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となりの人事部
日本の人事部「HRアワード2016」受賞者インタビュー
第77回 株式会社アサツー ディ・ケイ

応募者に「どんな人と、どう働きたいか?」という
リアルなイメージを喚起
新卒採用活動の既成概念をリセットし、
応募者と社員の相互理解を図る「相棒採用」とは(後編)

株式会社アサツー ディ・ケイ 執行役員 人事・ガバナンスセンター統括 春日 均さん
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従来とは違う採用方法を本気で考えるタイミングにきている

―― 「HRアワード」企業人事部門優秀賞を受賞されたことで、社内・社外からどのような反応がありましたか。

いろいろな反応がありました。「相棒採用」が日経新聞をはじめさまざまなメディアに取り上げられた時も、社長がわざわざ執行役員会議で「こういう良い仕組みが進んでいるぞ」と発表してくれましたが、今回の「HRアワード」受賞も大変喜んでくれています。日ごろ、人事は会社のなかでなかなか褒められることが少なく、できて当たり前と思われている部署なので、今回は人事のメンバーのモチベーションアップにつながったのではないでしょうか。また、こういう賞をいただけるのは社内外に対する良いアピールとなりますから、大変ありがたいことです。

営業を通じて多くのお得意先から「『相棒採用』について話を聞かせてほしい」「どういう仕組みでやっているのかを教えてもらいたい」という問合せが来ているのもうれしいことです。実際に人事のメンバーがお客さまの人事部長のところにうかがってご説明するだけでなく、先方の社風や企業風土に基づいて「こんなことをされてはいかがですか」とご提案したりしています。それが、実際に形になって進められたものもいくつかあります。

採用は年中行事のように同じ時期に実施されていますが、「本当に自社にマッチした人材が採れている」と自負する企業は少ないと思います。「何か他にも工夫があるのでは」と多くの企業が模索しているはずです。今回の「HRアワード」受賞が、多くの企業にとって採用を見直すきっかけとなれば幸いです。

―― 2018年度採用に向けた「相棒採用」の展開をお聞かせください。

現在、今後の展開をまさに考えているところです。もっとADKの魅力を伝えることができる方法があると思っていますので、「相棒採用」の進化、シーズン2を形にしていきたいと思います。ポイントは、マッチングのところです。2017年度採用では87名の社員が相棒社員を務めてくれたのですが、大変多くの学生の方にご応募いただいたので、自分の希望した人がなかなか相棒社員になってくれなかったという声もあります。応募者は5名を指名できるようになってはいるものの、特に希望する相棒社員と円滑にコミュニケーションが図れる仕組みにできないかと考えているところです。

また、社員にあまり負担をかけるわけにもいきません。「相棒採用」のためだけに残業するというわけにはいきませんからね。いくら指名が多いからといって、特定の社員一人が100名もの応募者に会うわけには行きません。どうしても限られた数しかケアできないので、お互いになるべくストレスのない形にしたいと考えています。

―― 最後に、企業で新卒採用に取り組む方々に向けて、メッセージやアドバイスをお願いします。

採用環境が大きく変わってきていると思います。特に、これからは若い人たちの人口が減っていきます。それだけに、今までと同じような採用の仕組みや仕方をしていて、本当に自社に必要な人材が採れるのか疑問です。やはり、それぞれの会社に合った独自の採用の仕方、選び方を考えるべき時期に来ているのではないでしょうか。

我々は応募者に社員の人柄であったり、フラットな社風を評価してもらえる「相棒採用」という選択肢を採りましたが、企業ごとに強みや社風に合ったやり方が当然あるはずです。就活サイトのやり方に倣うだけでなく、自分たちで「本当に良い人材が採れているのか」「そのために本当に良い方法はどうなのか」と自問自答するとともに、人への投資が会社にとっていかに大切であるかを改めて経営陣や社内に理解してもらい、「ここに力を入れてください」と働きかけていくことが非常に重要だと思います。

面接官になってもらう社員にも、「何も考えずにやってきて面接をすればいいのではなく、本気で人材を選びましょう」と呼びかけるべきです。やはり、従来とは違う採用方法を本気で考えるタイミングなんですね。「昨年までやっていたから、今年もそのままでいい」。もう、そんな考え方は通用しません。後は、人事の皆さんがどこで変革のスイッチを押すかにかかっていると思います。

株式会社アサツー ディ・ケイ 執行役員 人事・ガバナンスセンター統括 春日 均さん

(取材は2016年12月19日、東京・港区のアサツー ディ・ケイ本社にて)


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