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【ヨミ】ホーソンコウカ ホーソン効果

「ホーソン効果」とは、自分が期待されていると感じ、それに応えようと行動することで、良い結果につながる現象のこと。米国シカゴにある電機メーカーのホーソン工場で、1924年から8年間にわたり行われた「ホーソン実験」によって発見された効果です。照明を明るくするなどの物理的な労働条件よりも、注目されている意識や親密な人間関係が生産性の向上につながることが判明し、現代の組織研究のきっかけにもなりました。経済的な動機づけだけでなく、社会的欲求や尊厳欲求といった「人から認められたい」という動機づけも行動へ作用することを示しています。(2019/9/13掲載)

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ホーソン効果のケーススタディ

「ホーソン実験」が示唆する
生産性の高い組織になるためのヒント

自分に無関心な上司と期待してくれる上司。どちらの部下として働くほうが良い結果を残せるでしょうか。また、表彰がある試合と観客が誰一人いない試合では、どちらがやる気になるでしょうか。答えは明快です。一般的に「見られている」状況のほうが、人をやる気にさせます。

活躍する従業員への表彰制度、質の高い接客を表すバッジ、従業員同士が互いを讃え合う制度。これらも「見られている」ことを意識づけ、従業員のやる気を引き出そうとするものです。ホーソン効果を見据えて、注目されることを意識する設計になっているのかもしれません。

現代のリーダーシップ論やマズローの欲求段階説など、さまざまな研究につながったとされる「ホーソン実験」では、ホーソン工場で8年かけてさまざまな研究が行われました。研究でわかったのは、前述のような見られることや期待されることによる「ホーソン効果」、そしてもう一つは「人間関係の重要性」です。

リレー方式で行われる配線の組立作業において、賃金、休憩時間、温度など条件や環境を変えながら生産性に与える影響を監視。しかしそれらの条件には左右されず、作業を進めるほどに効率はあがっていきました。結果的に導き出されたのは、作業によって自然と生まれた小さな集団(インフォーマル組織)が関係していること。集団内でのルール、近しい人間関係、集団外とのちょっとした壁などが見られます。型にはまった組織の規制力よりも、労働の中で自然とできあがったインフォーマル組織での集団規範がより労働意欲に影響することがわかりました。

今では当たり前にある職場でのレクリエーションやチームビルディング、第三者のメンターシステムや交流会。人間関係を良好に保とうとする企業努力の原点は、ここにあったのです。

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