減給の方法について
いつも大変参考にさせていただいております。
減給の方法についてです。
減給の制限として平均賃金1日分の半額、総額で給与の10分の1というのは認識しておりますが、下記の方法は問題ありますでしょうか。
①ある一定期間(3~6ヶ月)降格とし、基本給を下げる
②歩合の支給条件に『架空売上、顧客からのクレーム、その他会社が不適切と判断した場合は不支給とする』という条文を入れる
また、話はずれますが、企業で不祥事があった場合に役員の給与が○%カットというように報道されていますが、あれはどういった理屈で下げているのでしょうか(減給の制限を越える額をカットしていることも多いように感じます)
以上、どうぞ宜しくお願い致します。
投稿日:2010/08/03 10:42 ID:QA-0022102
- *****さん
- 東京都/美容・理容(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
減給処分と降給
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
通常制裁・処分としての「減給」と給与制度上行う「降給」(給与額の年次改定の一環)とは異なります。
注目されている労働基準法の規定は、もちろん前者・減給処分に関する制限です。
そこで①ですが、このように期間を区切ってしまうと、人事上の降格というよりは「処分」としての性格が強くなりますので、やはり基準法の制限範囲で行うのだ適切と思われます。
次に②ですが、これは貴社で独自に設定されている歩合給の運用ルールですので、問題ないでしょう。
なお、役員・取締役の「報酬カット」についてですが、これは役員報酬の問題であって、雇用契約の社員の給与とはまったく性質が異なる別問題です。
役員は通常委任契約であって、会社との契約は対等ですので、その報酬をどう扱おうが、互いの合意の問題です。
ただ、労働法とは別に、法人税法上の制限(※定期同額報酬等)はあります。
ご参考まで。
投稿日:2010/08/03 11:12 ID:QA-0022103
相談者より
投稿日:2010/08/03 11:12 ID:QA-0040830大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
運用について
①ある一定期間(3~6ヶ月)降格とし、基本給を下げる
問題無いでしょう。ただし上記に記載していただいた減額枠内である必要があります。
②歩合の支給条件に『架空売上、顧客からのクレーム、その他会社が不適切と判断した場合は不支給
こちらも書くのは自由と思いますが、
『架空請求』はそもそも詐欺の可能性がありますので、そうであれば犯罪です。
『クレーム』これも何を持ってそう判断するかで、勝手な言いがかり、ゆすりたかりも含めるのかという実際の運用上、非常に判断が難しいケースが極めて多いと予想いたします。
『その他会社が不適切と判断した場合』結局ここに行きつくかと思われます。何が不適切かはその都度判断しなければならないことも多くありますので、例をすべて盛ることは難しいかと感じます。
投稿日:2010/08/03 13:02 ID:QA-0022111
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
一定期間の降格
格付けは能力に対して行なわれています。数か月降格するというのは理屈に合わないです。能力が下がったのであれば、戻すのにもっと期間がかかるはずというのが職能資格制度の考え方でしょう。
>期間を定めずに『今後の仕事情況を勘案して課長職への見直しを行う場合がある』といった文言
とくに問題ないと考えます。
降格されても昇格する可能性は否定できないです。
投稿日:2010/08/03 19:18 ID:QA-0022125
プロフェッショナルからの回答
減給処分と降給>Re:運用について
ご返信、ありがとうございます。
通常の降格(=降職)であれば、何の問題もありません。
もっとも、その運用、及び降職に伴う給与・処遇水準の変更(低下)については、ルールを就業規則に定めておく必要があります。
なお、そのように通常の役職運用ルールを定めておけば、『今後の……』といった付加的な定めは、むしろ不要でしょう。
ご参考まで。
投稿日:2010/08/03 20:04 ID:QA-0022129
相談者より
投稿日:2010/08/03 20:04 ID:QA-0040842大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
まず①の降格に関しましては、御社人事規程に基く評価の結果として行われるものであれば減給の制裁には該当しません。
しかしながら、そうした降格については一度降格すれば再度評価を経ない限り昇格はしないのが通常です。従いまして、制裁と明確に区別する上でも当初から一定期間を定めないことが適切といえます。
また②の件については、「その他会社が不適切と判断した場合」というのでは労働者側の不安・不信感を招きかねません。歩合給であっても賃金の支給は日々の生活に直接関わる最も重要な労働条件ですので、文言上支給されない場合を明確に定めておくのが妥当と考えます。
尚、会社法上の役員は原則として労働者ではございませんので、労働基準法による減給制限は適用されません。社員に関する人事管理での制裁とは別問題になります。経営責任上からも取締役会等で決議し大幅な報酬カットを行う事はよく実施されています。
投稿日:2010/08/04 09:25 ID:QA-0022142
相談者より
投稿日:2010/08/04 09:25 ID:QA-0040847大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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