育児休業 復職後の業務遂行が困難な社員の処遇
お世話になります。
育児休業からの復職後の処遇に関するご質問です。
第2子を出産し、この4月に育児休業から復職した社員がおります。規定にのっとり、休職前の業務に復職しましたが、お子さんや本人の体調不良等で、まともに勤務できたのは半分以下です。
担当している業務は、基本的に担当者が一人しかいない業務です。現在は、産休代替要員として来ていただいている派遣社員さんとの引き継ぎを行っており、業務に支障は出ていませんが、来月の派遣社員さんの契約終了後はかなり不安が残ります。上長は「できるだけ自分がカバーして一緒に乗り切りたい」とは、言ってくれているものの、「とはいっても、できることにも限界はある、どうしてもカバーしきれない場合、どのような選択肢があるか」との問い合わせがありました。
再度、サポートの派遣社員を採用することは、予算上もできません。となると、他に受け入れ可能な部署がないかを探し、異動を検討することとなろうかと思いますが、当該社員に限っては、受け入れてくる部門がない可能性があります。
弊社は、外資系企業で、「業務をきちんと遂行し、業績をあげている」限りにおいては、制度上は比較的柔軟な対応をとっています。ほぼ全員が中途採用で、職務別の採用を行っており、部門間の異動はあまりありません。
規模の小さい会社ながら、育児休業を取得する社員が毎年おり、休職後は、だいたい元の業務に復帰し、部門内の協力を得ながら、懸命に努力して育児と仕事を両立させている社員が多いです。
ただし当該社員は、これまでの他の社員への接し方や、業務態度から、第1子の育児休業の復職時に、元の部門に受け入れを拒まれ、急きょ空きがあった現在の部署へ配置した経緯があります。当時そのことは本人に説明されておらず、本人は、単に急な退職者が出たための配置換えと認識していたようです。復職後の勤務状況はあまりよくなく、時短や子の看護休暇を取得する際の、また急な休みや早退の際の態度が、しわ寄せを受けた他部署の社員からかなり不興を買ったようで、受け入れ先を探すとなった場合に、受け入れてくれる部門がない可能性があります。
当該社員に対し、過去にきちんと業務指導を行ってこなかったことが、非常に悔やまれます。現在、上長に業務指導をきちんと行い、その記録を残すよう依頼していますが、復職直後に勤務状況について云々することもはばかられるようです(現在問題となっているのは、出勤状況のみです)
復職後間もないことでもあり、しばらく様子を見たいとは思いますが、このような現状において、
① 当該社員の出勤状況が継続して良くなく、担当部の業務遂行が困難となった場合の対応策
② さらに、配置換えを検討し、もし引き受けてくれる部門がなかった場合の対応策
③ このケースの対応において注意する点
についてご教示いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2014/04/30 18:23 ID:QA-0058697
- WトリプルAさん
- 東京都/保険(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
まず注意すべき点ですが、「(第1子育児休業からの)復職後の勤務状況はあまりよくなく、時短や子の看護休暇を取得する際の‥」とございますが、子の看護休暇は法律で認められた休暇ですし、時短についても恐らくは御社就業規則で定められている制度の利用と思われます。こうした休暇や時短を取る事自体を問題視するのはコンプライアンス上不適切ですし、逆に当該社員から会社側に問題がある等と批判される格好の材料となりますので、そこはしっかり認めておかなければなりません。あくまで問題視すべきは、欠勤・遅刻・早退といった事柄や業務上の不始末に限られますので、その辺の区別を明確にされることが重要です。
そうした前提の上で、ご質問にお答えいたしますと、
①:先にも触れました制度として補償されている休暇・時短等の取得ではなく、単に欠勤・遅刻・早退が継続して多いという事でしたら、恐らくは出勤不良等で就業規則上の解雇事由にも該当しているものと思われます。そのような場合ですと、会社は慈善事業ではございませんので、特別な事情でもない限り出勤状況の改善を求める事は当然必要といえます。その上で尚改善がなされないようであれば、最悪解雇を検討される他ないでしょう。このような場合ですと、法律で禁止されている育児休業理由の解雇には該当しないですし、所定の労働日・労働時間をきちんと守る事は労働契約上の義務ですので、育児休業後だからという事情のみで遠慮される必要はないものといえます。
②:過去の経緯からも、問題の性質上からも、配置換えで解決する事柄ではないものといえます。勿論、当人の適性に合った部署へ配置換えされるのであれば大いに歓迎すべき措置ですが、文面内容からは単に問題のある社員の受け入れ先を探しているだけといった感が否めません。そうであれば、いきなりの解雇を避ける上での配慮措置として位置づけられるべきですし、受け入れ先が無く勤務状況の改善も無ければ①で示した通り解雇を検討されるべきといえるでしょう。
③:冒頭で示した点が最重要です。あとはトラブル発生の場合に備えて、改善指導等をされる場合にはきちんと文書で記録を残される事が不可欠といえます。
投稿日:2014/04/30 20:35 ID:QA-0058699
相談者より
ご回答ありがとうございました。
「会社が時短や子の看護休暇の利用を問題視している」と受け取られないよう、細心の注意を払っていきます。
その上で、若干補足と追加のご質問です。
当該社員には、時短も子の看護休暇も規定どおり取得してもらっていますが、現状その社員の担当している業務を行っている人は、ほかにいない状況です。その社員が休んでしまうとかなり業務に影響がでるので、同じ業務を行う人が複数人いる部署に配置するほうが、業務への影響が少ないと思われるため検討している次第です。
ですが、本人が移動を受け入れるかも定かでなく、また、受け入れ部署があるかも定かでないといった状況です。
この場合、たとえ業務に支障が出ても、現状の部門で勤務を続けさせるほかないのでしょうか。
ちなみに、ここ半月の当該社員の出勤状況は、何度か早退があった以外は、基本的に就業規則で認められている時短や休暇を取得しているのみです。勤怠を理由に解雇を検討できる状況ではないと思っております。(ご参考までに、過去5年間に育児休業を取得した社員の復職月、およびその翌月の出勤状況を確認したところ、営業日に対し、時短で定めた時間まで通常勤務をした日数の割合は平均90.2%だったのに対し、当該社員は40%でした。
投稿日:2014/05/03 00:33 ID:QA-0058758参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
①について
育児休業規定が法律以上のものとなていれば、短時間勤務等会社のルールを鑑みて
対応してください。規定を超えるものについては通常社員と同じ目線で扱うことです。
出勤状況がよくないということについても、実態と規定に則り、勤怠不良とするのか、
判断してください。業務に支障をきたすようであれば、具体的な状況にもよりますが、
退職勧奨等も視野に入れる必要があります。
②について
配置転換を検討することで、会社としても解雇等回避措置をとっていますので、
受け入れ先が見つからないからということで、新たに仕事をつくることまで考える必要は
ありません。
③について
会社としてもある程度の配慮が必要ですがそれは、会社の育児休業規定を参照してください。
勤怠等については、他の社員と同じ扱いとなりますが、会社にも健康保険義務がありますので、医師の診断書を提出してもらったり、本人にヒアリングし、必要に応じ、指導・注意も必要です。
時短や看護休暇について、急な申し出で他の社員にしわよせがないよう、一定の運用ルール
を検討・周知することも必要です。一方で会社のルールを守っているのであれば、他の社員の
理解・協力も必要となりますので、社員教育も必要です。
投稿日:2014/05/01 12:23 ID:QA-0058712
相談者より
ご回答ありがとうございました。大変参考になりました。
育児休業規定は法律のとおりですが、有給休暇や傷病休暇が法律より厚くなっています。そのため、来月以降は、規定の休暇を取得しているだけでも、単独で業務を担当しているため、おそらく業務に支障がでます。が、退職勧奨を適用するほどの勤怠不良とは言いがたいように思われます。
状況に応じて、診断書の提出やヒアリングを行って、指導・注意を行うというのは、ぜひ検討します。
追加でご質問ですが、「時短や看護休暇について、急な申し出で他の社員にしわよせがないよう、一定の運用ルールを検討・周知する」ことは、ぜひ検討したいです。ちなみに、子の看護休暇の運用ルールですが、「休むときは、速やかに上司に連絡し、影響が出そうな業務について伝え、指示を仰ぐ:」といったことしか思いつかないのですが、ほかにできそうなことがあればご教示いただけますと幸いです。
投稿日:2014/05/03 00:46 ID:QA-0058759大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして誠に感謝しております。
「本人が移動を受け入れるかも定かでなく、また、受け入れ部署があるかも定かでないといった状況です。
この場合、たとえ業務に支障が出ても、現状の部門で勤務を続けさせるほかないのでしょうか。」
― 当該社員しか現状部門で業務遂行できる社員がいないという事でしたら、現実問題としまして勤務を続けさせる他ないものといえるでしょう。
ちなみにそのような状況が事実としますと、彼女一人に頼るのみで代替出来る社員教育を行ってこなかった事、さらには他部署で受け入れ困難となるような状況を生み出した会社の社員指導・育成方法に根本的な問題があるように感じます。今後同じような問題が他部署でも起こる可能性がございますので、単に一育児社員の問題と捉えず、人材配置と教育管理の問題としまして検討される事が重要といえます。
また、最初のご説明では、「まともに勤務出来たのは半分以下」事で大変な勤務不良状態とお見受けしましたが、その一方で実際には法定休暇や制度上の時短利用が殆どで解雇出来るような事情ではないとも示されています。恐らくは後者が正しい現状だったと思われますが、そうであればやはりそうした事でペナルティを科す等という事は出来ないですし、まずは会社事情と当人のどちらに問題があるのかをしっかりと分析される事が担当者として不可欠といえます。
いずれにしましても、相当に込み入ったご相談内容ですので、出来れば過去の経緯を含めまして詳細事情を知りえた上でのアドバイスを受けられるべきです。出来ればお近くの社労士等の専門家に詳しい経緯を直接面前で説明された上で意見を求める等、慎重に対応を図られる事をお勧めいたします。
投稿日:2014/05/03 01:52 ID:QA-0058760
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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