職場の上司は、相談しやすいか?
アイデム人と仕事研究所
三宅 航太(みやけ こうた)
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上司に相談しやすい人
これを上司への信頼感との関係で見ると、上司への信頼感を「持っている」人は、「相談しやすい」との回答が84.0%で、信頼感を「持っていない」人の29.5%を大きく上回りました(図2)。信頼感があることで、相談しやすさが格段に高まることがうかがえる結果となっています。これは、回答者個人に限り、「自分をさらけ出せる」という心理的安全性が機能した結果と言えるのではないでしょうか。
冒頭に紹介した「心理的安全性が担保されているチームほど、高い生産性を発揮する」という結論は、グーグルのプロジェクトに限った話ではありません。多くの研究で、職場の心理的安全性が高い場合、仕事の成果が高まったり、チームメンバーのコミットメントが高まるという効果が報告されています。
誰でも、自分の存在が尊重されていると自覚できれば、安心感や信頼感を持つことができます。職場で言えば、自分が上司や同僚に尊重されていることが分かれば、成果を出そうと思い、前向きに仕事に取り組もうとすることは想像に難くありません。
職場で信頼関係をつくり、相談しやすい雰囲気を醸成するというのは、マネジメントの土台とも言えます。労働市場は人手不足が恒常化しており、人の確保は厳しく、売り手市場であることから流出にも気を配らなければならない状況です。八方ふさがりとも言える状態ですが、そうしたときには、基本に立ち返ってみてもいいのかもしれません。
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●文/三宅 航太(みやけ こうた)
アイデム人と仕事研究所 研究員。大学卒業後、出版社の営業・編集、編集プロダクション勤務を経て、2004年に株式会社アイデム入社。同社がWEBで発信するビジネスやマネジメントなどに役立つ情報記事の編集業務に従事する。人事労務関連ニュースなどの記事作成や数多くの企業ならびに働く人を取材。
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