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アサヒビール株式会社:
制度改革に「血をめぐらせる」地道な方法論

アサヒビール株式会社 管理本部 人事部 プロデューサー 柴田勝さん

人事とは、人が人を評価する、人が人の人生を左右するかもしれない、大変な仕事である。 その重責に、現役人事部員たちはどう向き合っているのか?(聞き手=ジャーナリスト・前屋毅)

Profile
柴田勝さん
柴田勝さん
管理本部 人事部 プロデューサー

しばた・まさる●1971年生まれ。94年一橋大学社会学部卒業後、アサヒビール入社。九州地区本部総務部を経て、98年9月より人事部。

「新・成・気:結束」というキーワードを基に改革を進めています。でも人事としては目新しいことをしているという認識はないんです。

前屋:アサヒビールは「アサヒ スーパードライ」での大躍進時に、大量の中途採用を行いました。その結果、社員の年齢構成に偏りがあると聞いています。そうした中で、組織のバランスをとっていくためには、やはり人事制度が重要だと思います。2004年から管理職、2005年からは一般社員の人事制度の改革を始められたそうですが、そのあたりからお話しいただけますか。

柴田:「新・成・気:結束」というキーワードを基本にして、人事制度の改革を進めています。といっても担当者としては、目新しいことを言っているつもりも、新しい制度を導入している認識もないんですよ。当たり前のことをいかに社員に理解してもらい、実現に結びつけるかが、改革の基本だと思っています。

「新・成・気:結束」という言葉自体も目新しいことを言っているわけではないんですね。「新」は「新しいことをやってきましょう」ということで、従来から言ってきたこと。お客様の目線がより厳しくなり、新しいものが求められるビジネス環境になってきていますので、どんどん新しいことにチャレンジできるようにしていこうということです。「成」は人事制度のど真ん中にある考え方で、社員一人ひとりが自らの目標に向かって成長していくことを称賛していく、という考えです。それから「気」は、やってやるという気構え、志を大事にしていこうという考え方です。これら3つを下支えするものとして「結束」があって、一人ひとりが勝手気ままにやるのではなく、「一致団結してやっていきましょう」ということです。

こういった考え方は、いろんな切り口、いろんな表現で、今までに経営トップも口にしているし、人事諸施策としても取り組んできてはいます。しかし、もう一度、キーワードとして整理して制度改革を進めていこうとしているわけです。

前屋:考え方としては各社とも同じなのかもしれませんが、それを実践するとなると、方法論は違ってくるような気がします。アサヒビールとしては、具体的に、現在どのようなかたちで実践しているのですか。

柴田:行動基準的な指標として「新・成・気:結束」のそれぞれの項目につき、社員の階層ごとに「求められる行動」を表示して、育成や評価の基準にしているんです。基準の作成にあたっては、経営や現場からヒアリングを重ね、部内の育成担当など関係部署と相談しながら具体化していきました。たとえば社員経験の浅い「ジュニア」と呼ばれる層に求められる「新」についての行動基準は、「失敗は多くて当たり前、まずはやってみる」といったぐあいに決めていったんです。

前屋:いろんなところから意見を聞いたり相談したりしていくと、結局、無難なところにまとまってしまう、と聞いたことがあります。そういうことはなかったですか。

柴田:おっしゃるようなことは、確かにありますようね。いろんな意見を集約しようとすると、言葉としてはありがちな、どこにでもあるような丸まったものになってしまいがちです。そこは、基準の作成にあたって私たちも注意したところです。ただ、最後は私たち人事の「思い」の部分もありますからね。あえて「尖った」表現も使った部分もあります。

たとえば、シニアクラスについての「気」の行動基準で、「夢をもち、やり切る気概を背中で語る」という表現にしています。これなどは、発表したあとで、かなり賛否両論ありました。いろんな意見がある中で、あえて人事として尖らせた表現にしたからです。「背中で語る」なんて育成基準や評価基準としてふさわしくないとか、「ふざけてるんじゃないか」という意見もありました(笑)。でも人事としては、ビビットに求める姿を伝えられる表現だというので、あえて使ってみたんです。シニアクラスは職場の中堅どころであり、背中で語るような姿勢を示して欲しいわけです。

アサヒビール

これまでの管理職に対する人事は資格をベースにした制度でしたが、
それを改めて、与えられた役割の重さで評価する制度に変えました。

前屋:今お話しいただいたのは一般社員の制度改革ですよね。その前に、管理職の人事制度改革をやられているわけですね。それは、どういったことをやったのですか。

柴田:アサヒビールでは管理職を「プロデューサー」と呼んでいるんです。プロデューサーの制度改定も、世間と比べ特に変わったものではないと思っています(笑)。従来のプロデューサー制度は資格をベースにした制度だったのですが、今回は役割等級を導入して、これを基軸にした人事制度に改めました。資格制度は年功的な要素が強く、経験を重視して一定年数が経てば資格が上がって、それに従って給与も上がっていました。評価も資格に基づき行っていました。

これが役割という基軸に変わると、担っている役割・責任の重さ、さらには将来の期待値で評価、処遇をしていくことになります。

具体的には4つの役割等級があって、その等級ごとに「求められる役割」を明確にしています。たとえば「Stage I」という役割等級の場合は、「所属部署の中核メンバーとして、周囲を巻き込みながら組織目標達成に貢献する役割を担う」となっています。そういった役割が果たせているかどうかで評価なり処遇をしていく制度です。ちなみに「Stage I」の「I」とは、「Involvement=巻き込む」の頭文字です。

前屋:なぜ今、資格から役割への転換が必要になってきたのですか。

柴田:売上が右肩上がりで業容も拡大しているときであれば、年功序列的に給与が上がっていく仕組みでも対応できます。しかし、事業環境の変化が予測しにくいこれからの時代は、右肩上がりを前提とした人事制度は設計しにくくなっているのは事実です。そういう流れの中で、給与だけが経験年数だけで自動的に上がっていく仕組みはとりにくい。アサヒビールだけでなく、業界を問わず、同じ課題を抱えている企業さんも沢山あると思います。そうなると、「頑張った人に適正に報いる」一つの切り口として役割・職責重視、という傾向があるのだと思います。

一方で、モチベーションの問題は重要です。若い部長の下に年上の部下がいるケースも出てくるわけで、従来の年功序列的な給与制度でいくと部下のほうが給与が高いという現象になってしまいます。若くしてポストには就いても、処遇そのものは経験とか過去の実績でしか評価されないとなると、モチベーションは下がりますよね。そんな問題を解決するためにも、与えられた役割の重さで評価するように制度を改める必要があったわけです。

前屋:アサヒビールでは、若手を高いポストに登用する抜擢人事がかなりありますか。

柴田:けっこう、あると思います。他社の方が来られると、うちの部長クラスが若いので驚かれます。35歳の部長クラスもいますから。30代後半で部長の肩書きのついている社員は、けっこういますよ。

アサヒビール

がむしゃらな営業姿勢はアサヒビールのDNAですし、強みです。
それを残しつつ、社員の仕事のやり方や考え方を変えたいのです。

前屋:管理職のプロデューサーと一般社員についての人事制度改革を2年続けてやってこられたわけですが、その改革の「柱」というのはどこにあるのでしょう。

柴田:本質的には、仕事のやり方を変えていこう、ものの考え方を変えていこう、というところにあります。「スーパードライ」単品で売っていた時代から、現在は総合酒類メーカーとして、取扱品目も増えてきています。そうなると当然、営業担当者の売り方も違ってくるし、製造・物流等の考え方も従来と違ってくるので、あらゆるところでものの考え方を変えなければならなくなってきているんですね。

たとえば、お客様へのアプローチ方法でも、ビールはマスの売り方なんです。間口をいかに多くおさえるか、のセールスです。宣伝広告と連動しながら商品を大量に入れてもらう、という売り方をしています。それに対して洋酒などは、商品の深み・品質といったところを、じっくり時間をかけて説明し、扱ってもらうという方法をとります。売場も違いますしね。アプローチの仕方が、まったく違うわけです。当然、考え方を変えないとビジネスになりません。

前屋:「スーパードライ」の大ヒットのときに大量の中途採用者を入れましたよね。そういう方々は、ビール一本やりの営業で大成功してきたわけですね。考え方を変える人事制度改革ということは、そういう人たちを変える、ということになりますか。成功してきたことを変えるんですから、かなり難しいんじゃないでしょうか。

柴田:中途採用の方は年齢的には40代で、プロデューサークラスになっている方が多いですね。考え方はいっぺんに変えられることではないと思っています。こういう人事制度を、つまり「かたち」を入れて人の意識が変わるかというと、そういうわけでもありません。長年やってきたことや成功体験からの考え方を変えていくためには、「かたち」ではなくて「中身」が重要になってきます。だから、今回の一連の改革は、いろんな場でいろんなかたちで出てきた問題を整理して、わかりやすくしたものだと思っています。これをベースに、考え方や仕事のやり方を変えていくことが今後の本質的な課題だと考えています。

前屋:30代以下は、「スーパードライ」発売後に入社した人たちになるわけですね。そうすると、アサヒビールが経営的に大変だった時期を知らない人たち、ということになりますか。

柴田:そうですね、新卒の採用では、おかげさまで、非常に優秀な学生さんに多く志望いただいて入社してもらっています。潜在能力は高くて、まだ力を発揮しきっていない方が多いと私自身は思っています。過去の売れない時代に苦労してドロ臭い営業をやってきた層にくらべると、確かに洗練されてきている部分はあると思います。

前屋:そういう中で、ものの考え方を変えるという人事制度改革は、昔の「ドブ板営業」的な、がむしゃらな営業姿勢を否定している、と受け取られませんか。

柴田:今でも、「ドブ板営業」は変わっていないと思います。がむしゃらな営業姿勢はアサヒビールのDNAですし、強みですからね。局面、局面で、かなりドロ臭いことはやっています。だから現在の人事制度改革がバイタリティを削ぐことになる、という心配はしていません。ただし、それだけでいい時代ではないことも事実なんですね。ドロ臭いところを残しながら、新しい時代に合わせた考え方や仕事の仕方ができるようにするのが課題だと思っています。

アサヒビール

人事の仕事は入社のときに第2か第3で希望していたと思います。
アサヒビールでは営業希望の新人が多いんです。花形部署ですから。

前屋:柴田さんは、営業のご経験は?

柴田:ありません。1994年に大学を卒業して入社しましたが、営業部門の総務に配属されて、4年経験しました。その後が、人事です。

前屋:一時期は、人事も中途採用者がかなり多かったと思いますが、現在はどうですか。

柴田:今は、人事での中途採用は、あまりありませんね。むしろ最近はM&Aで、別の会社で経験を積んだ人事担当者が一緒になっています。

前屋:柴田さんは総務部門に4年いて、すぐ人事ですよね。営業を経験しないで人事というケースは、アサヒビールでは珍しくないのですか。

柴田:いろいろですね(笑)。私のように事業所の総務で採用や給与関係の仕事をしてきて次が本社の人事に異動になるケースも、多いわけではありませんが、何人かいます。ただ、キャリアとしては、営業を経験して人事を担当する、というケースや生産部門を経験して本社の人事というケースもあります。

人事の仕事は、入社のときに第2か第3で希望していたと思います。第1希望は営業でした。アサヒビールは営業をやりたくて入社してくるのが多くて、まず営業を希望するのが多いんですよ。花形部署ですしね。

私が入社したとき、アサヒビールは業界2番手で、「スーパードライ」の急成長も踊り場を迎えて、伸び悩んでいた時期でした。「スーパードライ」の成功で大量採用をしていた時期で、20代が全社員の半分を占めていました。若手が多かったので、活気のある会社でした。それ以前の会社が苦しい時期には採用も絞っていて、30代以上が少なかったので、中堅どころがやる仕事も若手がやらせてもらえたんですね。「こんな若造が重要な仕事をやっていて、アサヒビールは大丈夫か」って思いました(笑)。ともかく、会社の業績に深く自分がかかわれるという実感がありましたね。

前屋:当時で20代が全社員の半分ということは、現在は30代後半から40代初めが極端に多いということですよね。逆ピラミッドの年齢構成ですか。

柴田:将来的には逆ピラミッドになるでしょうね。現在は、まだ逆ピラミッドまでいかなくて、「樽型」ですかね。ちょっと前までは、「砂時計型」だったんですが。

アサヒビール

人事制度改革は「かたち」じゃない。つくってからどうするか、
そこが問題で、制度に血をめぐらせるには研修が絶対必要です。

前屋:ともかく、柴田さんは、営業を志望していたにもかかわらず総務、人事という仕事の流れだったわけですよね。志望する仕事ができなくて、会社を辞めようとは考えなかったですか。

柴田:いえ、そういうことは考えなかったですね。入社後は業績がどんどん伸びていたし、いい人が多くて、風通しもよくて、職場に活気もありましたからね。会社全体のムードがよかったし、仕事がおもしろかったので、希望の部署にいけなかったということは気になりませんでした。M&Aもあったり、人事では、いろんな経験をさせてもらいました。やることは、切りがないくらいあります。その意味では、面白みのある仕事をしてきています。仕事のやり方とか風土の改革は終わりのないことだし、すぐに結果が出るものでもありません。だから、仕事の幅を広げようと思えば、いくらでもできますからね。

前屋:人事の仕事は、すぐに結果が出るものではありませんよね。改革案をつくって現場に降ろしても、それが成果をあげているのかどうか、評価も難しい。そういうところに虚しさ、なんて感じませんか(笑)。

柴田:私も3回、人事制度改革に携わっているんですが、「かたち」に力が入るほど失望感はありますね。携わっている方はよくお判りだと思いますが人事制度改革のゴールは「かたち」じゃないんです。つくってからどうするか、が問題なんですね。

そこを考えながら制度をつくっていかないと、社員に響きません。社員にしてみれば、「オレたちが仕事しやすいように、人事部はどう制度を変えてくれるんだ」ということなんです。だからそう考えると、あまりに斬新というか、奇をてらったような仕組みは必要ないと思います。今回の改革も、そうした考えを基本にしているんです。

つくってからどうするか、については、今もやっているところなんですが、研修を活発にやっています。私たちが重視しているのは、人数の多いプロデューサーを活性化することです。そこを中心に、上司と部下のコミュニケーションを活発にしていこうとしています。そのための制度改革なわけです。つまり日々の仕事のやりとりなんですが、そう言っても、放っておいて変わるわけではない。だから研修を定期的にやりながら、制度改定の狙いや中身を説明したり、職場で実践してもらいたいことを伝える努力をしています。それを地道に繰り返しているわけです。

その研修でも、一時的なもので、職場に戻ったときに効果が表れるのかどうか、という問題はありますよ。しかし、だからといって、「やらなくていい」ということにはならない。制度をつくり、そこに血をめぐらせていくためには、そういた取り組みが絶対に必要です。

そうして、思いどおりに血がめぐっていくかどうかは、並行して様々な取り組みを行うことも必要だと思います。現在、全職場から自由提案を募集し、それを賞賛する取り組みを行っている最中です。職場から業務改善をはじめとして気軽に提案をあげてもらって、その一つひとつにプロジェクトチームが本社の各部署と連絡をとって回答していっています。第一弾として今年1月下旬から2月いっぱいまでを期限に受け付けて、700件くらいの提案がありましたが、その一つひとつに答えているところです。

これまでは、提案をしてみても、何の回答もない場合が多かったんですね。それでは活性化されるはずがない。そこで、きちんと答えるシステムにしたわけです。ただ、目的上人事部はあまり前面に出ず、若手の有志を中心としたプロジェクトチームをサポートする形をとっています。

回答するについては、できるだけ期限の決められるものについては、「いつまでに、こういうかたちで取り組みます」といった回答を心がけています。中には、すぐに回答できない内容のものもありますが、それについては「時間をかけて検討していきます」という内容になりますけどね。少なくとも質問を受けた主管の部が、どういう考え方をしているのか、どういう検討の仕方をしていくのか、それは伝えることにしています。

例をあげれば、宣伝については沢山の提案がありました。素朴な意見も多いのですが、それが真意をついていたりするんですね。そういう提案があれば、それを宣伝セクションにもっていきます。宣伝は中で検討して、今までやってこなかった理由とか今後の方向性など、回答できることはするし、やれることは実行に移します。そうした提案に対する賞賛や各主管部からの回答は、社内の公式文書や社内報で社員の皆さんに報告しています。社内が活性化していけば、こういう提案が日常的に出てくるようになるわけで、そういう方向へもっていきたいと思っているんです。

そこに一気にもっていけるような妙案はないと思っているんですね。すぐに効果は表れなくても、地道に繰り返すことによって、狙っていった方向に変わっていくと考えています。すぐに効果がないという意見も途中では出てくるでしょうけど、だからといってコロコロと手段を変えていっても、それこそ効果は期待できません。

制度を変えるといっても、血が通った制度改革にするには、やはり自発的な気持ちを引き出さないと無理なんですね。それには、地道な取り組みこそが必要なんです。

前屋:人事制度改革というのは、制度という「かたち」を変えることではなくて、人そのものを変えていくことが大事なんですね。

柴田:そうですね。人が「変わる」には2つの方法があると、私は考えています。一つは異動によって変わることです。文字通り人がAさんからBさんに、という形で替わるわけですが、配置先が変われば、環境が変わり、人としても成長する機会になりますから、中身も変わるチャンスです。それは絶対に必要なことです。

もう一つは、配置先が変わらなくても自発的な気づきによって、自分の中だけで変わっていくこともできます。とはいえこれは時間がかかって難しいことだと思います。だからこそ、時間をかけてじっくりやっていくことを前提に考えていくことが大事だと思うんです。妙手とか妙案はない。しかも、できるだけ自発的に変わっていけるようにすることが重要です。押しつけがましくやると、反発を招くだけですからね。

前屋:ありがとうございました。

アサヒビール

インタビューを終えて 前屋毅

人事制度改革というと、とかく「かたち」だけをつくって、それを社員に押しつけるものが多かった。「かたち」にこだわるものだから、「新しい」とか「ユニーク」といったことが重視されがちでもあった。そうしたものを未消化のままに「かたち」にするものだから、社員は消化不良を起こすしかなかったのだ。 人事制度改革の目的は、「制度」を変えることではなく、「人」を変えることにある。そこのところを人事制度改革のプランをつくる側が間違うと、いくら大がかりな改革をやっても、時間と労力、そして費用のムダに終わってしまいかねない。 アサヒビールの人事部も、「かたち」にだけこだわったような人事制度改革をやってこなかったわけではない。やった経験があるからこそ、「かたち」だけではいけない、という反省も出てきたのだろう。 そして現在、「人」を変えること、しかも自発的に「変わる」ための人事制度改革を模索し、実行しつつある。人事部には、こうした「長い目でみる視点」こそが必要なのだと思う。
(取材は2006年5月31日、東京・墨田区のアサヒビール本社にて)

まえや・つよし●1954年生まれ。『週刊ポスト』の経済問題メインライターを経て、フリージャーナリストに。企業、経済、政治、社会問題をテーマに、月刊誌、週刊誌、日刊紙などで精力的な執筆を展開している。『全証言 東芝クレーマー事件』『ゴーン革命と日産社員――日本人はダメだったのか?』(いずれも小学館文庫)など著書多数。

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