裁量労働社員の「適用除外日」の設定と賃金の取扱いについて
弊社では専門型裁量労働制を導入しており、適用者には一定の手当を支給しています。
また、ある特定日において、
・トラブル等への対応で、みなし労働時間より長い勤務時間を指示した場合
・顧客対応のために待機中に出勤した労働時間
は、その日だけ裁量労働の適用を外し、時間外勤務の手当を支払っています。
その場合、裁量労働に関する手当は減額せずダブルの支給としていますが、
「過剰な支給ではないか」という問題提起がなされました。
上記に関し、以下の点についてご教示お願いいたします。
(1)本件(裁量労働を一時的に除外する)について、
何か法的な取り決め・通達等は存在しますでしょうか。
(2)今後、「ある日について裁量労働の適用を外した場合、裁量労働に関する手当は
按分して減額する」と規程した場合、不利益変更になりますでしょうか。
(3)今後、1日単位の「適用除外」を取り止め、「月の半分以上の日について、
みなし労働時間より長い勤務時間を指示された等の状況があった場合については、
その月は裁量労働の適用を除外し、裁量労働に関する手当は支給しない。」
というような形に変更することは、不利益変更になりますでしょうか。
以上、宜しくお願いいたします。
投稿日:2012/08/23 15:27 ID:QA-0051016
- ぽぴけさん
- 東京都/教育(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
裁量労働制自体は、協定の有効期間中、継続して適用される
(1) 看做し労働時間は、一日単位で決めますが、裁量労働制自体を日によって、適用したり、適用しなかったりすることはできません。 労使協定には、有効期間も記載し、労基署に届けなくてはなりませんが、 この期間中は、継続して同制度を運営することが必要です。 (2) 前述のように、「 ある日について裁量労働の適用を外す 」 ことはできないということは、ご質問の基盤が存在しなきことになります。(3) 本制度は、協定の有効期間中、継続して適用されますので、「 月の半分以上の日について、みなし労働時間より長い勤務時間が指示 」 されるようなら、「 通常必要とされる時間 」 自体を、見直す必要があります。《 最後 》 に、「 一定の手当 」 とは、どのような性格の賃金でしょうか。 平均して労働時間が長い場合は、「 通常必要とされる時間 」 を労使協定で定めますが、この 「 一定の手当 」 が、「 通常必要とされる時間 」 が 「 所定労働時間 」 を上回る場合の、「 時間外労働時間に対する手当 」 なのか、単に、裁量労働従事者に対する 「 インセンティブ報酬 」 なのかが、「 過剰な支給 」 か否かの判断を左右するように思えます。
投稿日:2012/08/23 21:40 ID:QA-0051017
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御質問に回答させて頂きますと‥
(1)そのような法的取り決め等はございません。そもそも如何なる労働時間制にせよ、一度取り決めた制度を会社都合で「一時適用除外する」というのでは労働契約違反となり妥当な措置とはいえません。 仮に「トラブル等への対応で、みなし労働時間より長い勤務時間を指示」する必要性が頻繁に生じるというのであれば、労働者に労働時間に関する自由裁量を認めるという裁量労働制の前提要件が崩れていますので、むしろ裁量労働制の適用自体を全て外す方向にて検討されるべきでしょう。
(2)先に申し上げました通り不適切な措置であり、当然不利益変更にも該当します。
(3)基本的に上記と同様ですので、不利益変更となります。
投稿日:2012/08/23 22:39 ID:QA-0051018
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