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労働市場の未来を予測する~人手不足下で賃金は上昇し、日本経済の高度化が進む

リクルートワークス研究所 研究員/アナリスト 坂本貴志氏

労働市場の未来を予測する~人手不足下で賃金は上昇し、日本経済の高度化が進む

賃金の低迷を問題視する背景に、経済的により豊かな生活を送りたいという人々の願いがあることは確かだろう。それでは、現代日本において、生涯でより多くの収入を得たいと思った時、どうすればいいか。記録的な賃上げが行われた今年の春闘。その結果は統計上にも徐々に表れ始めているが、これをもってしてようやく日本人の賃金が上向いてきたという論調も多い。しかし、実は“賃金”は今年だけではなく、ここ10年ほどしっかりと上昇している。足元で広がっている賃金上昇が経済にとってどのような意味を持つかを考えるなかで、労働市場の未来を予測してみよう。

上昇する“賃金”

厚生労働省「毎月勤労統計調査」によれば、この10年間ほどで“賃金”(=時給)はしっかりと増加している(図表1)。賃金水準は2012年第1四半期に2,140円で底をついた後、じりじりと上昇していき、足元の2023年第2四半期では2,403円まで伸びている。この10年での上昇幅を算出すると増加した金額は247円(2013年第2四半期:2,156円→2023年第2四半期:2,403円)となり、上昇率は+11.4%となる。

時給が上昇しているのは、年収(現金給与総額)が微増にとどまる一方、労働時間が大幅に減ってきたからだ。同じく10年前と直近の数値を比較すると、年収水準は377.9万円から397.2万円へと増加幅は比較的小さいが、年間総実労働時間は1,753時間から1,653時間へと大きく減っている。近年は労働時間の減少と賃金の上昇が並行して進んでいる。

総務省「労働力調査」から性・年齢別の週労働時間を取ったものが図表2である。この図表の2000年から2022年のデータの変化をみても、あらゆる属性区分で労働時間が減少していることがわかる。

特に減少が著しいのが壮年期の男性である。20代男性の週労働時間は46.4時間から38.1時間へと(ただし、これには大学進学率の上昇なども影響している)、30代男性の週労働時間は50.9時間から43.5時間へと減少している。週労働時間が減少しているのは女性や高齢者も同様である。これらの性・年齢層では就業率が急上昇していることから、短時間で働く人が増えた結果としてその平均値が下がっているものとみられる。

図表1 時給、年収、労働時間の推移(四半期ごと)
図表1 時給、年収、労働時間の推移(四半期ごと)

出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」より作成

図表2 週労働時間の変化(2000年から2022年)
図表2 週労働時間の変化(2000年から2022年)

出典:総務省「労働力調査」より作成

短い労働時間でそれなりの報酬を得たい人が増えた

こうした事実について、あくまで近年の時給の増加は労働時間縮減によるものであって、本当の意味での経済の豊かさにはつながっていないという指摘がある。つまり、たとえ時給ベースでの賃金が上がっても労働時間が減れば年収水準は増えないわけで、それでは意味がないという議論である。

はたしてそのような議論は正しいのだろうか。確かに賃金上昇と並行して労働時間が減少した場合、それがGDPの拡大につながりにくいことは事実である。しかし、国家の目標は国の経済を拡大させること自体にあるわけではないだろう。あくまで、日本に住む一人ひとりが豊かな生活を送れることが大切であって、バブル期のように休日もなくがむしゃらに働いて経済を拡大することが必ずしもゴールではない。経済が拡大しないことをもって、ここ10年ほどの賃金上昇が人々の豊かさにはつながっていないという指摘については、やや疑問に感じるのである。

賃金増加という果実を労働時間の縮減に使うか、年収の増加に使うかという意思決定は労働者個々人が行う。ならば、近年の労働時間の縮減と賃金上昇は、あくまで各個人の最適化行動の結果だと考えることが自然なのではないだろうか。つまり、より短い時間でそれなりの報酬を得たいという人が増えたから、現在のような労働時間の減少が先行する形での賃金上昇が起きているのである。

もう一つ、物価が上昇するなかで実質賃金が上昇していないという議論もある。この点に関しては、足元の物価上昇は資源価格の高騰や為替の減価などからの輸入価格上昇という短期的な側面が大きい。現在の労働市場のひっ迫状況も踏まえれば、物価上昇を上回る賃金上昇は遅かれ早かれ実現すると筆者は考える。それがどの程度の規模で実現していくかは今後継続的な課題になるだろう。

賃金上昇が資本代替を引き起こし、人々の生活を豊かにする

さて、物価の動向に関連して、足元で広がっている賃金上昇が日本経済にとってどのような意味を持つかを考えたい。まず、言及しておきたいのは、単に賃金水準のみが上昇し、経済に波及的な効果が及ばない場合には、一国の経済が豊かになることはないということだ。

つまり、賃金が上昇し、それに対応して企業の人件費比率が高まり、その影響に対応するために財やサービスの価格が比例して上昇すれば、名目上は経済が拡大する。また、働く人と働かない人との間の富の配分にも影響を及ぼすと予想される。しかし、それだけではマクロで見たときの実質的な人々の生活の豊かさは変わらないだろう。人々の生活が豊かになるためには、名目賃金の上昇を起点に生産性の上昇が引き起こされることが不可欠である。

ただし、その点に関しても、日本経済には近年変化がみられる。たとえば、飲食業界をみてみると、チェーン店などを中心に客自身がタブレットなどから注文するセルフオーダーがかなり増えた。注文を取るというタスクについて考えると、過去、注文を紙で取る形態からハンディ(ホールスタッフが注文を受ける際に操作する端末)を利用するように変わってきた歴史がある。しかし、ハンディが普及して以降、そのタスクは近年まではほとんど変わっておらず、めぼしい技術革新は起きなかった。それが、ようやくセルフオーダーが普及することで、注文を取るという形のタスクがほぼほぼ自動化する段階にまで到達しようとしている。

小売業界も変化が激しい業界だ。セミセルフレジやセルフレジを採用する店舗は足元で急速に増えている。全国スーパーマーケット協会等が実施している「スーパーマーケット年次統計調査」の報告書によると、2022年のセルフレジの設置率は25.2%(2020年:15.8%)、セミセルフレジの設置率は75.1%(2020年:64.0%)と拡大している。レジ業務に関しても、過去にPOSシステムという大きな技術革新が起きて以降、タスクの改善がほとんど行われていなかった。しかし、レジ業務はここにきて急速に変わりつつあり、将来的にはほとんどの店舗で従業員の介在なしに精算を自動化できるようになるとみられる。

人件費高騰を起点に生産性上昇が進む

こうした企業の取り組みは一見地味に見えるかもしれない。しかし、従業員のタスクベースで考えれば、実はかなり効果が大きい施策であることに気づくことができるはずだ。そして、なぜこのような変化が日本経済において起きているのかは、ここまでの文脈から読者は容易に想像ができるだろう。

企業が省人化・自動化に取り組んでいるのは、当然に従業員の賃金が上昇しているからである。良くも悪くも従業員の人件費は企業にとってコストであることは事実だ。企業とすれば人件費が上昇して初めて、人手に頼ることをやめ、従業員のタスクの資本による代替を進めていくことになる。市場メカニズムを前提とすれば、それは企業活動の必然でもある。その結果として日本経済が高度化し、人による労働に頼ることなく消費者も豊かな生活を送れるようになるのである。

これからの日本経済を展望すると、賃金上昇が牽引する形での生産性向上がどの程度起きるかが決定的に重要になるだろう。これに関して、近年のAI技術の発展やデジタル化の浸透、それによる機械化・自動化による影響を無視することはできない。ソフトウェアのみならず、センサーやハードウェアの技術水準も着実に進歩しており、現場に適用可能な技術は着実に増えている。こうした技術を日本が最先端で開発していくことはもちろんのこと、海外の技術を含めてユーザーとしてうまく利用していくという観点もまた重要である。こうした技術をうまく利用すれば、働く現場は大きく高度化できる段階にきているのである。

リクルートワークス研究所において本年行った未来予測研究のなかでは、労働供給制約社会の到来を予想している。今後の日本経済を展望すれば、少子高齢化による高齢者比率の高まりや、人口減少による日本経済の規模の経済性の喪失といった要素によって、人手不足が恒常化するだろう。そして、こうした危機的な状況下だからこそ、賃金上昇に伴い日本経済は高度化していくのである。深刻な人手不足のもとでのさらなる賃金上昇と日本経済の高度化は、未来の日本経済の浮沈を決める最大の要因になるはずだ。

リクルートワークス研究所

リクルートワークス研究所は、「一人ひとりが生き生きと働ける次世代社会の創造」を使命に掲げる(株)リクルート内の研究機関です。労働市場・組織人事・個人のキャリア・労働政策等について、独自の調査・研究を行っています。
https://www.works-i.com/

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