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【“うっかり5年超え”に注意が必要!】無期転換ルールに対応した「定年退職日」と「再雇用終了日」の定め方

特定社会保険労務士

鳥井 玲子

2. 労働契約法・有期雇用特別措置法と定年後再雇用制度の関係

上述の通り、定年制を設けるとともに、定年後は嘱託などの有期雇用に就労形態を変更して再雇用する制度を設けている企業が最も多いというのが実態です。

労働契約法・有期雇用特別措置法と定年後再雇用制度の関係

労働契約法18条では、同一の使用者との間で、期間の定めのある労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合には、有期雇用労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約へと転換しなければならない(以下、「無期転換ルール」という)と規定されています。これにより、定年後の再雇用であっても、有期雇用労働者が5年を超えて継続雇用されれば、無期転換申込権を行使される可能性が出てきます。

このように、定年まで期間の定めのない契約で就労していた労働者が、定年後再雇用の際には有期雇用契約によることとなったにもかかわらず、また無期雇用に戻る場合があり得る、ということについては、企業や有識者等から疑問視する声があり、本年4月から施行される有期雇用特別措置法で、「定年後有期契約で継続雇用される高齢者」については、無期転換申込権を発生させないとする特例が設けられました。

具体的には、厚生労働大臣の認定を受けることにより、定年後に有期契約で継続雇用されている高齢者については、当該継続雇用されている期間については、無期転換申込権を発生させないこととされました。

【図表3】一律定年制を定めている企業における勤務延長制度、再雇用制度の有無別企業割合(単位:%)
一律定年制
を定めて
いる企業(注3)
  制度が
ない
企業
(再掲)制度がある
制度が
ある
企業
勤務延長制度
のみ
再雇用制度
のみ
両制度
併用
勤務延長
制度(両
制度併用
を含む)
再雇用制
度(両制
度併用を
含む)
平成26年 [98.9] 100.0 94.0 10.2 72.1 11.8 6.0 22.0 83.8
25 [98.4] 100.0 92.9 9.0 73.9 10.0 7.1 19.0 83.9
24 [98.8] 100.0 92.1 11.4 71.6 9.1 7.9 20.5 80.7
23 [98.9] 100.0 93.2 9.3 73.2 10.7 6.8 20.0 83.9
22 [98.7] 100.0 91.3 11.5 68.5 11.3 8.7 22.8 79.8

(注3)[ ]内の数値は、定年制を定めている企業のうち、一律定年制を定めている企業割合である。
資料出所:「平成26年度就労条件総合調査」

【図表4】最高雇用年齢の有無、最高雇用年齢階級別企業割合(単位:%)
定年後の制度、
年・企業規模
 
一律定年制で
定年後の制度
がある企業(注4)
最高雇用
年齢を定めて
いる企業(注5・6)
  最高雇用
年齢を定めて
いない企業
65歳 66歳
以上
(再掲)
65歳
以上
再雇用制度
(注7)
平成26年
[83.8] 100.0 82.5 (100.0) (93.2) (6.8) (100.0) 17.5
25 [83.9] 100.0 82.7 (100.0) (90.6) (5.7) (96.3) 17.3
24 [80.7] 100.0 80.3 (100.0) (88.3) (5.2) (93.6) 19.7
23 [83.9] 100.0 79.0 (100.0) (87.4) (5.0) (92.4) 21.0
22 [79.8] 100.0 77.1 (100.0) (87.8) (4.0) (91.8) 22.9

(注4)[ ]内の数値は、一律定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度または再雇用制度がある(両制度併用を含む。)企業割合である。
(注5)「最高雇用年齢を定めている企業」の平成22年~25年には、「63歳」または「64歳」を最高雇用年齢とする企業を含む。
(注6)( )内の数値は、「最高雇用年齢を定めている企業」を100とした割合である。
(注7)「再雇用制度」には「両制度併用」を含む
資料出所:「平成26年度就労条件総合調査」

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