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【ヨミ】セイジョウセイバイアス 正常性バイアス

「正常性バイアス」とは、予期せぬ事態に遭遇したときに「自分は大丈夫だろう」という先入観やバイアスが働き、正常の範囲だと思い込んでしまうことをいいます。心理学の用語で、社会心理学や災害心理学、医療用語としても使われています。(2019/10/31掲載)
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正常性バイアスのケーススタディ

「うちの会社は不祥事とは無縁」
その考えこそが正常性バイアス

正常性バイアスは、心の平穏を保つための脳による防御反応でもあります。日常生活において、起こりうる危険な出来事に対して常に敏感でいると疲れてしまうからです。一方、正常性バイアスが働いた結果、危機的状況が目の前までやってきて初めて、重大な事態にあることに気付くケースもあります。特に自然災害や火事などが発生したとき、正常性バイアスによって対応が遅れると、被害が拡大することも考えられるので、注意が必要です。

被災の状況を伝えるニュースを見て「どうしてすぐに避難しなかったのだろうか」と思い、企業の不祥事が報じられると「不祥事につながるとなぜ想像できなかったのだろうか」と感じたことがあるのではないでしょうか。しかし、そこには当事者にしかわからない現場感があるのです。テレビの向こうから冷静に見ている人たちも、同じ状況下に置かれたら、正常性バイアスの影響を受けて冷静に行動できなくなるかもしれません。

大切なことは、「将来」起こりうる危機に対して、「今」どう備えるか。例えば企業の場合、常日頃から経営層へのメディアトレーニングを行っていると、有事の際に記者会見で失敗する可能性は低くなるでしょう。将来、起こり得ることを想定し先回りして対策を講じることで、正常性バイアスに陥らず、ピンチをチャンスに変えることができます。不祥事に対する素早い対応が、企業イメージを高める可能性もあるのです。

パニックに陥らないように私たちを守ってくれている正常性バイアスと上手に付き合うには、目先の業務だけでなく、広い視野を持って将来に備えることが大切です。とはいえ、日々慌ただしく業務をこなす中で、訓練を行う余裕がない企業も多いでしょう。その場合、訓練自体を社内イベントにしてしまう、という方法もあります。例えば、防災の日にあたる9月1日に従業員を含めた避難訓練を実施したり、メディアトレーニングを行ったりするなどして、「備えるための日」を演出すれば、従業員への啓蒙もできるので一石二鳥です。正常性バイアスの存在を知ることが、危機に対する意識を高めることの第一歩となります。

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