【36協定】従業員代表者の選任について
36条協定の締結にかかる「労働者の過半数代表者」の選任について、「労務管理者たる管理監督職ではならない。」ということは、他の投稿記事を拝見してわかりました。
そこで昨今のコンプライアンスの概念に基づき、その代表者選任のの適格性、選任方法などについて疑問が生じましたのでお尋ねいたします。
当社の従業員代表者は、当社では労働組合がありませんので、社内親睦会(正社員と一部契約社員が加入)の代表者が、協定締結相手方となっております。
しかしこの代表者は、4年前より部門の労務管理者になっているにもかかわらず(職級はいわゆる課長補佐級)、毎年の協定締結時では特に改選することなく、現在に至っております。
現状の問題点として
1.労務管理者たるものに従業員代表をさせていること、任期を設けず改選なども事実上実施していないこと
2.社員親睦会が会として存続し、規約などを設けているにもかかわらず、役員の改選や運営の年度計画策定など、会議体がほとんど 機能していないこと
が、問題であると考えています。
そこで、新たな従業員代表を選任する必要があろうかと思いますが、次の問題点として、
1)社員親睦会の役員が昇進により各部門の労務管理者となっていること
2)社員親睦会が、従業員全体の過半数が加入している団体ではなくなってしまったこと
ということから、親睦会の加入条件を変更し従業員の過半数が加入する団体とした上で、非労務管理者から従業員代表を選任する必要があるかと思います。
上記の問題点を踏まえ、以下の問題を解決しなければならないと考えております。
①どのように加入者を増やしたらよいか(加入条件の変更・対象とする者の枠の設定)
※上記社員親睦会加入の「一部契約社員」とは、正社員登用を前提として採用または登用した有期雇用契約社員であります。
②社員親睦会の現状などを勘案し、どのように従業員代表を選任するのが良いか。
③任期についての妥当性はどれくらいの期間か
以上、長々となりましたがご指南いただければありがたく思います。何卒宜しくお願いいたします。
投稿日:2007/02/08 09:22 ID:QA-0007489
- *****さん
- 北海道/旅行・ホテル(企業規模 301~500人)
この相談に関連するQ&A
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
【36協定】従業員代表者の選任について
■現在の「社内親睦会」は、本来の趣旨面でも、若干機能不全に陥っている感があり、ましてや、法的規制が絡んでくる「労働者の過半数代表者」選任に関しては、そのままでの転活用は全く期待し難いと思います。
■一度、同組織を解散させ、新しい観点から(例えば、「従業員会」の呼称の下に)新規組織を立ち上げられることをお勧めします。要点は、① 文字通り、役員に最も近い管理職(通常は、本部長クラス)以外の管理職を含む全社員の加入 ② 運営に関する組織を明確にする ③ 運営委員長を代表者とするが、その選任に際しては、労組の擬似機能(労働条件の話し合いや36条協定への意見陳述)などを考慮する必要があります。
■運営委員長(代表者)の選任に関しては、労基法41条の「監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」の解釈として「一般的には、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあるものの意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきである」との判例を参考に、それ以外の<複数の中堅社員を候補者>として、投票で選ばせるのも一案でしょう。任期については、2年くらいが妥当ではないでしょうか。
投稿日:2007/02/08 11:33 ID:QA-0007492
相談者より
丁寧なご返答ありがとうございます。
できる限り、現状を踏まえた方策を模索できればと思い、今一度、質問をいたしたく存じます。
1.社内親睦会の解散と新たな組織の立ち上げの名の下では、パート(時給)社員も加入させるべきなのか
2.現行の社内親睦会では、給与控除によって「親睦会費」を支払っているが(月額は僅かです。)、この適用をパート社員にまで課してよいものか(社員は支払い、パート社員は支払わずに加入では公平感がないのではないか。)
3.「運営委員長(代表者)」と、「法的手続きの代表者(実務者)」は、別人でも良いのか(代表者(労務管理者)は、現行の代表者を会の規約に則って改選し、法的手続の代表者を新たに親睦会の選挙などによって選出するという方法・対応策は、労基法上問題があるのか)
以上、3点について、今一度お聞きしたいと存じます。何卒宜しくお願いいたします。
投稿日:2007/02/08 12:25 ID:QA-0033019大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
:【36協定】従業員代表者の選任について P2
1.パートの存在感の増大と最近の正社員化への動きを勘案すれば、パート(時給)社員の加入を避けるべき理由は希薄です。加入方向で検討されるのが賢明でしょう。
2.パート社員に「会費」を免除する根拠は薄弱です。新設の会への加入メリットは、パート社員にも及ぶと考えられるからです。但し、もともと僅かだとのことですが、会費は半額にするなどの配慮が好ましいと思います。
3.労働法規制外の任意組織なので、組織・代表者の選出の方法などは、自由に決めてよいでしょう。唯一、法的手続きの顔としての代表者には、次の要件を満たすことが望ましいと思います。
① 経営レベル、新卒レベル、組織(人事部署や会社機密の取扱部署)レベルのいずれからも一定の距離がある。
② 責任感が強い。
現行の代表者を新組織の代表者(兼)法的手続代表者に選ぶのであれば、上記2要件からのチェックが必要でしょう。
「運営委員長(代表者)」と、「法的手続きの代表者(実務者)」は同一人であるに越したことはありませんが、別人であっても運営委員会によって法的手続きの代表者として認知されておれば問題はないものと考えます。
投稿日:2007/02/08 13:44 ID:QA-0007494
相談者より
度重なるご返答誠にありがとうございます。
いただいたご回答をもとに対応策を図りたいと思います。
この度はありがとうございました。
投稿日:2007/02/08 14:19 ID:QA-0033020大変参考になった
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