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となりの人事部
日本の人事部「HRアワード2016」受賞者インタビュー
第77回 株式会社アサツー ディ・ケイ

応募者に「どんな人と、どう働きたいか?」という
リアルなイメージを喚起
新卒採用活動の既成概念をリセットし、
応募者と社員の相互理解を図る「相棒採用」とは(前編)

株式会社アサツー ディ・ケイ 執行役員 人事・ガバナンスセンター統括 春日 均さん
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株式会社アサツー ディ・ケイ 執行役員 人事・ガバナンスセンター統括 春日 均さん
グローバルレベルで繰り広げられる厳しいビジネス競争に打ち勝つためには、優秀な人材の確保が不可欠となるため、多くの企業が新卒採用に力を注いでいます。しかし、近年は「売り手市場化」がますます進んでいることもあり、思うような成果を上げられていない、という声も聞かれます。そうしたなか、大手広告会社のアサツー ディ・ケイ(以下、ADK)では、従来からの採用方法を全面的に刷新。応募者が「この人と働いてみたい!」という社員に向けて売り込めると同時に面接もしてもらえる「相棒採用」を2017年度新卒採用からスタートさせました。この取り組みは大きな注目を集め、日本の人事部「HRアワード2016」では、企業人事部門優秀賞を受賞。新たな採用ソリューションの開発・導入をリードしたのが、同社 執行役員 人事・ガバナンスセンター統括である春日 均さんです。インタビュー前編では、導入の背景や目的、新施策の概要、社員や応募者からの反応などについて、詳しくうかがいました。
プロフィール
株式会社アサツー ディ・ケイ 執行役員 人事・ガバナンスセンター統括 春日 均さん プロフィール写真
春日 均さん
株式会社アサツー ディ・ケイ 執行役員 人事・ガバナンスセンター統括
かすが・ひとし●1985年に大学卒業後、流通系ハウスエージェンシーを経て1989年に旧旭通信社入社。広告営業としてビールメーカーを中心に、化粧品、人材紹介などのクライアントを担当。2006年より営業局長としてビールのナショナルブランドのCM制作、キャンペーン開発をAEとして担当。その後2009年より営業を調整、統括する営業企画室室長、2012年より総合企画本部本部長を経て、2013年より執行役員 総合企画本部長。2014年、執行役員コーポレートセンター統括を経て現職に至る。

環境が激変するなか、もはや当たり前の新卒採用手法では通用しない

―― まず、「相棒採用」の導入を決めた経緯についてお聞かせいただけますか。

私は面接官として長年採用に携わってきましたが、人事総括として新卒採用に関わったのは、2016年度採用からです。途中から参加したので2016年度は様子見でしたが、2017年度はゼロから関わることができるので、新たなことに挑戦したい、という強い思いを持っていました。

採用担当から2017年度新卒採用のコンセプトについて聞かれたとき、「どうせなら全国紙に載るような話題性の高いものをやってみたらどうか」と答えました。当社はクライアント企業のコミュニケーション活動をご支援する仕事をしているけれど、自分たちは本当に良好なコミュニケーションがとれているのか。画一的に十年一日の採用活動を、何の疑いもなく続けているのではないか。せっかくアイデアやユニークなものを売り物にしている会社なのだから、採用活動自体に話題性があり、オリジナリティーに富んでいて、「なるほど、ADKってこういう会社なのか。面白いよね」と言ってもらえるものにしたらどうかというのが、最初の発想でした。

また、面接などを通じていろいろな学生とお会いする中で、「我々はこの人たちの本質を理解して選んでいるだろうか」という疑問を常に持っていました。私自身も就職活動で面接を受けた時、「自分の魅力を本当に伝えきっただろうか」「15分前後という短い時間で、自分の何を分かってくれたのだろうか」という不安でいっぱいでした。もっとじっくりと本人の人となりを確認した上で、選ばなければいけないのではないか。しかし、現実には大量に新卒者をさばく面接がまだまだ続いている。もう少し丁寧に一人ひとりと向き合うようなものができないかと考えたのが、「相棒採用」のきっかけでした。

―― 具体的には、採用活動でどのような課題に直面されていたのですか。

おかげさまで、当社は就職先として多くのご応募をいただいているのですが、いつまでもその状況が続くわけではありません。特に、インターンや早期の選考で採用した人材をどう入社まで持って行くのかが課題でした。ADKの魅力をなかなか伝えきれていなかったために内定を辞退されたり、他社の面接も受けてみたいと言われたりすることが多かったのです。もちろん、ADKに入社すると業界としての面白さや、若いうちからいろいろなことにチャレンジできることなど、その魅力を感じてもらえるはずです。優秀な人材にADKを理解してもらい、入社してもらうにはどうすればいいのか。それが大きな悩みの一つでした。

そこで社員に「何が決め手でADKを選んだのか」とたずねてみたところ、「社員の人柄に触れて、ADKがいいなと思って入社しました」という声が多かったんです。我々の武器は社員一人ひとりであると改めて感じたので、社員たちが採用に全面的に出ることで、より会社を理解してもらうことができるのではないかと考えました。

―― 2017年度の採用コンセプトは、「ヒジョーシキで行こう」でしたね。

ちょっと今までとは違う形で、採用活動を展開することにしたのです。当たり前のことを当たり前と捉えるのではなく、「本当にこれが正しかったのか」と一度疑ってみることは、当社がビジネスを進める上で非常に重要です。既成概念に捉われず、一つひとつの仕事に苦しんだり、楽しんだりするADK社員のリアルな姿を伝えるのも面白いのではないかと考えました。「ヒジョーシキで行こう」というオリエンテーションがあって、それに対するアウトプットが「相棒採用」であったと言えます。


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