“在宅勤務”は転職事情をどう変えるか
「オンライン面接」もごく普通に
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コロナショック後の1次選考はオンライン面接に?
新型コロナウイルス感染症の流行がもたらしたもう一つの大きな変化は、インターネットのビデオ会議システムを使ったコミュニケーション「オンラインミーティング」が一気に普及したことではないだろうか。
社内会議や取引先との打ち合わせだけではない。人材紹介会社の転職相談も、これまでのような個室の専用ブースでの対応が難しくなり、オンライン面談が基本になりつつある。
「自宅からなのでこんな服装で失礼します」
最近は、オンライン面談で相談者からこんなふうに会話を切り出されることも増えた。もちろん、私服で面談に来ることは全く問題ない。
とはいっても、まだ自宅にウェブカメラやマイクなどの必要機材がないという人も少なくない。会社から貸与されているパソコンには、カメラやマイクが内蔵されているかもしれない。しかし、今勤めている会社のパソコンで転職の準備をするのは筋違いだと考える人がほとんどだ。そのため「とりあえず電話相談でお願いします」と言われるケースもある。もちろん、どんな通信手段でもしっかり対応させていただくことに変わりはない。
オンラインで会うという流れは、企業での「採用面接」にも確実に広がっている。今は新型コロナウイルスへの感染を防ぐためにやむなく使っているという企業がほとんどだが、「問題なく使える」という実感を得れば、終息後も有効な採用ツールの一つになっていくはずだ。
例えば、遠方や海外在住の人材にも簡単にアクセスでき、企業の採用範囲が広がる。候補者にとっても、移動時間や交通費の負担がなくなる。在職中で忙しく面接のタイミングが合わない人材も、日程調整が楽になるだろう。採用のスピードアップも期待できる。将来的には「1次面接はオンラインで行います」という企業が当たり前になるかもしれない。
人材紹介会社としては、転職希望者に「オンライン面接」のアドバイスを的確に行う必要がある。
その一例が「背景問題」だ。生活感のある背景より、物がなくすっきりした背景のほうが印象がよい。そうした場所を自宅に用意することが大事になるし、家族がいる場合は面接中に話し声などが入らないような配慮も欠かせない。
要はオンラインミーティングと同じなのだが、転職相談者には在宅勤務やテレワークの経験がない人もいる。若手には自分でできる人が多いが、ベテラン勢にはサポートが必要になることも考えておいた方がよさそうだ。
「アフターコロナ」の転職事情。企業も人材も人材紹介会社も、しっかり想像力を働かせて対応していく必要があるといえるだろう。
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