株式会社リクルートライフスタイル:
成長を促すための風土づくりと、制度の独自運用がライフスタイルの特徴
株式会社リクルートライフスタイル 企画統括室 人事部グループマネジャー
飯田竜一さん
制度の効果を高めるための独自運用が、ライフスタイルの特徴
貴社の制度には、どのようなところに特徴がありますか。
リクルートグループの中でも、独自に運用していることが多いのが特徴です。ここまで説明した制度・施策は、その延長線上にあるものと理解してください。
例えば「ライフスタイリング」。新しい事業を作ることには、リクルートグループ全体で取り組んでいますが、私たちが独自なのは、新しい事業だけではなく、日々の仕事の改善に着目していることです。なぜなら、その中にはいろいろなイノベーションがあるからです。組織が大きくなると、「現場の意見が反映されにくい」という意見がありました。そこで、現場の人たちが仕事の改善に向けて自ら考えたことを提案できる機会も作りだしました。また、それだけでは改善につながらないと考え、研修なども用意し育成機会としても活用しています。
また、日常消費領域に関わる商品・サービスを提供しているという事業内容から、「部活動」のように、社員の興味・関心を非常に大事にしています。例えば、ラーメンが大好きな人が作るラーメンのアプリは気がきいている感じがするでしょう。当社の執行役員には家具に関してもの凄い熱意や知識がある人間もいて、彼はそれが高じて家具サイトを開発しました。興味・関心が、新しい商品やサービスを作りだしているのです。
新しいアイデアやプランは、日常の職場環境では、話しにくいことがあると思います。。そんな時に、自分の部署とは関係のない人に話すと、純粋に「それは面白い」「そんなことを考えていたのか」と驚かれたりします。自分の部署から離れている人だからこそ、素直に話したり、聞くことができたりするのです。異なるチーム同士でキャンプやバーベキューパーティを開催するなど、「興味・関心」という旗の下に、社員が独自で集まってくる意味が生きてきます。
「リクルートライフスタイルアワード」も、その商品・サービスが売れたからといって行っているわけではありません。テーマは新規事業開発、顧客接点などに分かれていますが、いろいろな人がエントリーできるようになっています。また、表彰式にせず、受賞した本人から「なぜできたのか」をブレゼンする場にしています。そうすることによって、「自分もあんな人になってみたい」といった“目標”や“憧れ”が生まれ、成長の機会になるのです。こうした効果も狙って、組織活性化に取り組んでいます。
事業の特性から言っても、組織活性化はライフスタイルでは特に大きなテーマのように感じます。
その点は、とても意識しています。我々の事業はかなり多くの地域をカバーしています。関連会社も含めると、北海道から九州・沖縄まであります。すべての従業員とのコミュニケーションをいかに綿密にできるか、また、我々の情報が行き渡っているのか、相互に信頼し合えるのかということがとても大切です。
私たちの事業は日常の消費領域に関わる商品・サービスを提供すること。ここには、興味・関心から始まるイノベーションが必ずあります。また、私たちが取り引きをしているお客様は旅館・ホテル、飲食店、美容院などですが、その数は何万件にも及びます。そうしたお客様に使われやすいシステムやサービスを作らなくてはなりません。
私たちが強みとしているのは「顧客接点×IT×ブランド」で、これをいかに融合させるかがポイントとなります。各領域で、クライアントおよびユーザーの皆さまと真摯に向き合いユーザー、ニーズに合ったサービスを提供していく。そしてさらにIT技術等を駆使して深掘り、磨き上げていくということを行っています。
例えば、飲食店の場合、業務がとても多いのに人は少ない。調理やサービスの提供のほかにも、清潔さを保つことが必要で、予約の管理やアルバイトの採用や教育も行わなくてはなりません。そこで生まれたのが「Airレジ」という業務支援サービスです。スマホやタブレットにアプリをインストールするだけで、無料で簡単にPOSレジを導入することが可能です。またリクルートライフスタイルが運営するサービスとの連携による、お店の集客面でのサポートや、モバイル決済サービス「Square」(https://squareup.com/jp)や全自動のクラウド会計ソフト「freee(フリー)」(http://www.freee.co.jp)と連携による、お店のコスト削減、業務負荷軽減の面でのサポートも開始しています。今後も随時便利な機能を拡充していく予定です。