就活生のキャリア意識、ワーク・ライフ・バランス重視
古橋 孝美(ふるはし たかみ)
学生が持つ価値観とは
本調査では、学生に「キャリアアンカー」について聞いています。キャリアアンカーとは、アメリカの組織心理学者エドガー・H・シャイン博士によって提唱されたキャリア理論の概念です。「自身のキャリアを選択する際に、最も大切で他に譲ることのできない価値観・欲求」のことを指します。本調査では、キャリアアンカーの下記8項目について、各5点満点で合計が25点となるように点数をつけてもらいました(それぞれ平均3点とすると全24点。25点にするには、どれか1つを4点にしなければならず、回答者が考える優先順位が自ずと表れるようにしています)。
結果、以下のようになりました。
最も点数が高かったのは、「個人的な活動、家族、仕事のバランスをうまくとりたい」で4.2点。続いて、「自分の専門性や技術を高めたい」3.7点でした。一方、点数が低かったのは、「自分で独立したい」1.5点、「解決困難な問題にも挑戦していきたい」2.8点となっています。こうして見ると、学生は、自身を厳しい立場に置くよりも、ワーク・ライフ・バランスや社会貢献意識など周囲との調和を重視する傾向が見えてきます。
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