出向者の時間外手当算定基礎賃金について
弊社(甲)は、出向先(乙)への出向者に対して、甲乙間の出向協定において賃金、時間外手当等については出向元である弊社(甲)が甲の基準にもとづいて支給し、所定の負担割合で出向先(乙)に請求することになっています。
そうしたなか、来月から出向先(乙)が手当を新設し、乙の社員だけでなく弊社からの出向者にも支給することとなりました。この手当は乙の就業規則にて乙の社員の時間外手当の算定基礎賃金に織り込まれます。
そこで質問ですが、出向者に支払う時間外手当は、あくまで協定書で弊社(甲)基準としていますので、出向先(乙)が支給する手当は算定基礎賃金には含めなくても労働基準法上の問題はないでしょうか?
ご教示をよろしくお願いします。
投稿日:2016/09/06 11:20 ID:QA-0067333
- イナッチさん
- 香川県/電気・ガス・水道・エネルギー(企業規模 5001~10000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
出向先賃金制度の変動の影響を受けることはない
▼ 出向元である御社と出向先間の出向契約において、「賃金、時間外手当等については、出向元である弊社(甲)が甲の基準にもとづいて支給し、所定の負担割合で出向先(乙)に請求する」と明記されています。
▼ この条項が有効である限り、出向先における賃金(当然、問題の新設手当を含む)制度の変動の影響を受けることはなく、従い、労働基準法上の問題も生じることもありません。尤も、手当新設により、「所定の負担割合」の見直しが必要かも知れませんが、それは、ご質問とは別の問題です。
投稿日:2016/09/06 13:34 ID:QA-0067336
相談者より
回答、大変参考になりました。
時間外手当の算定基礎賃金は、甲(出向元)基準とする以上、乙の手当の影響は受けないという整理ですっきりしました。
仮に、乙の手当を反映するとなると、毎月、乙の支給額を確認する必要があり、実務上の手間がかかる心配をしていましたが、安心しました。
投稿日:2016/09/06 15:39 ID:QA-0067347大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
ご質問の件は、出向協定で、
「賃金、時間外手当等については出向元である弊社(甲)が甲の基準にもとづいて支給し、」となっているにもかかわらず、乙の新設した手当を支給するということが矛盾していますので、間違っています。
乙とよく話し合ってください。
仮に、乙の新設手当を支給するのであれば、時間外手当だけ甲基準ということも矛盾しますので、労基法違反とならぬよう、当然に算定基礎に含める必要があります。
投稿日:2016/09/06 14:29 ID:QA-0067345
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