人事考課規程の目的に関して
人事考課規程を作成しているのですが、検索すると出てくるようなテンプレートが弊社の実態と合致しておらず困っております。
従来の人事制度では、等級・報酬・評価制度を連動させよというのがスタンダードだと思います。
弊社ではNoratingの考え方で、評価と報酬を切り分けて運用しています。
評価は被評価者の成長促進のためだけに利用します。
報酬に関しては、事業成長に伴って全体の給与水準をあげる(特に周囲への良い影響を与えた人には若干の傾斜はつけます)形で進めています。
こうなるとテンプレート全否定の内容になってしまうので、そもそも人事考課規程を作成する目的がわからなくなってしまいました。
よろしければアドバイスいただければ嬉しいです。
投稿日:2018/10/26 17:26 ID:QA-0080045
- みとさん
- 東京都/情報サービス・インターネット関連(企業規模 11~30人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「評価は人事制度の司令塔」と言っても過言ではない
▼ 企業という組織体の成長発展は、従業員の能力の「レベル」及び「発揮度」に大きく依存します。人事考課はその中心的役割を果たすコア・システムとだ言うことは、古今東西問わぬ社会通念ですね。
▼ 「NO RATING」の意味は分かりませんが、「評価は被評価者の成長促進のためだけのもの」という考えには全く同意できませんね。「評価は人事制度の司令塔」と言っても過言ではありません。
▼ 存在する、多くのテンプレートは、夫々、変遷する労働社会への目配りし、多年に亘る試行錯誤の具体的結果であって、若干のスタンス差異はあっても、傾聴に値するものです。
▼ 「検索テンプレートが御社実態と合致しない」というのは、御社の人事考課に対する見方、位置付けが誤っているためで、その点を根本的に変えない限り、問題は解決せず、疎外されたままになりますね。
投稿日:2018/10/27 11:19 ID:QA-0080051
相談者より
>▼ 企業という組織体の成長発展は、従業員の能力の「レベル」及び「発揮度」に大きく依存します。人事考課はその中心的役割を果たすコア・システムとだ言うことは、古今東西問わぬ社会通念ですね。
能力レベルとその発揮度が大きく影響するのはその通りだと思いますが、人事考課がその中心であるというのは反対です。これは人は評価のために能力を発揮するという古い考えです。
>▼ 「NO RATING」の意味は分かりませんが、「評価は被評価者の成長促進のためだけのもの」という考えには全く同意できませんね。「評価は人事制度の司令塔」と言っても過言ではありません。
No RatingはGEやマイクロソフトなど、昨今のグローバルスタンダードです。
従来の評価制度のように、パフォーマンスを点数化・ランクづけすることは悪影響しかないという研究結果が明らかになったため、評価の点数やランクを直接報酬に反映することを否定するのが当たり前になってきています。
>▼ 存在する、多くのテンプレートは、夫々、変遷する労働社会への目配りし、多年に亘る試行錯誤の具体的結果であって、若干のスタンス差異はあっても、傾聴に値するものです。
はい、歴史に学ぶことについては異論がありません。
私も何度か役割等級・職務等級をベースに人事制度を作ってきた経験があり、雇用調整を見据えて総額人件費のコントロールという名目では検討する価値はあると思っております。
ただ、昨今の市場環境のなかでは総額人件費コントロールという指標に意味をなさず、また年功序列、MBO、コンピテンシーなど思想を正しく理解して運用しなかったため失敗に終わりました。
バブル崩壊やリーマンショック後のリストラを繰り返さないために我々プロの人事は人のパフォーマンスを引き出すことに尽力し続けなくてはなりません。
>▼ 「検索テンプレートが御社実態と合致しない」というのは、御社の人事考課に対する見方、位置付けが誤っているためで、その点を根本的に変えない限り、問題は解決せず、疎外されたままになりますね。
そもそも人が正しく人を評価できないという前提に立つのが昨今のグローバルスタンダードであり、従来の人事考課や規程を経験した上で今に至っておりますのでご指摘の点は的を得ていないと感じました。
投稿日:2018/10/29 10:08 ID:QA-0080067あまり参考にならなかった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、何事もまず目的が明確になってこそ取り掛かる事が出来るものといえるはずです。文面を拝見する限り、人事考課規程を作成する目的が分からなくなっているというのは、本来手段であるに過ぎないテンプレートに使用に重きを置いているからに他なりません。
御社の場合ですと、作成の目的は「被評価者の成長促進のためだけに利用」と明確になっていますので、これをまず不動のベースとされることが必要です。その上で、見かけたテンプレートがそうした目的に上手く合致しないという事であれば、そうしたツールは用いないで作成されることが必要といえます。
その上で規程作成にお困りのようでしたら、御社の業態や業務の詳細を踏まえて作成することが求められますので、お近くの人事労務管理に精通した社労士等の専門家にご相談される事をお勧めいたします。
投稿日:2018/10/27 22:43 ID:QA-0080055
相談者より
ありがとうございます!
おっしゃる通り、目的がブレていると思いました。
弊社で取り組んでいる組織づくりと外部に公開した時の納得感にギャップがあり、後者のためにテンプレートを尊重しすぎておりました。
そもそもの組織コンセプトをベースに合致する規程を作ってみたいと思います。
投稿日:2018/10/29 09:54 ID:QA-0080066大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ノーレーティング
ノーレーティングと人事考課は基本的に反対の考え方かと思います。ゆえにノーレートなのに人事考課を作る意味がないのではないでしょうか。
尚、ノーレーティングと報酬で差をつけることは矛盾しないので、全体給与水準を上げることとノーレートは別の考え方だと思います。
投稿日:2018/10/29 09:21 ID:QA-0080063
相談者より
ありがとうございます。
おっしゃる通り、レーティングをしないということと考課の基準を決めるというところが相反するので悩んでおりました。
諸事情により規程は作らねばならず、受け入れらえるかどうかはさておき、一旦はコンセプト通りに作成してみようと思います。
レーティングはせずとも成果の可視化とフィードバックはパフォーマンス開発で必須であると思いますので、頑張って明示してみます。
投稿日:2018/10/29 11:47 ID:QA-0080074参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
昇進の選考はどうされますか?
評価は社員個々の育成促進のためとのことですが、リーダーシップ向上も評価の一部に組み込まれているとの理解でよろしいでしょうか。
No Ratingになると、「これまで成績が良かったから管理職にあげよう」といった単純な仕組みではなく、管理職としての適性評価はもちろん、本人のキャリア志向の確認と育成システムも極めて重要になると思われます。
既に何らかの仕組みを取られていることとは存じますが、昇進の根拠(選考プロセス)が不透明ですと、社員から不公平感が生まれやすく、また適性の低い管理職がでてくるリスクも高くなります。
そこで、マネジャーの階層ごとに求められる要件(今では少し古めかしくなりましたがコンピテンシー等)を設計し、かつその測定方法・評価方法を構築するケースが一般的ですが、特にコンピテンシーは行動面が中心となるため、同じコンピテンシー項目の評価結果が、環境(条件)や評価手法によって異なる場合があります。
私の経験では、外部アセスメントと360度で、同じコンピテンシーの評価結果が真逆というケースがいくつもありました。
こうした場合、異なる結果をどう解釈して判断するかを明確にしておくことが重要です。求める要件によって判断の仕方が異なる場合がありますので、この点もご留意ください。
昇進によって給与が変わるのであれば、昇進の評価は社員としては人事考課と類似したものと思われたりもしますので、老婆心ながらお伝えさせていただきました。
それにしても、No Ratingを導入されているのは、いわゆる「人事権」が現場のマネジャーに移管されているアメリカの企業だけのことかと思っていました。
御社のような企業が国内に既にあることがわかり、大変勉強になりました。ぜひ効果的に運用されますことを心より願っております。
投稿日:2018/10/29 14:16 ID:QA-0080080
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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