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HR業界TOPインタビュー「人・組織」ビジネスを牽引する希代の経営者

株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 代表取締役社長

小串 記代さん

「営業革新」「リーダー革新」の二つの軸で社会に貢献
変化の激しい時代に必要な「野心」と「挑戦」

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株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 代表取締役社長 小串 記代さん

富士ゼロックス総合教育研究所は、複写機やプリンターの代表的メーカーである富士ゼロックスの関連会社で、富士ゼロックスに新規事業として発足した教育事業部門が独立し、1989年に設立されました。最も得意とする「営業革新分野」のコアメニュー「PSS(Professional Selling Skills)」は、設立以来、国内だけで約20万人の受講実績を誇ります。同社を2016年から率いているのが、代表取締役社長の小串記代さん。それまで同社では富士ゼロックスの出身者が社長を務めてきましたが、初めて富士ゼロックス総合教育研究所の社員から昇格を果たしたトップです。経験豊富な人材教育コンサルタントとしての顔も持つ小串社長ですが、実はこの分野でのキャリアをスタートさせたのは比較的遅かったといいます。社長就任までのバックグラウンドから、組織や人材に対する考え方、将来へのビジョン、今後の日本の人事に必要と考えるもの、さらにこの分野での成功の秘訣まで、人材・組織開発のプロフェッショナルである小串社長にお話をうかがいました。

プロフィール

小串 記代(おぐし・きよ)/ 大手エンジニアリング会社にて海外渉外業務、人事人材開発コンサルティング会社にてアセスメント、リーダーシップ教育に従事。1996年、株式会社富士ゼロックス総合教育研究所入社。商品開発、調査、コンサルティングに従事。2016年より現職。津田塾大学国際関係学科卒業、国際大学国際経営学研究科修了MBA。

グローバルな職務環境から人材開発コンサルティングへの転身

―― 人材・組織開発に関わられるようになったのは比較的遅かったそうですが、それまではどのようなキャリアを経験されてきたのでしょうか。

大学では国際関係論を専攻していたのですが、卒業後は出身地の高知県の新聞社で社会人をスタートしました。その後1年間イギリスに留学する機会があり、グローバルな環境で仕事をしたいと思うようになりました。

帰国後、中途採用で川崎重工業に入社し、秘書室の中にあった「海外渉外担当」に配属されました。国際的な仕事が多いエンジニアリング会社でしたので、トップが海外出張するときに随行したり、海外の経済界の方々とやりとりする際のサポートをしたり。まさに自分が望んでいたようなグローバルな仕事ができる環境でした。その後、海外渉外に加えて社長秘書も兼務するようになりました。

30代になったころ、男女雇用機会均等法が施行され、メーカーでも総合職を設けるようになり、私は第一期の総合職になりました。当時はまだ、男女の仕事上の役割に差があった時代でしたが、女性としてのハンディをそれほど感じずに仕事ができたので、大変恵まれていたと思います。出張で海外に行くことが多かったですし、トップの意思決定を近くで見る機会も多く、ビジネスの大きな流れを感じる環境だったと思います。

―― 非常に充実した環境だったと思うのですが、そこでなぜキャリアチェンジを考えたのでしょうか。

明確なキャリアビジョンがあったわけではないのですが、「このまま10年後も同じ仕事をしているのだろうか」と漠然とした不安を感じるようになったんです。たしかに国際的な環境で仕事はできていましたが、渉外や秘書はあくまでもサポート役。自分自身が主体的にビジネスに関わっていきたいと考えたときに、さて自分には何ができるのだろうかと振り返ると、何もないと感じたのです。上司に相談するなど、3年くらい悩みました。結果的に、もう一度ビジネスを体系的に学びたいと考え、大学院に行くことにしました。休職して行けばいい、という話もいただいたのですが、やるなら退路を断ったほうがいいと考えて、思い切って退職しました。それが35歳のころです。

大学院では、ビジネスの構造や理論を体系的に学びたいと考え、国際経営学を学びました。特に関心があったのが国際人事です。当時、日本企業が多数海外に進出していて、グローバル人事がキーワードになりつつあると感じていたことが大きかったと思います。

―― 人事や人材への関心はその当時からお持ちだったわけですね。

実は川崎重工時代にも、女性秘書のキャリア開発をテーマに昇格論文を提出したことがありました。当時は今ほど評価のフィードバックが重視されていなかったように思います。一人ひとりの能力開発には、本人にも強みや弱みをきちんとフィードバックして、積極的なキャリア開発につなげていくべきではないか、と提言したのです。今思うと、無意識のうちに「人の成長への支援」や「人材開発」への思いがあったのかもしれませんね。大学院は2年コースで、修了する37歳のころには、本格的に人材関連の仕事をやっていきたい、と考えるようになっていました。

そこで再就職したのが、株式会社マネジメント サービス センター(MSC)。アセスメントを得意とする会社で、アセスメント・センター・メソッドを通して、人を客観的に評価する、能力を構造化する、観察する、などのメソッドに興味があり、入社を決めました。職種はコンサルタント。私は37歳で遅いスタートだと思っていたのですが、MSCでは他社でさまざまな経験を積んだ40代以上の人も多く採用されていたので、「若手」と言われていました。フラットな組織で、やりたいこと、できることに対して、自分からどんどん手を挙げて進めていくスタイルの職場。最初は驚きましたが、本当に良い経験ができたと感じています。

―― MSCでは、具体的にはどのような仕事に取り組まれたのでしょうか。

ヒューマンアセスメントや研修の仕事が中心でした。同じ企業を担当していると、その会社の人材の特性が見えてきます。風土や業態、組織と人の能力発揮度合い、コミュニケーションの取り方、そういった企業ごとの特徴がはっきりわかって興味深かったですね。現在ではアセスメントを選抜のために利用する企業が多いと思いますが、当時は強み、弱みを明確にして人材開発に使う企業が中心でした。

また、アメリカの人材開発トレンドが10年後に日本でも起こる、と言われた時代だったので、海外のパートナー企業のプログラムを、日本で商品化するといった仕事も経験できました。初めて触れる分野も多かったのですが、どんどんチャレンジできる風土で、本当にいろいろな経験をすることができました。アセスメントというコアになるキャリアができた時代でした。今でも当社はMSCと協業することがあり、良いご縁が続いています。


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