障害者雇用 - 有給休暇の付与について
お世話になります。
弊社契約社員(障害者雇用)の有給休暇の取扱いにつき、以下につき、ご教示ください。よろしくお願いいたします。
障害者雇用として、人工透析患者の方を有期で雇用している(既に7年目)。
当該被用者との契約条件は、有給20日+リフレッシュ休暇(有給)3日+傷病休暇(無制限)である。
なお、当該被用者は、人工透析と合併症その他の治療のため、昨年は年間40日程度有給で会社を欠勤した。
ただし昨年は、当社の有給制度移行(入社日を起算日とする付与から、1月1日の一斉付与への変更)に伴う緩和措置のため、当該被用者にも40日程度有給が付与されており、
これをほぼ使い切る形であった。その際、治療以外の目的での有給取得も、40日の範囲内だったため
自由に認めていた。
今年、当該被用者の有給休暇は、上記契約条件通り(有給20日+リフレッシュ休暇(有給)3日+傷病休暇(無制限))である。
そして、会社としては、治療目的の休暇の取得方法について、「まず有給から消化し、その後傷病休暇を(必要な範囲で、特に制限なく)取得してほしい」と指導していた(なお、リフレッシュ休暇は治療目的の有給消化対象ではなく、治療目的外の有給として認める考えである)。
ここで、9月の契約始期より5か月が経過する今月、有給休暇をあと4日残すのみとなり、その後は傷病休暇取得の予定である。
治療目的の休暇の場合は、このような対応で問題ない認識だが、懸念があるのが、
本人が、「治療目的外で有給がほしい」と希望した場合である。
昨年は自由に取得できていたのが、今年は、当社指導の有給消化方法によると、
治療目的外の有給休暇をまったく取れない形となる。それでは本人の不満も生じ、また若干気の毒な感じもする。
一方、無制限に治療目的外の有給を認めるのは、当該被用者のみ厚く優遇されることとなり、
他の社員のモチベーションにも悪影響が生じかねない。
このような状況下、当該被用者から治療目的外の有給取得依頼があった場合、どのように対応すべきか。
例えば「治療目的外の有給は7日間とする」と書面合意して、対応するのはどうか。日数や対応方法についてご教示願いたい。
なお、有給休暇について、他の社員は年間20日+3日(+医師の診断書があれば7日までの傷病休暇)である。
投稿日:2013/01/18 18:40 ID:QA-0052888
- WトリプルAさん
- 東京都/保険(企業規模 51~100人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、リフレッシュ休暇及び傷病休暇につきましては御社独自の休暇ですので、付与条件等につきましては御社就業規則上の定めに従って行うことになります。
そうしますと、傷病休暇につきましては「無制限」とございますので、取得条件(これは治療目的という事でしょうか?)を満たしている限り当人から請求があれば必ず付与しなければなりません。一方で、取得条件を満たしていなければ与える必要はございません。その際、前者の場合に他の社員のモチベーションや公平性を理由に付与を拒否する事は出来ませんので注意が必要です。後者の場合ですと、文面に示されているように元々有休ゼロであるところを当人と相談の上特別に一定の有休を付与する事は差し支えございません。障害者という事情から7日程度であれば他の社員も納得出来る範囲内と考えられますが、あくまで臨時・特別な措置として位置付けられるべきといえます。
投稿日:2013/01/18 23:44 ID:QA-0052897
相談者より
ご回答ありがとうございました。大変参考になりました。
先生方のご回答を拝見いたしまして、有給休暇と傷病休暇の規定と運用が問題となる可能性があるかと思いました。
当該社員の雇用条件は有期雇用契約書で規定しており、契約書では「有給休暇 当該雇用期間中20日」、「リフレッシュ休暇 当該雇用期間中3日(有給)」とし、その下段に「上記有給休暇消化後は、医師による診断書の提出により、会社が適切と考える範囲で傷病休暇(有給)を認める」としています。
傷病休暇につき、取得条件は妥当か、また、この文言が有給の取得目的を制限することにならないかについても、ご教示いただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2013/01/23 10:54 ID:QA-0052953大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
法定有休の利用目的に制限を課することはできない
本事案に関する、本人と他の社員との差異は、傷病休暇の部分だけのように思われますが、法定の有給休暇の利用目的に制限を課することはできません。 また、その違いを、時季変更を命ずる理由とするのも無理があります。 従って、「 治療目的外の有給は7日間とする 」 といった制限を課することもできません。 問題は、有休、無給かは分りませんが、「 無制限の傷病休暇 」 にあります。 障害者に対する配慮、他社員の理解は必要ですが、制度措置には、自ずから、妥当な限度が必要です。 ご懸念の不公平感は払拭するには、「 限度なき休暇 」 に、妥当な限度を設けることが必要です。労働条件の不利益変更になりますが、然るべき手順を踏めば、コンセンサスを得ることは可能だと思います。
投稿日:2013/01/19 12:28 ID:QA-0052900
相談者より
ご回答ありがとうございました。
説明が不足しておりましたので、追記いたします。
契約書上は「上記有給休暇消化後は、医師による診断書の提出により、会社が適切と考える範囲で傷病休暇(有給)を認める」
としており、有給休暇を全部消化してしまった後も、有給にて傷病休暇がとれるようにしています。従いまして、傷病休暇を取得する場合のみ、その旨の明示が必要となりますが、現場では、急な体調不良等で休むこともあることから、本人は都度理由を説明していたようです。
ほぼ有給休暇を使い切ってしまった現在、体調不良では有給の傷病休暇が使えるものの、レジャー等、治療以外の目的では有給が取得できなくなることに対し、上長から気の毒ではないかとの指摘があったことから、今回の相談となりました。
ご回答では、「無制限の傷病休暇」を問題点としてご指摘いただいていますので、上記、有給20日+リフレッシュ休暇(3日)+傷病休暇に加えて、さらに「治療目的外の有給(7日」」を付与することは、おそらく「適当でない」とのご回答になるのかと推察しました。
また、ご回答を拝見して、弊社契約書の「有給消化後傷病休暇を認める」とする表現が、有給の取得目的の制限することになるかどうかも問題点かと思いました。この点についてもご教示いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2013/01/23 10:43 ID:QA-0052952参考になった
プロフェッショナルからの回答
有給の目的制限
無制限の傷病休暇等、福利厚生が手厚くなる分には問題ないでしょう。
>当社指導の有給消化方法
>無制限に治療目的外の有給を認める
この表記が理解しにくいのですが、有給取得において利用目的が必要なのでしょうか?有給の取得目的の指示や指導は出来ない以上、そのように受け取られかねない表現も、現在の有給取得促進の流れに逆行するように見える可能性がありますので、ただちに修正された方が宜しいかと存じます。尚、会社側の時季変更権は厳しい制限があり、現実的に発効するのは難しい可能性が高いといえます。
投稿日:2013/01/20 10:37 ID:QA-0052902
相談者より
ご回答ありがとうございました。
説明が不足しておりましたので、追記いたします。
契約書上は「上記有給休暇消化後は、医師による診断書の提出により、会社が適切と考える範囲で傷病休暇(有給)を認める」
としており、有給休暇を全部消化してしまった後も、有給にて傷病休暇がとれるようにしています。従いまして、傷病休暇を取得する場合のみ、その旨の明示が必要となりますが、現場では、急な体調不良等で休むこともあることから、本人は都度理由を説明していたようです。
ほぼ有給休暇を使い切ってしまった現在、体調不良では有給の傷病休暇が使えるものの、レジャー等、治療以外の目的では有給が取得できなくなることに対し、上長から気の毒ではないかとの指摘があったことから、今回の相談となりました。
上記、有給20日+リフレッシュ休暇(3日)+傷病休暇に加えて、さらに有給を付与することはいかがなものでしょうか。
また、ご回答を拝見して、弊社契約書の「有給消化後傷病休暇を認める」とする表現が、有給の取得目的の制限することになるかどうかも問題点かと思いました。この点についてもご教示いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2013/01/23 10:37 ID:QA-0052951参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
法定有休の利用目的に制限を課することはできない P2
有給20日+リフレッシュ休暇(3日)までは一般社員と同じですね。 違っているのは、医師の診断書提出条件での、有給傷病休暇が、一般社員は7日付与であるの対し、当該社員には、同じく 《 有給 》 ですが 《 期間無制限 》 与えられているという点に就いては見直しが必要ではないかと申し上げたのです。 個別の傷病事例に拘ると全体が見えづらくなりますが、 ご相談の人工透析を要する場合などは、定期、且つ、長期に亘る状況だと思われますので、期間に就いては制限を設けなくても、不就労日に就いては、無給にする、或いは、勤務体系を短時間労働に切替え、賃金も調整するといった観点から検討するのが妥当ではないかと考えます。 上長の 「 気の毒 」 論も心情として持ち得ることですが、法定有給の使い方は本人次第で、会社が、その使途に、口出しをしている訳ではありませんので、その限りでは、同情論は必要はないと考えます。
投稿日:2013/01/23 11:39 ID:QA-0052954
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2013/01/25 19:18 ID:QA-0053034大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き感謝しております。
ご質問の件ですが、文言を拝見する限りでは法定の年次有給休暇について取得理由等で利用制限を課しているわけではございませんし、前回も申し上げました通り、リフレッシュ休暇や傷病休暇は法定外の休暇ですのでこちらの方は任意に取得ルールを定める事が可能です。従いまして、理由に関わらず当人から休暇を取得申請する場合におきまして法定外休暇に利用制限を課す事でまずは法定年次有給休暇から消化してもらっても基本的には差し支えございません。
但し、そうした休暇申請の場合の消化順につきましては、きちんと雇用契約書に明示される事が必要といえます。そうでなければ、病気の時に傷病休暇を先に使えないという根拠がなくなってしまうからです。契約書で明示せず、後で口頭で取得順を依頼する等新たな条件を課するというのでは労働契約書の内容が不十分ですし、労働基準法上における休暇に関わる労働条件明示違反を問われることにもなりえますので注意が必要です。
投稿日:2013/01/23 12:21 ID:QA-0052955
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2013/01/25 19:19 ID:QA-0053035大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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