【生活型、付合い型、独りよがり型、抱え込み型…etc 】
“タイプ別”残業時間削減のテクニックとその進め方
4. 一人ひとりに「ムダを一つひとつあぶり出して潰す」という心構えが必要
長時間残業が有能な社員の証だった時代がありました。以前は、上司より先に帰る部下は職場のマナー違反だとされたこともありました。しかしながら、今はそんな時代ではありません。残業削減は、企業にとっても、また、社員一人ひとりにとっても必ずやり遂げなければならない至上命題なのです。
そもそも生産性向上とは、インプットを下げることとアウトプットを上げることの両方を達成しないと実現できません。製造現場におけるリードタイムの 短縮が至上命題であるのと同様、インプット、いわゆる投入労働時間の短縮なくして生産性の向上などあり得ないのです。「人は減っているのに仕事は増えてい る。にもかかわらず残業を減らせ。それは無理!」ではなく「人は減っているのに仕事は増えている。だからこそムダな働き方をやめる」という方向に社員一人 ひとりの考え方を切り替えていかなければなりません。
そのためには、今までのようなエンドレスな働き方を続けるのではなく、仕事の仕方のムダを省き限られた時間の中で最大の成果を上げるようにならなけ ればなりません。だからこそ、「ムダな残業は一切しない」という決意の下で、ムダな残業をあぶり出し、一つひとつ潰していかなければならないのです。
ひろた・かおる ● 日本能率協会総合研究所 組織・人材戦略研究部 主幹研究員。城西国際大学講師。厚生労働省などから労働時間管理に関するプロジェクトを多数受託・研究。民間企業に対する残業削減、ワーク・ライフ・バランス推進といった研修・コンサルティング・ソリューション提案を行う。主な著書として『経営環境の変化に応じた労働時間管理の進め方』(厚生労働省「労働時間制度改善セミナー」テキスト、全国労働基準関係団体連合会)、『希望者全員の継続雇用義務化!改正高年齢者雇用安定法の解説と企業実務』(日本法令)ほか。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。