夏期休暇・冬期休暇の有給休暇変更について
本学は大学、高校を経営する学校法人ですが、就業規則の休日規定は①日曜日②国民の祝日③年末年始(12月28日から1月6日まで)④その他法人が定める日と定められていましたが、昨年度から完全週休二日制(土日)を導入するとともに、有給休暇義務化の法律施行に伴い、夏期休暇・冬期休暇の特別休暇がなくなり、有給休暇推奨期間として周知されました。
週休二日制の導入によって、確かに年間休日数は増加したのですが、有給休暇が少ない教職員や契約社員にとっては、貴重な有給休暇を充当しなくてはならず、出勤しても良いかと相談に来る教職員も出ております。しかしながら、法人としては一斉休暇体制、全館休館体制にして省エネ対策も徹底させたい意図が内在しており、部分的な出勤は認めたくない思惑があります。
そもそも、学校現場では土曜日に授業が開講されている学校もあり、土日の行事が多いにもかかわらず完全週休二日制が経営執行部主導で導入されたため、一部の現場では対応に苦慮しており、従前の一カ月単位の変形労働時間制に戻してもらいたいの声も聞きます。労働組合がないため、休日体制変更に伴う教職員への意見聴取はしておらず、経営執行部の意向を優先して導入しておりますが、このような休暇体制の変更について、問題点・改善点があればご教授いただければと思います。
投稿日:2021/08/30 10:58 ID:QA-0106989
- 小徳太子さん
- 千葉県/教育(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
一斉休暇ということは、夏季休暇、冬期休暇に対して「有休の計画的付与」をしたということでしょうか?
計画的付与ということであれば、有休残5日を超える部分に対してしか付与できませんので、
そこまで有休残がない教職員、契約社員に対しては、特別休暇を与える必要があります。
投稿日:2021/08/30 16:38 ID:QA-0107018
相談者より
早速にご回答いただきまして、有難うございました。
従前の制度では、夏期休暇5日、冬期休暇(年末年始)は介在する休日・祝日含めて10日間連続休暇でしたが、夏期・冬期の指定期間(推奨期間)に義務化された5日の有給休暇も取得するとともに、従前の休暇に相当する有給休暇を取得せよという改定です。年間の休日数が増えても、夏期・冬期休暇が無くなることは、不利益変更該当すると考えて良いのでしょうか?
投稿日:2021/08/30 17:31 ID:QA-0107024参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件2
夏季休暇、冬期休暇をなくす代わりに、年間休日数が増えるということは、バーターともいえますので、不利益の程度は小さい、あるいは不合理とまではいえないでしょう。
不利益変更かどうかは、従業員によっても異なることもありますので、従業員にはよく説明すればよろしいでしょう。
「有給休暇が少ない教職員や契約社員にとっては、貴重な有給休暇を充当しなくてはならず」につきましては、有休取得義務が年10日以上有休付与者についてですので、そこまでない教職員や契約社員につきましては、特別休暇等検討すべきです。
投稿日:2021/08/30 18:02 ID:QA-0107026
相談者より
貴重な助言をいただきまして、有難うございました。5日の有給休暇取得が義務付けられるのは10日以上の有給休暇が付与されている労働者であり、5日に満たない有給休暇しかない労働者には特別休暇を付与する必要があること、よくわかりました。
投稿日:2021/08/31 08:35 ID:QA-0107045大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、労働者側の意見も聴かれずに一方的に就業規則を変更される事で夏季休暇・冬季休暇が廃止される件に関しましては、明白な労働条件の不利益変更に該当するものといえます。たとえ、週休2日制で休日数が増えるとしましても、夏季休暇等が減るのは休暇という別の労働条件の問題ですので、不利益変更に当たる事に変わりはございません。
加えまして、たとえ有給休暇推奨期間であっても労働日になりますので、有休を取得せず勤務する事も拒否する事は認められません。仮に拒否されますと会社都合の休業になりますので、少なくとも労働基準法上の休業手当(少なくとも平均賃金の6割補償)の支給義務が生じる事になります。
この度の措置につきましては経営執行部が主導で変更されたという事ですが、コンプライアンス上相当に乱暴なやり方といえますので、こうした違法となる行為につきましては見直しが必要である旨を伝えられ、過半数労働代表者との間で真摯に協議された上で最低でも休暇だった期間の運用については改善する必要がある旨進言される事をお勧めいたします。
投稿日:2021/08/30 19:47 ID:QA-0107034
相談者より
貴重な助言をいただきまして、有難うございました。労働者から意見聴取をせずに一方的な不利益変更は問題があること、よく分かりました。人事からの周知には、有給休暇が少なく出勤を希望する場合の対応等は何ら周知されておらず、強引な対策であることも良く分かりました。今一度、勤務者の意見をよく聴取してもらい、一方的すぎる改定の内容を再検討してもらえるよう進言したいと思います。
投稿日:2021/08/31 08:29 ID:QA-0107044大変参考になった
人事会員からの回答
- 角五楼さん
- 神奈川県/保安・警備・清掃
休日と休暇は似て非なるものです。休日とは事業者により労働を免除された日、休日でない日を労働日と言いますが、休暇は労働日にして休める日をいいます。ですので夏期休暇と呼称して実質休日である場合があります。
全体として、それらの長期の休暇において、賃金が支払われてきたのか(日給、時給制)、賃金控除されてない(月給制)かによって評価が違ってきます。待遇のことなる職種別に移行前と移行後を整理して判断してみないと、回答しにくい面があります。
ひとつ言えるのは、実質休日であるのを、年次有給休暇をあてさせることは違法です。訴訟に持ち込まれたら確実に敗訴するリスクがありますので、待遇のことなる職種別に慎重に精査されることをおすすめします。
なお、変形労働時間制をおとりになるのであれば、導入に手間がかかりますが学校という夏冬休業中に休日を集中できる1年単位の変形労働時間制でしょう。
投稿日:2021/08/31 06:47 ID:QA-0107039
相談者より
貴重な助言をいただきまてし、有難うございました。休日と休暇の定義についても大変参考になりました。従前の就業規則では、休日として年末年始(12/28~1/6)、法人が定める日(夏期休暇5日が慣行化)が定められていましたが、改定後は日付・期間が消されてしまいました。従前の規定は、名称に関係なく休日の労働契約となることも分かりました。たとえ、週休二日制で年間休日が増加しても、休日の定義を一方的に変更することは不利益変更に該当するという理解で良いのでしょうか?
投稿日:2021/08/31 08:49 ID:QA-0107046大変参考になった
人事会員からの回答
- 角五楼さん
- 神奈川県/保安・警備・清掃
休日の定義の変更を行ったのでしょうか。お書きの範囲では、休日を休暇(いったん労働日化)にしたことへの問題提起としてお見受けしましたが。
たとえば、月給者にとって月間休日(休暇(年次有給休暇でない))数が増えても給料は減らない有利変更です。ところが、日給者にとっては、給料の付かない日が増える、へるのがいやなら年次有給休暇を切れ、ということは不利益変更となります。
このように職種別の待遇差をあきらかにしたうえでの精査を提案させていただいています。
投稿日:2021/08/31 20:26 ID:QA-0107081
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