人事評価制度の最新実態
~制度の改定や評価関連施策の実施状況、処遇への反映~
人事評価諸施策の実施状況
諸施策の実施状況
「目標管理による達成度判定を反映した評価体系」が9割近くで最多
近年の人事評価制度改定事例などから人事評価をめぐる動きとして注目される施策、また以前から多くの企業で実施されている施策を10項目(管理職は8項目)ピックアップして、実施の有無および今後の実施予定を尋ねました。
最も実施率が高かったのは、「(1)目標管理による達成度判定を反映した評価体系」で、一般社員86.2%、管理職89.8%となっています。なお、前回調査では、一般社員79.2%、管理職85.1%で、今回のWEBアンケートのほうが高い実施率となっています。
また、「(2)成果につながる行動や業務遂行プロセスに着眼した評価要素・項目の設定」も一般社員83.1%、管理職77.2%と多くの企業で導入されています。上記(1)のように目標達成度をはじめとする成果や業績に対する評価を補完する要素として、行動やプロセスを評価する仕組みを取り入れていると推測されます。また、「(3)被評価者(評価される側)自身による自己評価」も実施割合が高くなっています(一般社員78.0%、管理職78.3%)。これも目標達成度の自己判定という形で(1)と併用されているケースが多いものとみられます。さらに、「(4)『発揮された能力』や『コンピテンシー』の視点に基づく評価要素・項目の設定」が、一般社員72.0%、管理職68.9%と高い実施率を示しています。この背景としては、職能資格制度の見直しによる発揮能力や成果に結びつく能力への視点・基準のシフトがあるものと推測されます。
一方、「(8)部署やチーム単位の業績・成果を各人の評価に反映する取り組み」や、「(9)被評価者(評価される側)を対象とした評価制度研修」「(10)上司のほか、同僚や部下が評価する多面評価(360度評価)」などは実施率が3割を割り込んでおり、導入が進んでいないことが分かります。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。