自宅待機社員の一部について待機を解除することについて
B001350にて自宅待機社員のフォローについて質問させていただいた会社です。ご回答いただいた専門家の方々誠にありがとうございました。追加で1点確認です。
簡単には経済状況が好転しないということを考慮すれば、自宅待機になっているエンジニアに対して人員整理を行わざるを得ない状況も今後くると思われます。
ただそういう状況下でも会社に対して貢献してくれそうな優秀なエンジニアについては会社としては残したいというところが本音です。
この場合、そういうエンジニアの一部のみの自宅待機を解除するということは法的に問題ないのでしょうか。また自宅待機が続く方のエンジニアに対してのケアは必要でしょうか。
投稿日:2009/10/26 11:06 ID:QA-0017959
- *****さん
- 大阪府/HRビジネス(企業規模 501~1000人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
ことは急を要する自宅待機者の取扱い
■ 前回のご相談に回答を差し上げた者ではありませんが、身近な類似ケース(特定人材派遣に特化している企業)を経験しましたので、コメント致したいと思います。仮令、6割補償に留めていたとしても、収入源の蛇口が絞られ、或いは、閉じられ、回復の見通しが立たなければ、ことは急を要し、10割補償で、研修を施すといった悠長な経営状況にないと推測しますが、いかがでしょうか?
■ 自宅待機者数が、経営見通し上、明らかに過剰であり、最善を尽くしても、派遣案件数の回復が見込めなければ、単に、「会社に対して貢献してくれそうな」といった曖昧な基準ではなく、客観的、合理的な基準に基づき、対象者を選定し、労使の協議などの妥当な手続きを通じて、解雇措置を検討すべき段階にあるように思います。
■ 「自宅待機が続く方のエンジニアに対してのケア」の意味が分かりませんが、文脈からは、「与える仕事の目途がつかない自宅待機者をどのように扱うべきか」ということなのだと理解しております。
投稿日:2009/10/27 14:27 ID:QA-0017970
相談者より
川藤 様
ご回答いただきありがとうございました。経営上の見通しとしては、希望退職実施等の施策により適正要員数(=次年度以降の黒字確保)に近づきつつある状況です。
ただ、まだエンジニア全員の自宅待機を解除(=弊社では配属先未決定の場合、社内研修としています)できる段階までにはきておりません。
このような状況下において、一部のエンジニアのみだけを客観的合理的な基準に基づき自宅待機を解除することは法的に問題ないのかどうかという点を知りたかった次第です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2009/10/27 16:06 ID:QA-0037028参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
前回回答させていただきました服部です。
ご相談の件ですが、人材力アップやコミュニケーション活性化等が目的となる研修と、経営危機への対応が目的となる人員整理とは明らかに別個の問題として区別して考えるべきです。
まだ人員整理について明らかになっておらず人選等も確定していないにも関わらず、あたかもそのような人選を行っているかのように特定の方のみを待機解除する措置は、外された従業員の戸惑いや不信感を募らせる等会社の人事管理にとっても重大な問題を生じさせる恐れがあるものといえます。
特定の業務内容についてのみ必要な研修というものが実際にあるとすれば、対象者を絞って行うこと自体は問題ございませんが、その参加者のみを人員整理の対象外にするといったやり方は公平性・合理性に欠けるものといえるでしょう。
目的が異なる事柄を混同して考えるべきではありませんし、ましてそれが従業員の解雇といった大きなリスクを含んだものであるならば、尚一層きちんと筋道を立てて検討していくことが必要不可欠になるというのが私共の見解になります。
投稿日:2009/10/28 00:50 ID:QA-0017977
相談者より
服部 様
ご回答いただき、ありがとうございます。他社メーカーの事例で、工場での製造部門のみ(=設計開発部隊は通常勤務)、あるいは事務系の例えば人事部門の一部のみ自宅待機などが行われていることを知りました。(もちろんしっかりとした手続きを踏んでいるという前提です)
このことを弊社に当てはめた場合、機械系/電気電子系/情報系/化学系/と多分野のエンジニアを抱えている中で、例えば機械系エンジニアのみ自宅待機を解除するということは可能ではないか?と思った次第です。
投稿日:2009/10/28 09:58 ID:QA-0037032参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
自宅待機解除の優先度についてのポイント
■ 《客観的、且つ、合理的選定基準》というのは、いわゆる、解雇が、社会通念上相当であると認められるための、要件の一つで、これを欠くと違法と判断される可能性が高まるので引用しました。ご相談の、自宅待機の解除の優先順位のつけ方に就いても、この考えを適用することによって納得性を高めることができるのではないかと思います。
■ 具体的な基準は、事案毎に異なってきますが、その底辺には、《機会の均等》と《人的資源としての価値》という、二つの選定軸が必要だと思います。前者は、「仕事以外の要件を持ち込まないこと」、後者は、「これまでの評価実績(当然、貢献度も含まれている筈)を優先度として使用すること」を意味しています。これまでの評価制度の価値が問われることにもなります。
投稿日:2009/10/28 09:24 ID:QA-0017978
相談者より
投稿日:2009/10/28 09:24 ID:QA-0037033大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
こちらこそご返事頂き有難うございます。
人員整理の件は別にしまして、全ての従業員の方の派遣先が決まらないという事態は十分に有り得ることですので、そうしたやむを得ない業務上の事情による一部のみの自宅待機という措置は差し支えないものといえるでしょう。
この点は派遣業種に限らず、企業における休業一般において該当するものといえますし、そうでなければ雇用確保自体にも重大な影響がでるものといえます。
従いまして、御社の場合でも(※人員整理問題とは完全に切り離した上で)例えば恣意的・差別的な選別で無い限り業務または研修等の客観的な必要性に基く特定分野のエンジニアのみ自宅待機を解除することは、違法とはなりえず可能であるというのが私共の見解になります。
投稿日:2009/10/28 11:19 ID:QA-0017981
相談者より
投稿日:2009/10/28 11:19 ID:QA-0037034大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
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