キャリア開発制度を設計するときの基本姿勢
いつもありがとうございます。生きがいラボの福留です。
これまで、従来の人事制度の根本原理である「アメとムチ」を捨てた
逆発想の人事制度の3つのポイントをお伝えしました。
1.等級制度をなくす
2.評価と給与を分離する
3.キャリア開発制度を中心に据える
今回から3番目の「キャリア開発制度」についてお伝えします。
前回でもお伝えした通り、
評価と給与の分離とは「社員を評価しない」ことではありません。
目標管理制度や360度評価制度を通し、評価していくべきです。
しかし、「何のため」に評価するかが重要です。
評価を給与決定ではなく、社員の成長のために活用するのです。
つまり、評価結果が連動するのは、社員の成長支援の仕組みである
キャリア開発制度に限定するべきなのです。
キャリア開発制度の重要性については、
多くの人事担当者や人事コンサルタントが強く認識しています。
その一方で、企業サイドからは、
「うちの社員は勉強したがらない」という声もよく聞きます。
しかし、これは全く的外れな意見です。
「勉強したがらない」のではなく「する気にならない」のです。
その理由は、キャリア開発制度が会社からの押しつけであり、
社員自身の人生とキャリア開発制度が結びついていないからです。
キャリア開発制度の根底には、企業の戦力強化などではなく、
社員の「人生そのもの」を応援する精神が必要です。
社員が「人生を豊かにする実力」を身につけることを支援する
という思想が必要であり、「人生のサポート」をコンセプトと
することが求められます。
そうでなければ、社員は真剣にキャリア開発制度を活用して
自己成長に取り組みません。
自分の人生にとって有意義だと感じるから、努力できるのです。
社員一人ひとりの顔を見ず労働力として考えているうちは、
キャリア開発制度が活用されることはないのです。
制度内容の前に、制度構築の基本姿勢についてお伝えします。
キャリア開発制度に関する書籍はたくさんありますが、
自戒も含めて言うならば、学者やコンサルタントというのは
物事を複雑にしすぎる傾向があります。
キャリア開発制度も然りです。
特に中小企業では、複雑な仕組みなど全く必要ないのです。
キャリア開発制度は、できるかぎりシンプルに設計すべきです。
なぜなら、シンプルな制度の方が、運用しやすいからです。
制度というのは、運用しなければ全く意味がありません。
多くの人事コンサルタントや人事担当者が陥る間違いは、
事前に明確にできない不確定なこと(=制度化できないこと)
まで制度にしようとすることです。
制度化できないことは無理に制度にせず、
個別具体的に意思決定する余地を残しておけば良いのです。
全ての社員が長期的なキャリアをデザインできるような、
万能のキャリア開発制度を作ることは不可能ですし、
もしそのような制度をつくろうとしたならば、
あまりにも複雑すぎて中小企業では全く運用できません。
さて、次回からは、いよいよ制度内容に話を進めます。
生きがいラボ株式会社 代表取締役 福留 幸輔
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生きがいラボは、新たなカタチの人事制度である「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを行っています。
アメリカのグローバル企業が導入を進めている人事制度である「ノーレイティング」。日本で広く認知される前の2010年から、点数づけや格づけ、正規分布調整などを廃止した「ノーレイティング型人事制度」の設計・運用コンサルティングを展開しています。
福留 幸輔(フクトメ コウスケ) 代表取締役
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