役職位の整理
これから、人事制度を改革し職能資格制度を導入する予定ですが、資格呼称と現行の役職位との整合性について、アドバイスをお願いします。現段階では、次長、課長補佐、係長、主任等の役職位については、資格呼称があれば不必要と考えますが、対外的(営業的)には、資格呼称だけでは足りないような感じがしています。手垢の付かない良いネーミングがあれば教えて下さい。
投稿日:2005/08/01 16:22 ID:QA-0001434
- よっちゃんさん
- 新潟県/農林・水産・鉱業(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 畑中 義雄
- 有限会社人事・労務
職能資格制度
対外呼称についてのご質問ですが、その前に職能制度について再考してみましょう。
職能制度においては、役職と資格と等級の3種類の要素が包含されているケースがほとんどです。
このうち、等級と資格については、同義であることが多く、どちらかを採用すればよいものです。
問題は役職と資格ですが、役職名を資格と完全連動させる職能制度にしてしまうと必ず役職の乱発につながります。
つまり、現状の次長、課長補佐、係長、主任等の役職位を資格呼称として扱う場合、管理者の資格等級数分の役職を必要とすることになり、企業が高年齢化するほどポスト不足に陥る可能性が強まります。
すなわち、職能資格制度は、職務資格とは違い、年功序列型の要素が多分に含まれた制度です。したがって、高年齢化すればそれだけ、高資格が増え役職者も増える制度というわけです。
そこで、資格等級はあくまでも等級として運用し、役職とは別に運用することをお勧めします。
具体的な例をあげると、資格等級を1等級~16等級まで設定します。1等級~5等級までを一般職、6等級~9等級までを指導職、10等級~16等級までを管理職、などのように区分し、指導職エリアに到達した人間は直近2期の人事考課に従い、役職付与の権利を与える、といった形での運用です。しくみによる自動付与ではなく権利のある人間に対して会社が人事権をもって役職を付与するのです。
結果として、6等級の課長もいれば、9等級の課長もいることになります。
この点、どうあっても同じ課長ではなく、課長同士で差のあることを対外的に明示したいということであれば、やはり役職名を増やすしかないのですが、課長補佐、課長代理、担当課長、課長、統括課長、といった形で増やしてみても結局は、社内的には混乱を招くだけの気がします。(例えば同じグループの中に課長補佐、課長代理、担当課長、課長、統括課長がいたらさすがにおかしいですよね)
ちなみに、最近ではこうした役職名について対外呼称では横文字を使用するケースが多いようです。例えば、サブリーダー、グループリーダー、統括リーダー、マネージャー、統括マネージャー、チーフマネージャーなどが挙げられます。
専門性の高い職務にはエキスパート、上級エキスパートといった呼称が用いられます。
自社の風土にあった役職名をご検討いただければと思います。
投稿日:2005/08/01 18:28 ID:QA-0001437
相談者より
早速ありがとうございました。事務局としては先生の仰るように簡略化を考えているのですが、なかなか理解しない者が多くいるのが実態です。たとえば、銀行等では、かなり若い職員でも「支店長代理」等の大層な名称を使用しているようですが、対顧客への効果はあるように思えます。その点について、もう少しアドバイスいただければ幸いです。
投稿日:2005/08/01 19:00 ID:QA-0030570参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 畑中 義雄
- 有限会社人事・労務
対外呼称
お返事が遅れて申し訳ありませんでした。
さて対顧客効果とは具体的にどのような効果を期待しているのでしょう?
例えば、若年者であっても肩書きによって相手方が過大評価してくれることで仕事が進めやすくなる、といったことでしょうか?
確かにそのような効果もあるかもしれませんが、そうした効果は2次的なもので役職設定の効果すなわち人事制度の効果はあくまでも会社構成員のモチベーションと上昇志向を高め、全体の生産性を上げるために存在するべきと私は考えます。
また、役職呼称を付与されることで、本人の自己実現欲が満たされ、期待にこたえるべく更に精進するという例も多々見受けられますが、それと同じぐらい分不相応な役職呼称に振り回され本質的な成長を妨げている例も数多くあります。
人事制度において大事なことは、制度による表面的な効果を期待することではなく人材の本質的な成長をもたらすにはどうすべきかという意識です。
従業員の理解が得られないという会社に共通する点は
①従業員説明会を行っていない
②大手のパッケージを導入し満足している
③システム化に傾倒し複雑化している
などがあげられます。
特に従業員説明会を行うことは非常に重要なことです。
また、制度構築前に従業員意識調査を行うことも一つの方策です。
①自分は将来どのようになりたいのか
②会社に期待することはなにか
③どの職位までいきたいのか
④現在不満に思っていることはあるのか
こうした従業員意識の現状分析を行うことは、自社の人事制度がどうあるべきかということに新たな気付きを与えてくれます。
制度が先ではなく人が先に存在する、そして経営方針を実現する人材の開発設計に入り、そのフェーズの一つに人事制度が存在するのだと私は考えます。
対外呼称の列挙といった直接的なご回答ではなくご期待に添えないかもしれませんが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
投稿日:2005/08/02 22:08 ID:QA-0001458
相談者より
ありがとうございました。テクニカルな面を重視した思考に陥っておりました。人事制度改革の本質を見失わずに取り組みたいと存じます。
投稿日:2005/08/03 08:58 ID:QA-0030577大変参考になった
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