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イノベーションを生み出すためのジョブ型雇用
多様性の経済合理性について

マーサージャパン

イノベーションを生み出すためのジョブ型雇用

ジョブ型雇用に対する固定観念

ジョブ型について語られるとき、かつて職務に基づく人事制度を導入した際に語られてきた次のような批判を耳にする。「事前に決められた仕事だけを実施し、それ以外の仕事を行わなくなる、狭間に仕事が落ちて非効率になる」「結局のところ仕事をするのは人である。人の能力を最大限に引き出す上で、定められた職務定義はかえって邪魔になる」「お互いに仕事の領域に対して、糊代を出し合いながら連携しないと自社のプロセスは効果的かつ効率的に完結できない」というものである。

先のセリフは、筆者がこの人事コンサルティングを開始した、2000年代初頭によく耳にしてきた言葉である。イノベーションを生み出すためのジョブ型雇用。こう言うと違和感を覚える方も多いのではないだろうか。しかしながら、先に示したコメントは、1980年代から90年代初頭にかけての、米国の失敗と日本の成功を対比する中で固定概念として定着してきたものであると筆者は考えている。

画期的なイノベーションを起こせなかった日本と起こせた米国の違い

1990年代以降、日米におけるビジネスにおける革新力の差は歴然としている。GAFAMを始めとする企業は、イノベーションを生み出し続けた結果、現在のような巨人となっている。例えば、その一角であるAMAZONは、今や、物流・インフラ事業におけるプラットフォーマーとしての地位を築いている。しかし、創業は、書籍のネット販売事業が生業だった会社だ。筆者も洋書を扱う丸善が不要になる存在程度にしかとらえていなかった。しかし、それがなぜ、ここまで変わることができたのか。

それは、米国のマネジメントにおける、かつての“ジョブ型”的な考え方とは違う道を選んだからだろうか。否、そうではない。彼らの人材マネジメントの考え方は進化こそすれ、基本となる考え方には大きな変化はない。彼らは90年代から、どのようにすれば組織は進化し続けられるのか、そのために何が必要であるのかを理論的に体系づけ、実践を通じた試行錯誤を行ってきたからこそ、今日があるのだと筆者は考えている。

特に米国は、人だけを特別視せず、人・モノ・金を経営資源として同列に見て、そのダイナミックな調達・廃棄を行うという、市場原理を突き詰めている。その点については、日本・欧州と比較しても、より純度が高いと言える。ここに、デジタル革命をリードする企業群が主に米国のみから多数輩出されている背景にあるポイントがあるのではないかと筆者は考えている。

「両利きの経営」の原点

「両利きの経営」という言葉は、一度は聞いたことがあると思う。この言葉は、体系的には「両利きの経営;「二兎を追う」戦略が未来を切り開く」(チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン)の翻訳本が2016年に出版されて本格的に広がったものだ。しかし、同書はケースブックの形を取っており、理論上のバックボーンがぼやける形になっている。結果、“両利き”という言葉には「攻め」と「守り」の両立、「既存事業」と「新規事業」の両睨みの経営といった様々な概念で使われることが多い。

“両利き”の本来の意味は、Knowledge Exploration and Exploitation ( 知の探索と知の深化 ) を表したものである。その原点ともいえる論文は、2020年8月現在、25,000件もの引用数を誇るスタンフォード大学のジェームス・G・マーチ氏のExploration and Exploitation in Organization Learning (1991) である。

組織学習を加速させ、イノベーションを起こすための要諦

同論文は、経営的に二兎を追うことの重要性を問うたものではない。知識の探索と知の深化の間は、トレードオフの関係にあると言われているが果たしてそうかと疑問を投げかけ、組織が学習効果を高めるためには、どのような要素が影響を与えているのかという点について、コンピューターシミュレーションモデルを活用して検証をした論文なのである。

結論は、以下のようなものである。組織の学習量が増える条件を以下の三つと結論付けている。

  • 組織メンバーが組織の考えに「早く染まらない」こと
    (グループとして、Heterogeneous(異種混在)を維持する方が、 Homogeneous(均一)であるよりも学習量が増える)
  • 組織の知に「早く染まる人 (Fast Learners) 」と「遅く染まる人 (Slow Learners) 」など多様な人が混在する方がよい
  • 組織メンバーが一定の比率で入れ替わること(一定のTurnoverが生じること。但し、大きすぎるとスコアが下がるとも指摘されている)

(参照:「世界標準の経営理論」(入山章栄))

お気づきだと思う。昨今のメンバーシップ型人事の特徴を見るとき、上記の組織としての学習量が増える条件の全てにおいて適合しないということが。そして、そのデメリットが、先の論文の検証から確認されているのである。

同論文では、このシミュレーションをもって、競争環境によって効果の違いはあるものの、組織学習を増やすためには均一的なメンバーでの知の深化だけでなく、一定の割合で新たな人を混在させ、かつ、そのメンバーの組織への同質化のペースも混在化させることが望ましい、と指摘しているのである。

ジョセフ・シュンペーター、イノベーションを起こす起点を「新しい知とは、常に既存の知と別の既存の知の新しい組み合わせで生まれる」という「新結合」と定義している。この概念と合わせて考えてみれば、組織における学習効果を最大化するための理論的なバックボーンは、更に真摯に受け止めるべきであろう。

Society 5.0創造社会に向け、日本企業にこそ必要となるジョブ型雇用

多様性(Diversity & Inclusion)という言葉が、企業で注目されていたとき、日本では、どちらかというと社会的責任としての女性活用、高齢者活用などの議論を行っていたように思う。しかしながら、上記の論文をベースに考えるのであれば、多様性は、組織学習を強化するための取り組みであるべきだったのではないだろうか。世界で成功を収めている企業は、その点に着目して組織の改革を進めていたと筆者は考えている。

経団連が発表したSociety5.0では、次なる社会を「創造社会」と位置付けている。次なる時代では、創造力の競争をせざるを得ないと結論付けているのである。ジョブ型雇用は、こうした変化に対して、メンバーシップ型雇用と比較して優位に立っていることに、皆様も気づかれるであろう。

個社に合わせた解があることは、言うまでもない。しかしながら、現在、広く継続されている新卒一括採用、終身雇用をベースとしたメンバーシップ型雇用が、果たして自社の永続的な発展に寄与するのか、改めて考えてみてはいかがであろうか。

【参考文献】
『両利きの経営 「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く』(チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン、入山章栄(監訳・解説)、冨山和彦(解説)、渡部典子(訳))
『世界標準の経営理論』(入山章栄)
Exploration and Exploitation in Organization Learning(James G, March 1991)

(執筆者)
中村 健一郎 (なかむら けんいちろう)
組織・人事変革コンサルティング シニア プリンシパル

マーサージャパン株式会社

組織・人事、福利厚生、年金、資産運用分野でサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファーム。全世界約25,000名のスタッフが130ヵ国以上にわたるクライアント企業に対し総合的なソリューションを展開している。
https://www.mercer.co.jp/

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