企業における女性活躍支援の最新実態
女性管理職比率は平均4.9%、数値目標を設定している企業は19.8%
5 両立支援に向けた取り組み
過去3年間における育児休業取得率、育休からの復職率[図表22]女性社員の育児休業取得率は98%、このうち育児休業からの復職率も95%と大多数
過去3年間における育児休業取得率は、女性社員では98.0%、このうち育児休業からの復職率も95.0%と、100%に肉薄した数値となっている。
一方で、近年注目を集めている男性社員の育児休業取得率は3.8%にとどまっている。
両立支援策の導入状況[図表23、事例7〜8]「所定外労働(残業・休日労働)を免除する制度」79%、「配偶者出産時の男性の休暇制度」77%
仕事と育児の両立支援策の導入状況と利用実績を聞いたところ、「導入している」では、「所定外労働(残業・休日労働)を免除する制度」79.3%、「配偶者が出産するときの男性の休暇制度」77.2%、「育児のための短時間勤務制度(法定の期間を超えている制度)」72.8%が多い。しかし、「所定外労働(残業・休日労働)を免除する制度」の「利用実績あり」は64.6%など、制度として導入していても利用実績が少ない――という取り組みも散見される。一方、今後導入予定の施策では「在宅勤務制度」が10.7%と他の施策を大きく上回っている。なお、育児休業や育児短時間勤務について、法定の期間以上で設定している場合の具体的な設定期間は[事例7〜8](省略)のとおり。
6 女性社員の活躍を促す風土の醸成に向けた取り組み
女性の活躍・活用方針の明確化と女性活躍を推進する風土醸成に向けた取り組み[図表24〜25、事例9]方針を「明確にしている」34%、「今後明確にする予定」24%と、合わせて半数を上回る
女性の活躍・活用方針について、会社としての取り組み姿勢を明確にしているかを聞いたところ[図表24]、「明確にしている」34.3%、「今後明確にする予定」23.7%を合わせると過半数となり、「明確にする予定はない」40.6%を上回った。
また、女性活躍を推進する風土醸成に向け「現在取り組んでいる」企業は35.7%に上り、「今後取り組む予定」は32.9%と、合わせて68.6%と3社に2社が取り組みに前向きであることが分かる[図表25]。女性活躍を推進する風土醸成に向けた取り組みの内容は[事例9](省略)のとおり。
女性社員の活躍を促すための措置・取り組み[図表26~27]「セクハラやいじめの防止、迅速・厳正な対応の取り組み」80%、「雇用管理(処遇や環境)で差別をなくす取り組み」59%
女性社員の活躍を促すための措置・取り組みとして、現在取り組んでいる施策は[図表26]、「セクハラやいじめの防止、迅速・厳正な対応の取り組み」80.2%、「雇用管理(処遇や環境)で差別をなくす取り組み」58.5%が高い。
こうした措置・取り組みを始めた理由・狙い(三つまでの複数回答)については[図表27]、「男女の能力に差はないと考えるため」が58.2%と最も多く、以下「男女とも職務遂行能力によって評価されるという意識を高めるため」44.0%、「女性の感性・経験を活かし事業を活性化するため」39.1%と続いている。
長時間労働を防止する取り組み[図表28]「長時間労働が多い部署の管理職に対する警告・指導」69%、 「ノー残業デーの設定」60%、「長時間労働を行った者に対する面談」58%
日本企業で女性の活躍が進みにくい原因の一つとして、長時間労働が横行する企業風土、職場の雰囲気を指摘する声も多い。ここでは、長時間労働を防止する職場の雰囲気づくりの取り組み状況を男性社員に対する取り組みも含め聞いたところ(複数回答)、「長時間労働が多い部署の管理職に対する警告・指導」が69.1%と最も多く、以下「ノー残業デーの設定」60.4%、「長時間労働を行った者に対する面談」57.5%と続いている。
女性活躍を推進する風土醸成の問題点[図表29、事例10]「活躍を望む女性社員が少ない」49%、「育児等、家庭負担に配慮が必要」42%、 「管理職の理解・関心が薄い」32%の順
女性活躍を推進する風土を醸成するに当たっての問題点としては(複数回答)、「活躍を望む女性社員が少ない」49.3%、「育児等、家庭負担に配慮が必要」42.0%、「管理職の理解・関心が薄い」31.9%が多く挙げられている。
また、女性活躍推進に当たっての課題や問題点、今後の予定の内容を聞いたところ、[事例10](省略)のような課題認識や予定が挙げられた。
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