年俸額に時間外見合分を含めた場合の時間外手当算出方法について
当社では、年俸制をとっており、年俸の中に時間外手当見合い分(年間数百時間分)を入れて年俸を設定しております。
例えば、ある従業員が、年俸の中に設定した時間外手当見合い分の時間を超過して働いた場合についての質問です。
超過した分の時間外手当を算出する際には、①予め時間外手当見合い分が含まれている年俸額をもとにして、計算しなければならないか、それとも、②時間外手当見合い分を年俸額から差し引いた額をもとにして、計算してよいか。
または、③予め時間外手当見合い分を年俸額に入れている以上、会社が自由に取り決めることが可能か。
以上お忙しいところ大変恐縮ですが、ご回答頂けますよう宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2005/06/14 15:04 ID:QA-0000870
- *****さん
- 東京都/商社(専門)(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 畑中 義雄
- 有限会社人事・労務
年俸額に時間外見合分を含めた場合の時間外手当算出方法について
所定の残業時間を決めているのなら、それを超えた場合は時間外手当の支払が必要でしょう。
その場合は、時間外手当見合い分を除いた額から、残業単価を算出します。また「賞与」も含めて年俸制の報酬額となっている場合は、その賞与も残業単価の計算に含める必要がありますので、注意してください。
投稿日:2005/06/14 17:55 ID:QA-0000876
相談者より
有難う御座いました。大変参考になりました。
尚、大変恐縮ですが、頂いた回答に関しての質問をさせて下さい。
時間外手当見合い分の金額の計算方法についてですが、どのように計算すれば宜しいのでしょうか?ちなみに当社におきましては、約500時間を時間外手当見合い分の時間に設定しております。
(約500時間の根拠は、月の残業を42時間でみており、それに12ヶ月を掛けた為です。)
お忙しいところ大変恐縮ですが、宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2005/06/14 18:33 ID:QA-0030338大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
年俸額に時間外見合分を含めた場合の時間外手当算出方法について
年俸制の割増賃金および平均賃金の算定については、労基局長通達によることとされています。■(年俸の中の、本来の所定賃金から明確に区分できる)割増賃金相当部分が労基法どおりに計算した割増賃金額を上回っていることが必要で、もし下回る場合には法定額に達するまで追加支払いしなければならないとされています。(平成12/3/8付け基収78)
■注意すべきは、「その割増賃金相当額は、12等分して毎月、法定額以上でなければならない」という点です。御社の事例では、年間500時間超部分を追加支払すればよいのではなく、毎月発生する時間外労働が42時間を上回る部分についての割増賃金を<毎月>支払わなくてはならないということです。(だからといって、逆の場合に、戻入を請求できるわけではありません) 割増賃金の計算は労基法第37条によります。
投稿日:2005/06/14 20:33 ID:QA-0000883
相談者より
投稿日:2005/06/14 20:33 ID:QA-0030342参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 畑中 義雄
- 有限会社人事・労務
年俸額に時間外見合分を含めた場合の時間外手当算出方法について
通常、時間外手当の単価の計算は、1ヵ月の給与の額から「家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われる手当、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」を除いた金額を1ヵ月の所定労働時間で割って算出します。
1ヵ月の所定労働時間は、年間の総労働時間を12で割った平均でも構いません。
ご質問の場合、基本給部分と時間外手当部分を積上げて計算をせずに、一括で年俸を算出していたと言う事でしょうか。
そうであれば、再度、最初から年俸制の内訳を「基本給」+「諸手当」+「時間外手当」と積上げて総額を設定し直すことになると思います。
また、年間500時間を越えるとのことですが、36協定の年間の上限は360時間ですので、時間外労働の管理も再度見直す必要もあるでしょう。
投稿日:2005/06/14 20:56 ID:QA-0000884
相談者より
投稿日:2005/06/14 20:56 ID:QA-0030343大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
年俸額に時間外見合分・・・時間外手当算出方法について(追加)
失礼しました。訂正致します。
■一年間の時間外労働の限度は、畑中様ご指摘のように、360時間と告示されていますので、年俸に区分明記されている(いなければならない)時間限度および金額の変更が必要です。その上で、毎月ベースでの精算が要求されることになります。
投稿日:2005/06/14 22:41 ID:QA-0000886
相談者より
投稿日:2005/06/14 22:41 ID:QA-0030345大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
年俸額に時間外見合分を含めた場合の時間外手当算出方法について
年俸制を採用していて、月42時間までは年俸に含まれている、という契約をする場合、年俸を基本部分と時間外見合い分に分割してそれぞれの金額を計算により求めることは可能です。
ただ、貴社のように時間数で設定されますと(実際にそのようになさっている会社が多いのですが)、42時間というのは通常の時間外労働分なのか、つまり休日労働や深夜労働が発生した場合にその時間を42時間に含めるのかどうかという問題が生じます。
通常の時間外と休日、深夜の割増率は別個に設定されるケースが大半かと思いますので、全てを含めて42時間とするのなら、具体的に通常時間外何時間、休日何時間、深夜何時間、と設定しないと算出することができません。逆に休日・深夜分は別途支払うということですと、恐らく年俸に時間外を含めるという制度の趣旨から外れたものになってしまいます。
従いまして、目安として42時間相当という考え方を取るにしても、実際の計算上は例えば年俸(月給)の何パーセントなどと設定し、実際に時間外を計算した金額がその金額を上回る場合のみ別途手当を支給するという考え方が現実的であると考えます。
尚、年間500時間分という設定ですが、実際に36協定の上限を超えて労働させない限り、500時間分の賃金を支払うこと自体が問題になることはないと考えますが、諸先生方のコメントにもありますように、500時間を前提とした制度は望ましくありませんので再検討の必要があると思います。
投稿日:2005/06/15 13:53 ID:QA-0000900
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
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