えられます:
 主担当(独自業務がある)社員:明確な職務があるため、原則的に出張手当の対象と考えられます。
 サブ的な立場の社員(同行・研修目的など):本条文の「同じ目的で多数が出張」により、出張手当の対象外となる可能性が高いです。
 特に「先輩社員の同行によりOJT的な目的で出張する」ようなケースは、本条文が想定する「多数」の出張に該当する可能性が高いと考えられます。
 
 3.条文における「多数」は、2名以上と解釈してよいか
 一般的な文理解釈として、「多数」は3名以上と解釈されることが多いです。
 ただし、就業規則や給与規定に明確な定義がない場合は、実務的に「2名以上」と運用している企業も存在します。こちらは社内で運用ルールを明確にされると良いでしょう。
 
 4.このようなケースでの出張手当の一般的な取り扱い方について
 他社の例をいくつか挙げますと:
 主目的が個別業務であれば、人数にかかわらず手当を支給:特に営業職では個々が責任を持って顧客対応をするため、複数名が同時出張でも手当対象となるケースが多いです。
 同行者や研修目的の場合は手当不支給:同行やOJT等、主要な業務担当ではないと判断される場合は手当が出ないことが一般的です。
 一部の企業では、一定の基準(3名以上・同一目的・同行動など)で機械的に不支給とする規定を設けていることもあります。
 
 5.総括・アドバイス
 今回のケースが「各人が主担当で個別顧客対応を行う営業活動」であれば、条文の趣旨から外れており、出張手当支給の対象となる可能性が高いと考えます。
 一方で、役割に差がある(同行・補助など)場合は、該当条文の適用余地があると見られます。
 「多数」の解釈についても明文化・社内判断基準の整備が必要かもしれません。
 もし、社内で今後同様のケースが想定されるのであれば、「主担当」「同行者」の定義や判断基準を明確化するガイドラインを設けると、現場での混乱も防げるかと思います。
 
 以上です。よろしくお願い申し上げます。                
投稿日:2025/04/25 15:23 ID:QA-0151515
相談者より
                このたびはご丁寧にご回答くださり、誠にありがとうございました。
条文の解釈に関するご指摘に加え、実務上の運用に向けた具体的なご提案までいただき、大変参考になりました。
貴重なお時間を割いてご助言いただき、心より御礼申し上げます。                
投稿日:2025/04/30 15:17 ID:QA-0151620大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
                ご質問のケースでございますが、まず、出張手当につきましては、
 法令上の手当ではなく、貴社独自の手当となりますので、
 手当の支給基準についても、会社の定めによるところとなります。
 よって、以下につきましては、私的見解も含まれますこと、ご了承ください。
 
 同時多数の出張時の、「同じ目的」という点がポイントかと存じます。
 
 上記、同じ目的を詳細解釈しますと、同じ目的と該当するのは、
 出張の主たる目的(商談等)を遂行する上では、出張者は1人でも良いところ、
 複数名が同伴するようなケースと考えられます。
 (例:営業の勉強の為の同伴は、出張の主目的とは言い難い)
 
 上記、同じ目的を詳細解釈しますと、同じ目的に該当しないのは、
 出張の主たる目的(商談等)を遂行する上では、商談内容に各専門担当がおり、
 各担当が出張にいかないと、目的(商談等)に支障をきたすケースと考えられま
 す。
 
 上記の考え方をベースにしますと、ご質問に対しては、以下回答となります。
 1. 本条文の対象となる
 2. メインのものだけが対象となる
 3. 多数とは2名以上を指す
 4. 当方が回答したとおりの所感
 
 以上、ご参考にされてみてください。                
投稿日:2025/04/25 15:25 ID:QA-0151516
相談者より
                このたびはご回答いただき、誠にありがとうございました。
出張目的の解釈に踏み込んだご説明が非常に分かりやすく、判断にあたっての考え方を整理するうえで大変助かりました。
「商談遂行に支障が出るかどうか」を基準にした解釈は、今後の社内判断にも有効に活用できそうです。
ご多忙の中、ご対応いただき感謝申し上げます。                
投稿日:2025/04/30 15:19 ID:QA-0151621大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
                ご利用頂き有難うございます。
 
 ご相談の件ですが、1につきましては、条文文言に一致する内容の出張といえますので、対象になります。
 
 2につきましては、立場に相違があっても同じ目的で同時に出張される事に変わりはございませんので、全員が対象になるものといえます。
 
 3につきましては、僅か2名を多数と表すとは到底解されないものといえます。明確な人数が示されていない事からも、労働者に不利な解釈は避けるべきですし、少なくとも4,5名以上と解されるべきです。
 
 4につきましては、出張手当は会社が就業規則の定めに基づいて支給されるものですし、一般的な取り扱いという事自体が成立し難いものといえるでしょう。あくまで御社自身できちんと規定された上、それに従って対応される必要があるものといえます。                
投稿日:2025/04/25 16:12 ID:QA-0151520
相談者より
                ご回答いただき、誠にありがとうございました。
規定条文の文言に即した明快な解釈とあわせて、労働者に不利な判断を避けるべきとのご見解は、大変重要な視点として受け止めております。
「4~5名以上が多数とされるべき」というお考えも含め、規定の見直しや運用の参考にさせていただきます。
貴重なご意見をいただき、心より御礼申し上げます。                
投稿日:2025/04/30 15:20 ID:QA-0151622大変参考になった
人事会員からの回答
- オフィスみらいさん
- 大阪府/その他業種
                ① 対象になります。
 
 ② どのように考えるかは御社の判断次第ですが、全員同じ目的で出張させるのであれば、メイン・サブといった分け隔ては必要ではなく、1チームとして全員一律に対象とするのが適正であると考えます。
 
 ③ 構いません。
 どう解釈するかは、御社の判断です。
 
 ④ 一般的な取扱い(基準)といったものはございません。
 出張手当に限らず、どういう手当をどういう基準・条件で支給するかは企業の裁量になりますので、就業規則等にその旨の定めを設けて運用することで差し支えはございません。                
投稿日:2025/04/26 08:01 ID:QA-0151534
相談者より
                このたびはご丁寧にご回答いただき、誠にありがとうございました。
「一般的な基準は存在せず、自社の定めがすべてである」という点、今後の制度運用において大切な前提として認識いたしました。
ご助言いただき、心より感謝申し上げます。                
投稿日:2025/04/30 15:22 ID:QA-0151623大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
                このような規則を見たことがありませんので、趣旨を策定者に確認するしかないと思いますが、それもできないのであれば;
 1.2.すべて対象となるでしょう。
 3.条文が不明瞭なので、2名でも多数とも解釈可能でしょう。
 4.一般的規定とは思えませんので、そもそもの必要性含めて判断すべきと思います。どんな理由でどんな目的を目指して設定したのか、それがわからなければ規定の意味がなくなります。不明であれば廃止が良いと思います。                
投稿日:2025/04/28 14:26 ID:QA-0151570
相談者より
                ご回答いただき、誠にありがとうございました。
ご指摘のとおり、規定の趣旨が不明確なままでは適切な運用は難しいと感じております。
ご提案いただいた「必要性の再検討」や「廃止の可能性」も含め、今回のご助言を機に、規定の見直しについて社内で議論を進めてまいります。
率直かつ的確なご意見に深く感謝申し上げます。                
投稿日:2025/04/30 15:24 ID:QA-0151624参考になった
    回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
    回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
    ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
    
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