社内の部会にての部長の発言がコンプライアンスに該当するか
初めて投稿させていただきます
社員より以下のような相談を受け、当内容がコンプライアンスに該当するかどうか
判断に困っております
内容
社内の部会にての部長の発言で
部長の当週スケジュール確認で、ミーティング案件の詳細をメンバーの前で発言
その案件内容が、社内社員の妊娠に伴う勤務状況や休暇予定についてと
別の社員の流産についてのフォローアップという内容だった
また、「女子社員を大事にしなくてはいけないので環境を整えるために尽力したい」とのこと
部員6名のうち数名が内容について不快感を覚えるとともに
そのような個人の機微であろう情報が、このような社内の打ち合わせで伝わるのは
いかがなものかという問い合わせだった
日ごろより該当部長は「こんなこというとコンプライアンスだよね」などと前置きしてから
コンプライアンスに抵触するような内容を言うというクレームもあります
投稿日:2013/05/02 15:41 ID:QA-0054374
- *****さん
- 東京都/販売・小売(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
お答えします
そのような発言が、明らかな法令違反かというと、そうとは言い切れません。しかし、コンプライアンスの観点から見て問題があるかどうかは、法令を基準にしてはいけません。法に触れているかどうは微妙であっても、紛争になったり、責任を追及されたり、社会的に糾弾されたりする事件は、いくらでも起こっているからです。
コンプライアンス=法令順守は もはや古い考え方で、コンプライアンス=社会適合性と理解すべきです。法的に問題があるかどうかではなく、社内外の関係者(もちろん従業員を含みます)の要望や期待、良し悪しの基準から見て問題があるかどうか、と考えなければなりません。書いておられる発言内容や言い方が、セクハラに該当するかどうかは 「それを聞いた人や事情を口外された人がどう思うか」を基準として判断すべきであり、他の場面における発言も同様です。判断に困っておられるとのことですが、複数から不快感や問題視するような訴えがあるのなら、迷われることはないと思いますが、いかがでしょうか。
簡単に言えば、モラルを基準としたコンプライアンスの実践を心掛けること。法を基準とするよりも曖昧にはなりますが、モラルという法よりも厳しい基準を設けて考える姿勢が、現在の企業のリスクマネジメントに求められているのです。
投稿日:2013/05/02 16:25 ID:QA-0054375
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、確かに従業員個人の妊娠や流産といった私的な情報に関わる話をミーティングの席で持ち出すというのは、個人情報保護法の観点からコンプライアンス上不適切といえます。
ミーティングで話をすることに関しまして、妊娠等しておられる社員自身の同意があれば問題ないのですが、そうでない限り上司が勝手に話すというのは全く無用な行為です。業務スケジュールの確認であれば、休暇日程のみを言えば済むことです。「女子社員を大事にしなくてはならない」というのであれば、同意無く話をされること自体をまず辞めるべきです。
後段の日頃における部長の発言内容からも、中高年古い価値観を持つ男性管理職に見られがちなコンプライアンス軽視の傾向があるように感じられます。法令上のみならず内容的にも若い他の従業員からクレームがあってしかるべきですので、人事担当からも時代の潮流や法律規制の観点から個人情報をみだりに話さないようしっかりと注意指導されることをお勧めいたします。
投稿日:2013/05/02 19:23 ID:QA-0054378
相談者より
上司が個人的な案件を、口外することの重大性を認識できていないことは大きな問題であり、きちんと認識していただかなくてはいけないと改めて思いました
投稿日:2013/05/07 13:19 ID:QA-0054405参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
個人情報を適正に取扱うための原則に基づいて判断すべき
個人情報を適正に取扱うためには、 遵守すべき5原則があります。 その最初の原則は、 「 利用目的による制限 」 です。 これは、 「 個人情報は、 その利用目的が明確にされるとともに、 当該利用目的の達成に必要な範囲内で取り扱われるべきこと 」 ということです。 ご相談事例でも、 ① 案件自体が、 ミーティングの対象として適切であったかどうか。 ② 適切であったとしても、 問題の個人情報を必要であったかどうか。 ③ 必要であっても、 目的達成に必要な範囲内であったかどうか、 といった、 3段階のダウンロード方式による検証が要求されます。 3段階の何処かで、 引っ掛かるものが感じられますが、 感情的にならず、 判断することが重要です。
投稿日:2013/05/02 21:09 ID:QA-0054380
相談者より
ご指摘の通り、冷静に何が問題であるかを認識することは重要だと思います
ありがとうございました
投稿日:2013/05/07 13:20 ID:QA-0054406参考になった
プロフェッショナルからの回答
内容と管理能力
会議が何のためのものかわかりませんので即断するのは難しいのですが、雇用管理や該当社員の業務についてなど、必要な情報であれば情状酌量の余地はあるかも知れませんが、日常的にハラスメントが懸念される部長であれば、コンプライアンス能力について疑義が考えられます。昨今の風潮では管理者として、少なくとも部長職としてコンプライアンスの感覚に欠ける方は普通は不適切という判断にもなりかねません。発言そのものの判断より、部下から今回のように漏れ伝わるような状況は、恐らく担当部下の人心掌握においても疑問をもたせるものかも知れません。会社として厳しい指導をする、あるいはそもそも部長職としての適性を今一度判断するというような人事政策上の経営判断が求められるように感じます。
投稿日:2013/05/03 16:21 ID:QA-0054384
相談者より
ご指摘のとおり、口外されている内容の重大性はもとより、上司に対しての信頼感へ大きく関わるものだと思います。相談者のなかには自分のこともほかでどのように言われているかわからないといったような不安を口にするメンバーも出ているようです。
会社としてきちんと適正や事態への対処をしっかりできないといけないと思いました
投稿日:2013/05/07 13:24 ID:QA-0054407大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
当事者意識を持っていれば、発言内容についての是非は判断できるはず。
コンプライアンスが重要視されるのは、その意味に『法令遵守』も含まれますが、法令だけに留まらず、社内規程・マニュアル・企業倫理・社会貢献の遵守、更に企業リスクを回避するために、どういうルールを設定して行くか・どのように運用して行くかを考え、その環境の整備までを含んでいるからです。
コンプライアンスの原点として、『公正・適切な企業活動を通じ社会貢献を行なう』という思想があります。
企業には、積極的に法令や条例以上の企業倫理・社会貢献を遵守し、『常識が法である』という行動が求められているのです。
法律は完璧ではなく不完全なもので、社会の要求や期待の全てを満たすものではありません。そのため、解釈がわかれたり、その不完全を補うために次々に新しい法律が作られます。
ただ違法行為だけをしなければよいというのでは問題であり、その先にある企業倫理や社会貢献までも広く遵守できるような環境整備が、企業には期待されています。
役職に就く者がこういった趣旨を理解し、当事者意識を持っていればこのような場面で発言すべきことかどうかはわかるはずです。
部長の品格を落とすだけではなく、そのチームが他部署からの信頼を失うことになりかねません。
対策として、事前に部会の議事予定表などを作成し不適切な議題があがった場合は外すなどの対応をされてはいかがでしょうか。それでも部長が気づかれないようであれば、人事などのコンプライアンス管理者に進言してみてください。
投稿日:2013/05/06 23:34 ID:QA-0054400
相談者より
会議の進め方についても再度検討し
抑止効果をはかっていきたいと思います
投稿日:2013/05/07 13:26 ID:QA-0054408参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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