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メンタルヘルス対策導入について

外部の相談窓口の導入を検討中です。
従業員が自殺してしまった場合、安全配慮義務の果たし具合によって賠償額がことなると聞きました。
その他様々な要因によって異なるとは思いますが、万が一従業員の自殺があった場合、外部の相談窓口を会社としてもっている場合と持っていない場合とで賠償額はどれくらい異なるのでしょうか?

投稿日:2010/06/02 20:09 ID:QA-0020838

*****さん
東京都/医療・福祉関連(企業規模 101~300人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答4

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」によりますと、外部相談窓口に関しては「4つのメンタルヘルスケア」の中の「事業場外資源によるケア」に該当するものといえます。

但し、こうした外部相談窓口の設置に関しては現状努力義務でしかない事に加え、仮に窓口を設置したとしても労働者への周知度合いや運用方法等が不十分で機能を果たしていなければ、安全配慮面での会社への評価はなされないものといえます。

また賠償額というのは、個別の事故の発生経緯や軽重・過失の度合い等総合的な要素で判定されるものですので、外部相談窓口の設置が直接影響する程度自体は高くないものといえますし、当然ですがその有無だけでいくら増減するといった計算方法が決められているものでもございません。

従いまして、考え方としましては他の配慮措置も含めて「これを措置すれば賠償額が幾ら‥」と決める事は不可能であり、設置された上で十分に機能させていれば賠償額が減る要素の一つにもなりうるといった程度に過ぎない旨ご理解頂ければ幸いです。

投稿日:2010/06/02 23:09 ID:QA-0020845

相談者より

ありがとうございます。要素の一つ、ということでよくわかりました。念のため外部の要素を一つ持っておくか、あとは活かし方次第ということで、引き続き検討します。

投稿日:2010/06/04 15:44 ID:QA-0040309大変参考になった

回答が参考になった 0

プロフェッショナルからの回答

この回答者の情報は非公開になりました
 

社員の自殺とメンタルヘルス

1997年以降の日本の自殺率は高止まりしています。また、大企業を中心に、過労自殺が労災として認められることになり、社員の自殺対策、その前の段階としてメンタルヘルスが大きな課題になってきました。
公共系企業は自社のイメージダウンを防ぐ観点から、積極的にメンタルヘルスに取り組んできましたが、ホワイトカラーのみから構成される組織体である銀行や商社などの企業は取り組みが遅れてきました。十分な体制は今でも構築されていない場合が過半でしょう。そればかりか、採用選考でメンタルクライシスを起こさない選抜方法をコンサルタントや産業医に伝授してくれという企業が少なくないです。臭いものにはふたという発想ですが、専門医が診ても、入社前の面接では見抜けないそうです。

さて、貴社の場合ですが、社員の自殺が起こった場合の対応策を事前に打っておこうという姿勢は評価できると思います。しかし、会社が雇った相談室や外部団体を、精神科にかかれば、自殺予備軍として排除されると危険を感じている従業員が利用するか、難しい所であることは認識していただきたいです。
それでもなお、事前策は講じたことは安全配慮義務を講じたものとして有事の際、評価されるかもしれないですが、職場の管理者の対応、労務管理がどうだったかなども勘案されます。たとえば、上司がパワハラをしていたという場合、会社は相談室を作っていたり、相談を外部委託していたと強調しても、管理者教育に問題があったということになりかねないです。

投稿日:2010/06/03 01:00 ID:QA-0020851

プロフェッショナルからの回答

この回答者の情報は非公開になりました
 

続き

企業とは異なりますが、大学でメールで、課題ができないのは君の能力に問題がある、と発信した教員が解雇になった事例があります(高崎経済大学事件)。大学ではどこでも数人の自殺者を出しており、それは青年期特有の現象かもしれないですが、教員が引き金になっていないか、防止策を講じたか、近年では非常にセンシブになっています。

貴社の場合、損害賠償を抑制したいという発想なのですが、もちろん大事なことですが、メンタルヘルス対策を抜本から見直さないといけない時代になっていることも、この機会にご認識頂きたいです。

現在、多くの会社がやっている、自殺予備軍の排除という作戦は戦術的には成功するかもしれないですが、そもそも自殺者が出る職場にも環境要因があるという発想を持つことも大事です。
精神疾患を持つ人が増えたことは時代の潮流かもしれないですが、90年代後半から日本に広がった新自由主義、成果主義、チーム組織の瓦解、非正規雇用の急増などに由来する歴史的現象でもあります。
自殺は個人的な問題であるだけではなく、会社の組織的問題でもあります。少なくとも判例になっている企業の実態は現代の女工哀史で、最後の結末に、不都合になったので女子労働者全員を薬殺したという部分がないくらいかもしれないです。
2010年はメンタルヘルス、労務管理の大きな転換期と言えるかもしれないです。そのように指摘する識者も多いです。
いかがでしょうか?

投稿日:2010/06/03 01:01 ID:QA-0020852

プロフェッショナルからの回答

この回答者の情報は非公開になりました
 

賠償金との関係

EAP(メンタルヘルス支援)サービスにお申し込みいただく企業様の本音として、リスクヘッジという意図は高いと言えるでしょう。

ただし、そうした支援サービスに申し込んだことが具体的に賠償金にどう影響するかは、その発生した状況等により、大きく変動します。一律なパーセンテージで表すことは不可能と思います。
特に裁判に至る等紛糾した際には、責任を巡っての争いになります。

ただ、「導入しておけば良い」のではなく、導入がリスクヘッジということであるなら、その目的をしっかりと保持していただければ、事前対策も含め、管理職向け・従業員向けメンタルヘルス研修等の実施により、実効性も高まります。

費用対効果は十分得られると考えております。

投稿日:2010/06/03 10:49 ID:QA-0020856

回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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