人事制度改定
2003年に職業資格制度から役割等級制度へ改訂し現在まで運用しております。
社風や評価者教育など、いろいろと問題があり、人事考課では7割以上が昇給の評価をうけ、マイナスの評価を受ける者はほとんど皆無の実態です。(決して業績がぐんぐん伸びているわけではありません)
関連して、管理職直前の人員が増加している問題があります。専門職制度を設けてはおりますが、実態は管理職になれない人の受け皿として運用されている感があり、社員のモチベーション向上の観点からは、抜本的な人事制度の改定が必要と考えております。
今、注目している人事制度として、職能資格制度と役割等級制度のダブルラダーの人事制度ですが、一旦職能資格制度を廃止した会社にとって、職能資格制度を復活させることは、よくないことでしょうか?
また、ダブルラダー制度は世間で浸透しているのでしょうか?それとも一瞬のものだったのでしょうか?(世間のはやりで人事制度を構築するわけではないですが)
よろしくご指導願います。
投稿日:2008/10/28 10:01 ID:QA-0014100
- *****さん
- 東京都/機械(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
人材評価及び賃金制度につきましては、個々の会社の業態や社風・組織形態や人員構成等に応じて適する制度も異なってくるものといえます。
従いまして、職能資格制度の復活につきましても100%不適切ということは出来ませんが、文面内容から推察しますと、御社の場合復活させる事で問題解決にはならないというのが私共の見解になります。
年功制や職能制への回帰やダブルラダーといった動きは確かに近年見られる傾向ですが、少なくとも「他社がやっているから自社でも検討を‥」といった受動的な発想では成功する可能性は極めて低いものといえるでしょう。
問題の本質は、役割等級制及び専門職制が本来あるべき機能を果たしていないという点に所在しているはずです。
特に、さほど業績向上が無いにも関わらずそれ以上の昇給で人件費が増大しているというのは、本来の役割等級型の制度主旨と相反する事態ですので、明らかに評価基準及び運用上決定的な不具合が存在しているものといえます。
まずは、制度の実態を詳しく調査し具体的にどの部分に問題があるのかを把握した上で、必要に応じ制度の再構築並びに評価者への教育等を進めていくことが重要です。
投稿日:2008/10/28 14:10 ID:QA-0014112
相談者より
投稿日:2008/10/28 14:10 ID:QA-0035589大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
要員構成と育成戦略にマッチした仕組みが本筋
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
お書き頂いている内容からは、次のことが分かります。
・従来:「職能」と処遇を連動させようとしたが、肝心の「職能」概念が曖昧でうまくいかなかった。
・現在:「役割」と処遇を連動させようとしたが、肝心の「役割」概念が曖昧で不必要な昇給が生じている。
結局、人事の基軸とすべき「物差し」を、「職能」にしても「役割(≒職務)」にしても、その中身について組織内のコンセンサスがなければ、結果は同じなのではないでしょうか。
また、そのような状況の中で、物差しを複数化するのは、さらに事態を混乱させるだけではないのでしょうか。
つまり、必要なことは、人事の「基軸」についての組織コンセンサスを作ることです。
ただ、これは一朝一夕には解決しません。
そこで、その間の処置ですが、一旦役割等級に移行したのであれば、そのままの仕組みにしておいた方が、まだしもベターと思われます。社員が、その仕組みにすでに馴染んでいるからです。
加えて、役割等級は給与を増減させられるオプションがありますが、職能等級にはそれがなく、人事運用が硬直化してしまいます。
なお、世間で普及しているいわゆる「ダブルラダー」は、管理職年俸制等における仕組みではないでしょうか。
社員全般にこうした仕組みを導入している例は、ごく少数と思われます。
ご参考まで。
投稿日:2008/10/28 17:25 ID:QA-0014119
相談者より
投稿日:2008/10/28 17:25 ID:QA-0035593大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 宮田 洋行
- リアル・コンサルティング 代表
人事制度改定
2つの論点があるかと思います。
1)評価~処遇の問題
業績が伸びていないのに7割以上が昇給しているとのことですが、絶対評価~絶対配分を行えばそうなってしまいます。
賞与制度については不明ですが、評価~配分の仕組みの見直しが必要かと思われます。
2)等級制度の考え方
ダブルラダーは上位等級者に適用される制度かと思います。
ただし運用が甘くなると職能等級のようになってしまいます。
詳細は分かりませんが「**等級制度」といった名称にはあまり拘らず、貴社の実情に合わせた運用をされてはいかがでしょうか?
例えば、
若年クラス=主に年功を重視
中堅クラス=主に能力を重視
管理職クラス=主に役割・職務を重視(あるいは高度の専門性を重視)
といった感じです。
少しでもご参考になりましたら幸いです。
投稿日:2008/10/28 21:15 ID:QA-0014123
相談者より
投稿日:2008/10/28 21:15 ID:QA-0035595大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
人事制度設計の基本的な考え方
1975年、私がまだ人事課の新人だったころ、「職能資格制度」の導入が決まりました。
従来の人事制度と比べ、画期的な人事制度として注目されました。
その導入実務を通して感じたことは、「労多くして、実のない制度」だということでした。
人事制度の根幹は、「評価基準」の明確化と、「評価結果の賃金への連動」です。
職能資格制度では、「職務遂行能力」という「能力」を基準にしています。
そもそも、「職務」自体が変わっていかなければならないときに、「職務」を固定させることに難点があります。
さらに、その職務に基づいて「能力」を決めていくのがまたまた大変な作業です。
結局、「評価基準」が2年くらいかけてできあがったときには、その評価基準がすでに使えなくなっている、ということがポイントです。
評価基準は、「会社のビジョン・戦略」という未来から「単位組織のミッション」が決まってきて、個人の役割に落し込めるものです。そこから、「役割に基づく成果」と「行動(能力)」が導き出されます。
従来の人事制度は、ともすると「人事制度をつくるのが目的」となります。
貴社におかれましても、「いい仕事をした人」「いい職場を作った人」をきちんと評価することが重要ではないでしょうか?
投稿日:2008/10/29 08:36 ID:QA-0014126
相談者より
投稿日:2008/10/29 08:36 ID:QA-0035598大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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