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結婚した者の住宅手当について

結婚した者の住宅手当についてご教示いただけますでしょうか。

弊社では現在、以下のように住宅手当を支給しています。
入社時既に持家所有:20000円
賃貸住宅(世帯主で扶養親族のある者):60000円
賃貸住宅(世帯主で扶養親族のいない者):40000円
非世帯主:20000円
※賃貸の者が持家となった場合には、引き続き賃貸の金額を支給

例えば、女性社員が結婚する際に、それまで一人暮らしで40000円支給されていた者が、規程から行くと通常女性は非世帯主となるため、手当が20000円になってしまうと思われます。

そこで質問なのですが、
①この規程でいくと、殆どのケースにおいて、男性が結婚により手当が下がるケースは殆どないかと思いますが、女性で一人暮らしであった者は、殆ど手当が下がってしまうと思われます。
このような規程は、男女の差別的取扱となってしまうものでしょうか。
それとも、このような取扱に問題はなく、結婚して非世帯主となった場合は、手当を下げてしまってよいものでしょうか。

②弊社と同じような規程となっている会社さんもあるかもしれませんが、このような場合、通常どういった処理をされるものでしょうか。

従来は、結婚により手当を下げるのも何だということで、結婚前に一人暮らしである者の手当はいじらずやってきていたようでした。
ただ、同じ女性で、結婚して住居の形態も何も変わらないのに、手当額が違うというのはおかしいとは思っている一方で、結婚により、それまでの手当が下がってしまうと問題になってしまう可能性が高いと思い困っております。

以上、ご教示くださいますようよろしくお願いいたします。

投稿日:2008/10/01 20:29 ID:QA-0013853

*****さん
東京都/商社(専門)(企業規模 101~300人)

プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答1

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、世帯主であるか否かで住宅手当の支給額に差をつける定めにつきましては、男女雇用機会均等法上のいわゆる「間接差別」に該当すると考える説と該当しないとする説がございます。

現在の行政解釈上では単に世帯主であることを支給条件とする定めに関しては間接差別に該当しないという見解が採られており、私共も同様の考えになります。
(※但し「世帯主」の決定に関し、女性にだけ男性に比して不利な条件を課した場合等は、性別を理由とした差別的取扱いに該当しますので注意が必要です)

従いまして、①につきましては、世帯主でなくなることで手当が減額となっても現状直ちに違法とはならないものといえます。

確かに世帯主は男性が多いというのが実情ですが、住宅手当支給の本来の意義とは、家計の主たる担い手である世帯主が負担する住宅費用について支援するというものですから、男女の性差別の問題とは切り離して捉えるのが妥当と考えます。(*このような見方には異論もあるものといえますが、あくまで個人的見解ということでご理解下さい。)

ただ、将来的に判例等が出た場合に公の法解釈が変わる可能性も考えられますので、今後の動向を注視していくと共に、住宅手当自体の存否も含めた賃金制度の見直しを検討していくことも重要でしょう。

また②につきましては各社様々の手当制度を採っていることもありますし一概には申し上げられません。
 社内での支給実態に加え意見調査等を行う等現状を十分把握した上で、あるべき方向を御社自身で考えていくことが重要でしょう。

投稿日:2008/10/01 21:54 ID:QA-0013854

相談者より

大変わかりやすいご説明ありがとうございました。
勉強になりました。

投稿日:2008/10/02 09:43 ID:QA-0035494大変参考になった

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回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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