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企業をのばす現場力
―人事部が変われば現場も変わる

早稲田大学ビジネススクール教授
株式会社ローランド・ベルガー日本法人会長

遠藤 功さん

ビジネスモデルは同じなのに、あの会社はなぜうちよりも利益が上がっているのか。なぜうちよりもユニークな商品を次々と出せるのか。なぜうちよりも顧客の評判がいいのか。そしてなぜうちよりも社員の目がいきいきと輝いているのか――それらはすべて「現場力」の差に由来すると、遠藤功さんは指摘します。現場力は本来、日本企業ならではのストロングポイントでした。それがいま大きく揺らぎはじめているといいます。現場再生に向けて――遠藤さんにじっくりとお話をうかがいました。

Profile

えんどう・いさお●1956年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。三菱電機株式会社、米系戦略コンサルティング会社を経て、現職。早稲田大学ビジネススクールで経営戦略論、オペレーション戦略論を担当し、自ら提唱する「現場力」の実践的研究を行なっている。2006年欧州系最大の戦略コンサルタントファーム「ローランド・ベルガー」の日本法人取締役会長に就任。競争戦略の策定、提言のみならず、実行支援を伴った「結果の出る」コンサルタントとして高い評価を得ている。2004年に上梓した『現場力を鍛える』(東洋経済新報社)はビジネス書評誌「TOPPOINT」で「読者が選ぶベストブック2004」の第1位に選ばれた。他に『見える化』『ねばちっこい経営』(共に東洋経済新報社)『ビジネスの“常識”を疑え!』(PHPビジネス新書)など著書多数。

「戦略2割、実行8割」――すべての企業価値は現場から生まれる

『現場力を鍛える』(東洋経済新報社)

経営コンサルタントとして企業に競争戦略を提言されるお立場でありながら、「『まず戦略ありき』という頭でっかちの発想から脱け出さなければならない」と主張しておられます。従来のコンサルティングには欠けていた視点ですね。

私はいつも「戦略2割、実行8割」といっています。戦略を立てたら、それをどう実行するかを考えることに8割のエネルギーを注ぐべきなんです。その意味では、戦略と実行のバランスが悪い企業が少なくありません。経営とは、最後は実行。いくら立派な戦略や計画があっても、正しく実行しなければ意味がないんですから。

では、実行するのは誰か。トップでもなければ本社の経営企画室でもない、まして人事部じゃないでしょう。当たり前のことですが、それは実際に生産や販売、サービスなどに携わる人々、すなわち「現場」なんですよ。現場に戦略を実行する力=「現場力」があるかないかで、企業としての最終的なパフォーマンスは雲泥の差。それがコンサルタント歴20年の結論ですね。

斬新なアイデアや画期的な戦略、あるいは「カリスマ社長」と呼ばれるような優れたリーダーの存在、一般にはそういうものが企業の勝敗を分けるのだと思われがちです。

もちろんアイデアや戦略は大切ですし、優れたリーダーもいたほうがいい。でも、それは必要条件であって、十分条件じゃないんですよ。アイデアや戦略さえあれば他社に勝てるわけではないし、トップ一人が旗を振っていれば改革が進むわけじゃありません。

合理的な戦略や計画をつくることも大切ですが、それを実行する力をどうやって組織内に担保していくのか。トップは現場に目線をあわせて、現場から経営を組み立てていくべきでしょう。戦略と実行、経営と現場が乖離していては、企業は成り立ちません。現場ががんばるからよい商品が生まれ、コストが下がり、高いサービスが提供できる。現場ががんばるからスピードが上がって、厳しい納期にも応えられる。すべての企業価値は現場から生まれるんです。

戦略を実行する力のない「弱い現場」には何が足りないのでしょう?

遠藤 功さん Photo

端的にいえば、一人ひとりが何も考えていないんです。与えられた目の前の仕事をこなしているだけ。企業の問題はどこで起きているかというと、現場で起きている。アイデアもビジネスチャンスも現場にある。企業が崩壊するのも現場から。すべて「現場発」なんですよ。だとすれば、現場が与えられことしかできない企業は取り残されていくだけでしょう。

もともと日本の現場は、戦略実行に対する“当事者意識”が非常に高かったんです。「戦略を実行し、結果を出すのは自分たちだ」と。だからこそ我々コンサルタントの提言に対しても、納得できない場合はどんどん議論をしかけてくる。そういうプライドのある現場に、私もたくさん出会いました。それが日本企業の最大の強みだったし、日本ほど、現場の当事者意識を尊重して企業経営を行ってきた国はないんですよ。でも最近は、その根幹が揺らいできました。何も考えず、与えられた仕事しかしない。いや、へたをすると与えられた仕事もろくにできない。そんな現場が、社会のあちこちに増えているような気がしてなりません。

「強い現場」を取り戻すために、人事部は何をすべきか

現場こそが企業のエンジンなのに、残念ながら日本企業の多くはこの十数年間、生き残るためとはいえ、大切な現場の力をそぐような方向に進んでしまいました。

最大の問題は現場を「コスト」として割り切ってしまったことです。コストなんだから安いほうがいいだろうと、正社員を非正社員に置き換え、安易に業務を外注化したり、国内生産を海外生産へとシフトしたりしていきました。

当時は人事部でも、よく「人件費を固定費から変動費にすべき」なんて議論が堂々と交わされていましたね。もちろんバブル崩壊後の経営環境を考えれば、やむをえなかった面はありますよ。でもそういう議論は一見合理的に聞こえるけれど、人間をまるで部品か設備であるかのごとくモノ扱いしている。とんでもない間違いです。現場を支えるのは生身の人間であり、その人間がやる気とアイデアを出してがんばれば、コスト以上のパフォーマンスが得られるんですから。人件費に100円かかるなら、120円分の付加価値をつければいい。それは単なるコストではなく、付加価値を生み出す源泉なんです。これまで日本の経営では、そう考えるのが当たり前でした。現場をコストセンターと見なすのではなく、価値を生み出す「バリューセンター」として、その能力を最大限に引き出すことを優先してきたんです。それなのに、100円の人件費をかけた成果として100円しか生み出せないからといって、じゃあ90円にしろ、80円にしろという議論になってしまった。

要はアウトプットを極大化するためのインプットであると考えずに、まずインプットの削減ありきになっているんです。そうすればするほど、現場のやる気はそがれ、「どうせ自分たちはコストなんだから与えられたことだけやっていればいい」と思考停止に陥ってしまう。

トヨタがなぜ強いかというとそういう風潮に乗らず、昔からのやり方を守り抜いたからです。現場はコストではない、人件費はコストではない、社員たちの知恵を極大化すれば、少々給料が高くても十分ペイできる。そういう思想を持った会社が生き残っているんです。私は、「人件費を変動費にする」といった考えを推し進めたという点において、昨今の現場の弱体化に対する人事部の責任は大きいと考えています。

では、日本の企業がもう一度「強い現場」を取り戻すために、人事部は何をすべきでしょうか。

遠藤 功さん Photo

「人事部が強い会社はろくな会社じゃない」なんて悪口を言われるのは、やはり現場を知らずにあれこれ施策を講じようとするからじゃないでしょうか。人を扱うシビアな仕事ではあるけれど、それだけに目立っちゃいけない。目立っちゃいけないというのは、動いてはいけないという意味ではありませんよ。遠藤功さん制度をつくるにしても、教育のしくみをつくるにしても、どこまで自社の現場の声を聞いて反映させているか。現場目線の施策が求められます。

ともすると自社の現場を見ないで、外ばかり見てはいませんか。こういう制度が流行っているから、同業他社がこんな取り組みをしているからうちも……と。

企業の競争力は人事部にあるわけではないんです。あくまでも主役は現場であって、人事部はその競争力を最大化するためにどういう制度や教育のしくみが必要かを考える支援組織でなければならない。その位置づけにもう一度戻るべきでしょう。

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